フェルラ酸(米ぬか)の効果・効能|ADHDや発達障害、糖尿病予防に

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フェルラ酸は、認知症への効果が期待されている健康成分です。植物の細胞壁に含まれているポリフェノールの一種なので、野菜を食べると自然に摂取できるものではあるのですが、それもごく少量。

健康に良くしかも気になる病気や症状に効果があるなら、積極的に摂りたいものですね。
今回は、このフェルラ酸について詳しく調べてみました。

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フェルラ酸とは

脱穀や精製されていない米ぬかに含有

フェルラ酸は植物の細胞壁にある有機化合物で、数多くの種類があるポリフェノールの一種です。りんごやオレンジの種の中にもありますが、特に米、大麦、小麦などイネ科の植物に多く含まれています。

脱穀や精製していない穀物、特に米ぬか(玄米を白米に精製するときに取り除く外皮などのこと)の含有量が多く、精米したお米を食べている現代の食生活では、食事からの摂取は難しくなっている成分です。

酸化防止作用がある

強い抗酸化作用を持つフェルラ酸は、酸化防止剤として厚生労働省の食品添加物リストにも登録されていて、おもな用途は酸化による食品の退色防止。

抹茶やグリーンピースの退色を防いだり、バナナの黒変防止に使われているほか、アスタキサンチンなどカロチノイドの光酸化を防ぐ作用が見られることから、アスタキサンチンやルテインを成分に持つ真鯛の色調を、フェルラ酸によって保持する研究もされています。

他にも、化粧品の原料に紫外線吸収剤として使われたり、医薬品の原料としても利用され、フェルラ酸を含むサプリメントも多く販売されています。

フェルラ酸の効果・効能

近年注目されてきたフェルラ酸ですが、どのような効果・効能があるのか。研究や臨床結果などによるフェルラ酸の科学的根拠(エビデンス)を見てみましょう。

アルツハイマー型認知症の予防

フェルラ酸の効果として、いちばんに挙げられるのは認知症の予防です。

【日本】株式会社ファンケルの研究
2016年4月に発表された株式会社ファンケルの研究結果によると、フェルラ酸には認知症の原因のひとつとされる、リン酸化したタウたんぱく質という物質を減らす働きがあることがわかったそうです。

タウたんぱく質とは神経伝達に関わっている物質で、過剰にリン酸化することでスムーズな神経の伝達を阻害し、これがアルツハイマー型認知症の発症にも関係していると言われます。

【日本】広島大の中村名誉教授による研究
また、遡って2008年の広島大の中村名誉教授による研究発表でも、フェルラ酸を含むサプリメントを飲むことで、認知症薬の投与では改善が見られなかった軽度の認知症患者に対する、改善効果の有効性が報告されています。

フェルラ酸がこのタウたんぱく質が溜まるのを防ぐことで、アルツハイマー型認知症の発症を予防すると考えられます。

【韓国】ソウル大学、漢方医学研究所等の研究(2016年)
この研究では、同じ2種の動物モデルを使用し、フェルラ酸の二量体の1つであるKMS4001の効果を調べました。
5日間のKMS4001(30mg / kg /日)によるマウスの胃内前処置では、Aβ1-42脳室内注入による誘発記憶障害が、長期記憶・ワーキングメモリーに関する試験において有意に改善されました。
また、アルツハイマー病モデルマウスに、3および30mg / kg /日の用量で3ヶ月間KMS4001を投与したところ、前頭皮質におけるアミロイドβタンパク1-40およびアミロイドβタンパク1-42レベルが著しく減少しました。
これらの結果から、フェルラ酸の二量体KMS4001がアルツハイマー病に対する有効な薬物候補になり得ることを示しています。
出典:Eur J Pharmacol. 2016 Jul 5;782:30-4. doi: 10.1016/j.ejphar.2016.04.047. Epub 2016 Apr 23.

