介護職は60代や70代まで続けられる仕事と言われますが、介護職で働いてきた50代の中には、子どもの自立や親の介護、自分の体調や心境の変化などで、仕事のやり方を変えようと思ったり転職を考えている人もいるでしょう。
50代で介護職を脱出して異業種へ転職する場合、得られるメリットとは、どのようなものでしょうか。転職のデメリットやおすすめの職種、その年収についても併せて調べてみました。
介護職を辞めて転職する理由
人間関係 | 結婚・出産 | 施設・事業所 | 他の仕事 があった | 将来が 見込めない |
20.0% | 18.3% | 17.8% | 16.3% | 15.6% |
収入が 少ない | 資格を 取った | 人員整理 | 向かない 仕事だった | 家族の介護 |
15.0% | 11.5% | 7.2% | 6.0% | 4.6% |
出典 介護労働安定センター
介護職を辞めた理由の第1位は「人間関係」がもっとも多い結果となりました。2番目は「結婚・育児」、3番目が「施設・事業所の理念や運営の在り方に不満があった」になります。 このことから、従業員や施設・事業所への不満が多いことがわかります。
では、50代介護職員が介護を辞めて転職しようと思った理由をみていきましょう。
人間関係
介護職員には優しく穏やかな人が多いイメージがありますが、実際はそうではなく、心身ともにハードな仕事でメンタルが強くなければもたないことから、気が強い人が多いのが 実情のようです。
その上、価値観や感覚の違う幅広い年代の職員がいっしょに働いていることから、職員同士が僅かなきっかけでぶつかったり、仕事のストレスをいじめで発散するなどの問題も多く、そのような介護職独特の人間関係のわずらわしさは、転職理由に多く挙げられます。
腰痛などの悪化
利用者の身体を支えるなどの身体介護を長年行っていると、膝や腰を痛めてしまう場合がありますが、人手が不足しがちな介護職は休みがとりづらく、無理をして仕事を続けてしまう職員が大半です。
しかしそのために腰痛や関節痛などが仕事ができないほどの症状に悪化して、転職や退職を決意する例はよくあります。
職場の方針への不満
長く介護職に勤務している50代では、施設や事業所の介護に対する考え方や方針に納得がいかなくて、辞めざるを得なかったという人もいます。
管理者などになって、施設と職員の中間の立場にいる場合は特に、現場の苦労と施設の意向の板挟みになったり、無理な方針を強いてくる運営側に対して長年の不満が募り、結果的に転職を選ぶことになるようです。
夜勤が辛い
年とともに疲労の回復が遅くなり、疲れが抜けきらないうちにまた夜勤が入り、疲労が蓄積されるなど、夜勤の辛さも転職理由に挙げられます。
特に女性の場合、50代前後は更年期と重なって体質の変化や不調が出てくる年代でもあり、ひとによっては特に身体のリズムが整えづらく、辛く感じることがあります。
50代で介護職から転職するメリット
健康上の不安が解消
介護職で常時感じていたような足腰の不調や、腰痛などの持病がひどくなる不安、長時間勤務での疲れや体調不良等も、力仕事が無く規則正しい生活を送れる異業種に就くことで、身体への負担が減り解消される部分は大きいでしょう。
今後60代・70代と健康に過ごすことを考えると、今のうちに身体を労わり健康な生活習慣を身につけていけることは、転職して得られるメリットのひとつです。
金銭的なメリット
50代の求人に多いのは比較的短時間なパート勤務なので、フルタイムで働きたい人にとっては多少の不満はあると思いますが、時給で換算すると介護職よりも高い賃金の職種も多くあります。
年齢による体力的な負担を考えると、少ない時間でも高い時給で働くことができるのは、メリットといえるでしょう。
人間関係のストレスが無い
介護職の職場は年代が非常に幅広くて人間関係が難しいことから、トラブルやそれに伴うストレスも少なくなかったと思いますが、一般の職場の人間関係はそれに比べると易しく感じるようです。
環境を全く変えることで、人間関係のストレスからも解放されるのは、転職のメリットです。
休みが確実に取れる
介護業界では人員不足から休日出勤や時間外労働などが当たり前になっている職場も多いのですが、一般の業種では勤務時間の管理は正しくなされていることがほとんどで、決められた公休は確実に取れるのが当然です。
介護職では取りづらかった有給休暇も、異業種では普通に取得できるところが転職のメリットでしょう。
50代で介護職から転職するデメリット
仕事を選べない
フルタイムの仕事や正社員の仕事の求人は、50代になると格段に少なくなります。 パートやアルバイトの短時間勤務の求人は、まだ多くありますが、職種にも偏りがあり、自分の望む勤務時間や職種に合った求人は少ないと考えたほうがいいでしょう。
条件や職種に関してある程度妥協しなければいけないところは、50代での転職のデメリットです。
資格や技術が無駄になる
異業種では未経験で何もわからないところから始めなければならず、自分より年下の上司から仕事を教わったり注意を受けることもあるでしょう。
