グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは|サービス内容や利用方法を解説

グループホーム
ー 目次 ー
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グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは、認知症の高齢者が住み慣れた地域で、少人数での共同生活を送るための介護保険の施設です。

ユニットと言われる5人から9人の小規模な集団が、家庭的な雰囲気の中で地域住民との交流を行い、入浴や排せつ、食事等の介護やその他の日常生活上の世話、機能訓練を行い自立した日常生活を営むことができるような支援を受けられる施設です。

認知症高齢者の方のための小規模な施設

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)に入居できるのは、65歳以上で要支援2または要介護1以上で、認知症の診断を受けていることが条件です。合わせて、グループホームは、地域密着型サービスとなるため施設と同じ市区町村に住民票があることが条件となります。

地域密着型サービスとは、住み慣れた地域での生活が出来るように小規模で地域に根付いた施設運営を求められるサービスです。

また施設の規模は、ユニット型と言われる個別対応型のケアを中心とした小集団での生活単位を基本とした作りになっています。具体的には定員数18名以下、1つのユニット(生活単位)は5人以上9人以下で構成され、なじみの職員によるケアが行われます。

生活保護でも大丈夫

生活保護を受けている場合でも、生活保護法の指定を受けているグループホーム(認知症対応型共同生活介護)であれば入居することが可能です。

施設によっては生活保護法の指定を受けていない場合や、一部の居室だけが指定を受けている場合もあります。合わせて、グループホームは地域密着型サービスなので、施設のある市区町村に住民票があり、その市区町村で生活保護を受けていることが入居の条件となります。

事業所数

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、2018年4月の時点で13,499の事業所があります。事業所数は地域密着型サービスの中で、地域密着型通所介護に次ぐ多さとなっています。また設置事業所数は、緩やかに増加しています。

グループホームの事業所数 (2)

利用者数

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の年間の受給者数(利用者数)は、平成29年度で235万5,900人、一月あたりでは約19万6千人が利用しています。

要介護度別に見ると、平成29年3月の利用では要介護3が26.1%と要介護2が25.1と、要介護2.3で約半数を占めていることが分かり比較的要介護度が高い入居者も多いことが分かります。

グループホーム要介護度別の利用者割合

「グループホーム」と「有料老人ホーム」との違いは?

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)と同様に、認知症がある場合に入居できる施設として有料老人ホームがあります。グループホームと有料老人ホームはどのような違いがあるのでしょうか。その違いについてご案内します。

入居対象者の違い

認知症

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)に入居するには、認知症の診断を受けている必要があります。一方、有料老人ホームの入居には認知症の有無は関係ありません。

要介護認定

グループホームは要支援2以上である必要があり、有料老人ホームは施設のタイプにより要介護認定を受けていない場合でも入居することが可能な場合があります。

身体状況

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)では、施設の役割として重度者への介護は十分な体制は整っていません。一方、有料老人ホームの場合は施設によっては寝たきりや看取りの方でも対応が可能な場合があります。

サービスの違い

介護サービス

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)では、全ての介護サービスが施設の中で完結します。一方、有料老人ホームの中でも「介護付き有料老人ホーム」は施設内で全ての介護サービスが完結しますが「住宅型有料老人ホーム」の場合は、介護が必要な場合には外部の介護事業所の介護サービスを利用して生活を送ります。

費用の違い

施設へ入居した場合に2つの費用が必要となります。1つは入居時の費用、もう1つは月々の費用です。

入居時の費用

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)では、敷金や保証金などで施設により0円から百万円程度までが必要な場合があります。一方の有料老人ホームには入居一時金と言われる家賃の前払いに該当する費用がある場合があり、施設により0円から数百万円、数千万円が必要な場合があります。

月々の費用

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は月額15万円から25万円程度の費用が必要となります。その中には、家賃や管理費などの他に介護費用の自己負担分が含まれます。