この実験によってフェルラ酸がアルツハイマー型認知症の原因で発症する記憶学習障害を改善させて、脳内のゴミであるアミロイドβを低下させることがわかりました。

レビー小体型認知症や前頭側頭型認知症(ピック病)の予防

神経伝達物質の減少が原因とされるパーキンソン病、脳内に特殊なたんぱく質が蓄積し神経細胞が壊され減ってしまうレビー小体型認知症前頭側頭型認知症(ピック病)に対しても、効果が期待されます。

河野和彦医師が提唱するあたらしい認知症治療のかたち「コウノメソッド」でも、フェルラ酸入りのサプリメントが活用されています。

【日本】国立病院機構 熊本医療センターの研究(2011年)
前頭側頭葉変性症またはレビー小体型認知症の患者20人において、フェルガード(3.0 g /日)を毎日4週間投与し、認知症の行動および心理学的症状をNPI(Neuropsychiatric Inventory)スコアはWilcoxon rank sum testを用いて解析した。フェルガードを用いた治療では、20人の患者のうち19人の患者の精神神経インベントリのスコアが低下し、スコア全体が有意に低下した。この治療ではそのほかに「妄想」「幻覚」「激越/攻撃」「不安」「無関心/無関心」「過敏性/不安定性」「異常行動」におけるスコアも有意に低下させました。
フェルガードは、前頭側頭葉変性症およびレビー小体型認知症における認知症の行動および心理学的症状を治療するのに有効であり、有用であることが報告されました
出典:Geriatr Gerontol Int. 2011 Jul;11(3):309-14. doi: 10.1111/j.1447-0594.2010.00687.x. Epub 2011 Jan 28.

発達障害の1つADHD(注意欠陥・多動性障害)など脳機能の改善

フェルラ酸には、脳内の傷ついた細胞を修復・保護する働きがあり、細胞の死滅を防ぐ働きもあるとされるので、記憶力など脳機能全体の改善にも効果が期待されます。

発達障害のADHD患者にフェルラ酸を投与した場合、多くの患者に症状の改善が見られ、劇的な改善が見られる例も出たことから、未発達の神経回路の成長を促進させたり、前頭葉の血流を良くする働きがあると分析されています。

【中国】チチハル医学院の研究(2015年)
出生前の鉛曝露は、子供の知的発達の遅れと関連づけられています。PC12細胞の酢酸鉛への曝露は、神経突起伸長を阻害し、ROS、LPO、GSH / GSSG、およびNAD + / NADHによって測定される酸化ストレスを引き起こします。 フェルラ酸を処理することにより、この酢酸鉛誘導の神経突起伸長阻害に対して、完全ではないものの、細胞を有意に保護することが確認されました。
さらにフェルラ酸は、酢酸鉛に暴露されたPC12細胞において、抗酸化タンパク質の1つであるHO-1の発現、抗酸化剤応答配列(ARE)プロモーター活性の増強、ERK1/2リン酸化の促進、およびNrf2転座現象の誘導がみられました。
フェルラ酸が鉛神経毒治療における有望な治療方法の候補であることを示唆しています。
出典:Mol Neurobiol. 2016 Nov;53(9):6489-6500. doi: 10.1007/s12035-015-9555-x. Epub 2015 Nov 26.

高血圧の改善

自律神経は、人間の体内の器官を動かしている神経です。その交感神経と副交感神経のバランスが崩れるとさまざまな不調が生じますが、高血圧もその一つです。
フェルラ酸は副交感神経をを刺激するアセチルコリンの分泌を促進し、血管を拡張させる働きのある副交感神経の機能を回復させることで、血圧を下げ高血圧を改善します。

【エジプト】ザガジグ大学とサウジアラビアの共同研究(2016年)
フルクトース(果糖)を与えたラットに対するフェルラ酸の効果を、標準的なアルドースレダクターゼ阻害剤のゾポルレスタットと比較して調査したところ、投与開始から12週間後、フルクトース摂取に伴う高インスリン血症および拡張期血圧の両方において、フェルラ酸が、ゾポルレスタットで達成されたレベルに匹敵するレベルまで有意に低下させたことがわかりました。 さらにアセチルコリンを添加した大動脈細胞は、一酸化窒素の生成の減衰を示し、フェルラ酸とゾポルレスタットの両方が一酸化窒素の誘導機能を正常に改善したことが確認されました。
この研究において、フェルラ酸は、メタボリックシンドロームに関連するインスリン抵抗性および高血圧症を緩和したことを示しています。この保護効果は、内皮弛緩を改善させることによって改善されたことが明らかになりました。
出典:Chem Biol Interact. 2016 Jul 25;254:191-7. doi: 10.1016/j.cbi.2016.06.013. Epub 2016 Jun 7.