また、これまで努力して取得した介護の資格や技術が役立つ場面はほぼないことから、それをむなしく感じたり、スムーズに仕事をこなしていた以前とのギャップに自分で落ち込むこともあるはずです。 転職して新たな仕事に就く場合に付き物の、こうした点はデメリットといえるでしょう。
仕事を覚えるのに時間がかかる
新しい職場では必要な知識や仕事の流れ、ビジネスマナーなどを新たに覚えていく必要がありますが、介護職が長かった人では、一般企業のマナーや雰囲気に慣れるのが難しく感じるでしょう。
知識や技術を覚えるにも若い社員よりも年齢的に時間がかかることが多く、より努力や覚える工夫が必要なところは異業種に転職するデメリットとなります。
50代が介護職から転職を成功させる5つのポイント
転職理由を整理する
まず、なぜ転職したいのか理由を整理します。
単に違う仕事がしたいとか、介護職が嫌になったというような曖昧な理由ではなく、からだの不調や体力の問題なのか、勤務時間が理由なのか、給与額を改善したいのかなど、どのような理由で転職したいのか、変えたい現状を具体的にすべて挙げてみます。
優先順位を決める
転職したい理由を挙げてみると、給与なら幾らくらいアップしたいのか、体力的な問題なら職種を変えると改善できるのか、勤務時間を短くすればいいのかなど、転職することで状況をどう変えたいのかも具体的に見えてくると思います。
そうした希望条件を書き出してみて、優先したい順位を決めます。 すべてを希望通りにすることは難しいので、ある程度妥協できそうなところは、その範囲についても決めておきます。
柔軟な考え方
若い年代よりも求人の選択肢が少ない50代の転職では、職種や働き方に対して、自分の考えだけに固執せず、より柔軟に考えてみましょう。
自分はこの仕事がしたいという考えは大事ですが、その仕事に50代の需要がないこともあり得ます。それよりも、自分の年代がどんな仕事で求められているか、50代が活躍している業種など、需要が多い仕事から探してみるのが現実的です。
また働き方についても、正社員にこだわらず派遣やパートなど幅広い働き方の中から選ぶように考えるとより選択肢を広げることができるでしょう。
仕事の決め方
50代では、おそらく今後の転職はなく、これが最後の転職になる可能性も高いですから、リタイヤまで続けられる仕事なのかも慎重に考えて決めましょう。
自分の得意な分野など適性に合う仕事であったり、社会や人に貢献していると感じられる仕事など、待遇や条件のほかに自分で納得できる要素があると、仕事に対するモチベーションも維持しやすいでしょう。
転職エージェントを使う
転職エージェントの力を借りて、転職活動をサポートしてもらうのもひとつの方法です。 転職エージェントは転職サイトと異なり、その人に合った求人のピックアップから、応募や面接の手配や転職活動のアドバイスもしてもらえます。
一般の求人には出ていない求人を保有していることも多いので、自分一人で探すよりも、多くの情報を得ることができます。
50代が介護職から転職する際の3つの注意点
収入がダウンする可能性
転職すると転職先では50代でも当然新人なので、相応の給与になります。 働き方や職種によっては前職を上回る場合もありますが、以前と比べて収入がダウンする可能性が大きいことは考えておいた方がいいでしょう。
これまでの経済状況が変わる可能性があることを家族とも話し合い、どんな風に協力し合っていけるかを決めておくと、転職活動もスムーズに進められます。
在職中に転職活動する
20代30代と異なり、50代での転職は慎重さが求められますし、求人の選択肢も狭まることから長期間かかる傾向があります。
一旦退職し無職期間が長引くほど、そのブランクが敬遠されることもあるので、精神的にも経済的にも余裕を持ってできるように、仕事を続けて収入を確保しながら転職活動するのが、賢い方法と言えます。
余計なプライドは持たない
前職で長年勤務してある程度の立場にあると、ついその頃の成果を自慢げに話してしまったり、口調や態度が「上から」になってしまっていることがあります。
卑屈になることはありませんが、転職先では自分は仕事を教えてもらう立場になることを自覚して、謙虚な態度で面接に臨むことが大切です。 履歴書の書き方や面接時の対応なども軽く考えず、基本マナーをよく知っておきましょう。
引き止められて困ってるなら「退職代行サービス」を利用
退職代行サービスとは、退職の意思を上司や会社に言えずにいる方の代わりに会社へ話をしてくれるもので、上司に辞めると言い出せないでいる、直接話をせずに辞めたいなど、退職する意思は固いものの困っている方へおすすめです。
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おわりに
50代はそれまでの生き方について振り返ったり、改めて考えることも多い年代だと思います。 異業種に転職してゼロから始めるのは難しく感じますが、これまでの人生経験で得たものは何らかの形で新しい職場でも生かしていけることでしょう。