糖尿病予防

糖尿病とは、血液中のブドウ糖の量である血糖値が高くなり、その状態が続いている病気です。血糖値が高いことで血液の流れは悪くなり、それが原因となってさまざまな合併症を起こします。
フェルラ酸には血糖値やコレステロール値を下げる作用があるため、血流を良くし糖尿病を予防する効果があると言えます。

【インド】マドラス大学の研究(2015年)
対照群、糖尿病対照群、フェルラ酸(50mg / kg体重/日)を30日間経口投与した糖尿病動物群、メトホルミン(50mg /kg体重・日)を30日間経口投与した糖尿病動物、およびフェルラ酸を経口投与した対照ラットの計5群に分け研究したところ、 糖尿病動物へのフェルラ酸投与により、血糖、血清インスリン、耐糖能および正常範囲に対するインスリン耐性の改善がみられました。
この研究により、2型糖尿病ラットへのフェルラ酸投与により、インスリン感受性および肝臓グリコーゲン生成を改善し、グルコースの恒常性の維持のために糖新生およびインスリンシグナリングの負の制御因子を抑制することが結論づけられました。
出典:J Ethnopharmacol. 2003 Sep;88(1):107-11.

大腸ガンの予防効果

この実験では、天然源由来の米酒水抽出物に含まれるフェルラ酸が大腸がんに対する潜在的な化学予防剤である可能性がわかっています。

【マレーシア】マレーシアプトラ大学の研究(2015年)
試験管培養により、米酒水抽出物の結腸直腸癌細胞(HT-29)に対する細胞毒性を調査した結果、米酒水抽出物処理のHT-29細胞において、アポトーシス(細胞の自然死)の典型的な特徴が確認できました。米酒水抽出物はまた、HT-29細胞の早期および後期アポトーシス細胞数を、対照細胞と比較して明らかに増加させました。
UPLC分析の結果、米酒水抽出物にはフェルラ酸(36.42±2.97μg/ g)が最も高い濃度で含まれており、次に没食子酸(26.09±2.01μg/ g)とp-クマル酸(7.13±0.36μg/ g)という順になります。これらのフェルラ酸が、アポトーシス細胞死に有効に寄与していると推測されます。
出典:Eur Rev Med Pharmacol Sci. 2015;19(6):1022-9.

成長促進作用

この研究では、米ぬか由来のフェルラ酸が成長ホルモンの促進作用がある可能性がわかりました。

【日本】九州工業大学と中国揚州大学の共同研究(2018年)
ユーグレナ・グラシリス(ミドリムシ)に米ぬか由来のフェレル酸を500mg / L添加するだけで、ミドリムシ特有の有用成分パラミロンを減少させることなく、細胞密度は対照群の2.5倍、陰性対照群の3.6倍になり、顕著な成長促進が確認されました。

出典:AMB Express. 2018 Feb 8;8(1):16. doi: 10.1186/s13568-018-0547-x.

抗酸化作用

この実験では、フェルラ酸は、炎症を抑制および抗酸化防御を活性化することにより、リポ多糖類で誘導された急性腎障害を保護する可能性がわかりました。

【インド】インディアン・インスティテュート・オブ・ケミカル・テクノロジー等の実験(2018年)
リポ多糖誘導性敗血症誘発性急性腎障害に対するフェルラ酸の効果を調べるため、マウスに、リポ多糖処理(10mg / kg)後、50mg / kgおよび100mg / kg用量のフェルラ酸を投与しました。
その結果、フェルラ酸処置動物では、TLR-4媒介NFκB活性化を阻害することにより、抗酸化防御の活性化および炎症の抑制がみられました。
フェルラ酸のマウスにおけるリポ多糖誘導性敗血症誘発性急性腎障害に対する顕著な抑止効果は、ヒトにおいて敗血症誘発性急性腎障害を治療するための化学的役割の可能性を示唆しています。
出典:Biomed Pharmacother. 2018 Apr;100:304-315. doi: 10.1016/j.biopha.2018.01.169. Epub 2018 Feb 16.

美白効果・アンチエイジング・メラニンの生成を抑える

フェルラ酸は紫外線を吸収して、シミのもとになるメラニンの生成を抑えるので、美白にも効果的。そのため化粧品やUVクリームなどの原料としても使われています。
また抗酸化作用に優れているので、アンチエイジング効果も期待できます。

【韓国】慶北大学校の共同研究(2018年)
ツルナから採取したフェルラ酸を、B16F10マウスメラノーマ(悪性黒色腫)細胞に対する美白効果、およびCCD-986skヒト皮膚線維芽細胞株に対する抗しわ活性作用について調査をしたところ、α-メラニン細胞刺激ホルモンで刺激されたB16F10メラノーマ細胞で発現していたメラニン合成、チロシナーゼ発現、および微小眼瞼炎転写因子発現に対して、フェルラ酸の阻害作用が確認されました。
この結果、ツルナ由来のフェルラ酸が、美白作用およびしわ防止作用を有する機能性食品としての使用の可能性を示すと結論づけました。
出典:J Nat Med. 2018 Jan;72(1):127-135. doi: 10.1007/s11418-017-1120-7. Epub 2017 Sep 7.

 

フェルラ酸の摂取量

1日100ml以上の摂取が必要

フェルラ酸の効果を実感するためには、1日100ml以上の摂取が必要と言われています。米や麦などの穀物のほか、コーヒーやリンゴ、ピーナツにも含まれていますが、十分な含有量とは言えません。

また、食品の中でもフェルラ酸が多く含まれる米ぬかの摂取量は、1日に大さじ2杯までが適量とされています。これは米ぬか内の成分に、鉄分などのミネラルと結合し体外に排出させる働きがあるため。

米ぬかがフェルラ酸含有量トップ

フェルラ酸を身体に取り入れるためには、米ぬかを摂取することで補うことができます。

食品100gあたりのフェルラ酸含有量
米ぬか250mg
玄米41.8mg
精白米9.4mg
じゃがいも周皮7.5mg
そば粉2.9mg

フェルラ酸の摂取方法

「主治医が見つかる診療所」の米ぬかレシピ2選

2018年4月19日(木)に放送された「主治医が見つかる診療所」にて紹介されていましたナグモクリニック 総院長「南雲医師」直伝の米ぬかレシピ2選をご紹介いたします。

米ぬか茶の作り方

  1. 米ぬかをきつね色になるまで空炒り(煎り)します
  2. 空炒りした米ぬかを湯呑みに大さじ1杯入れます
  3. お湯を注げば出来上がりです

米ぬかおにぎりの作り方

材料

  • 米ぬか 大さじ5杯
  • 桜えび(乾燥) 5g
  • 塩昆布 20g
  • シラス 25g
  • ご飯 400g
  1. 米ぬかをきつね色になるまで約10分間、煎ります
  2. 桜えび、塩昆布、シラスを入れてさらに煎ります
  3. ふりかけ状になったものを適量取りご飯と握れば出来上がりです

サプリメントで摂る方法も

「米ぬか」を毎日100g前後、摂取するのはかなり大変ですし、お金もかかりますので維持するのが難しいでしょう。

効率よく摂取するためには、フェルラ酸を米ぬかから抽出し加工したサプリメントでの摂取が最適と考えられます。サプリメントなら、年齢とともに食が細くなってきた方でも、無理なく続けることができます。

フェルラ酸の副作用と飲む際の注意

副作用の心配はないが摂取量を守ること

フェラル酸はもともと植物由来の物質ですから、副作用の心配もないようです。

ただ、サプリメントの場合、配合されている他の成分によるものや、薬との飲み合わせによると思われる副作用の情報もありますので、飲む際は目安摂取量を守り、投薬治療中の方は医師に相談しましょう。

おわりに

物忘れが気になったり健康診断の結果に悩んでいるという方は、早めの対策をしておきましょう。

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認知症の予防
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