一方、有料老人ホームは施設のタイプによりことなりますが月額15万円から30万円が必要となります。介護費用については、住宅型有料老人ホームの場合は外部の介護サービスを利用することから介護保険の限度額を超えた場合、非常に高額となる場合もあります。

提供されるサービス内容

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)では、認知症の高齢者が小規模な集団で共同生活を送ります。そこで提供されるサービス内容は、一般的な介護だけにとどまりません。

地域との交流

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、地域密着型サービスに位置づけられています。そのため地域との交流や認知症の啓蒙活動など、地域の認知症ケアの拠点という役割があります。

具体的には、認知症カフェの運営や入居者の地域行事への参加など他の介護サービスにはない特徴を持っています。

リハビリ

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)では、一般的にイメージする運動や身体的なリハビリテーションはあまり行われません。

日常生活上の援助を受けることにより、身体機能の維持や認知症が進まないように取り組む施設が多くあります。

食事

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)では、職員と入居者が協力して食事を作る機会もあります。

そのような機会も、リハビリテーションの一環であり職員と入居者が一緒に買い物に出る機会を持つなど外出の機会にもなることがあります。

排泄

一般的な介護である排せつ介助も必要があれば行われます。おむつ交換が必要な場合などでも施設の職員により対応が行われますが、要介護度が高い方の場合には入居の継続が難しくなる場合もあります。

入浴

入浴については施設の職員による見守りや入浴介助が行われます。

しかし、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)では一般浴しか整備されていない場合がほとんどのため、機械浴が必要な場合や自力で浴槽に入ることが難しい場合などは入居の継続が難しくなる場合もあります。

日常生活の支援

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)では、日常生活上の介護も行われます。特に入居者は認知症の高齢者なので、認知症の症状による物忘れや徘徊なども日常的にケアの対象となります。

そのため、施設の職員は認知症介護の経験の知識や経験を持っていることと定められています。

レクリエーション

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)でのレクリエーションは、リハビリテーションも兼ねた身体を動かす体操や、認知症に効果があると言われる音楽セラピーや園芸セラピー、手作業などが行われます。

アニマルセラピーなどを行う施設などもあり、様々な工夫や取り組みが行われています。

生活相談

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)では、身体状況によっては入居の継続が難しい場合があります。

そのような場合でも、外部の介護施設や医療機関との連携により次の行き先を探すなど、退所後のための生活相談に乗ることが義務付けられています。

医療的ケア

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)には、看護師等の配置義務はありません。

しかし、施設が外部の訪問看護ステーションと契約をしている場合には、医療連携体制加算として加算算定を行うことにより訪問看護ステーションの看護師が医療的ケアを行うことが出来ます。

緊急時の対応

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)では、看護師等の医療従事者の配置は原則として義務付けられていません。緊急時や急変時には、主治医への連絡や協力医療機関へ連絡を行うなど必要な対応を行います。

まあ、あらかじめ協力医療機関や協力歯科医療機関のみならず他の介護保険施設との連携を行うことも求められています。

ターミナルケア

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)でのターミナルケアは一般的ではありません。施設の作りや人員体制などから医療依存度が高くなった場合の対応が難しいことがその要因です。

しかし、少ないですがターミナルケアに対応するグループホームも存在します。平成27年度の介護保険改正によりグループホームでも、看取り介護加算が創設されグループホームでのターミナルケアが加算として評価され始めましたのでこれから取り組む施設も増えるかもしれません。

グループホームの料金・費用

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の料金・費用

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の入居には、主に「入居時の初期費用」と「月々の費用」2つの費用が必要となります。

入居時の初期費用

施設により異なりますが、入居一時金や敷金・保証金と言われる初期費用が必要な場合があります。0円の場合から、家賃の2・3ヶ月分の場合や数百万円が必要な場合など様々です。償却方法や返還の規定も異なりますので、事前の確認が必要です。

月々の費用

家賃(居住費)や食費、その他の費用、そして介護サービス費用の自己負担分が必要となります。一般的には、月額15万円~25万円程度と言われますが施設や地域によって異なります。

グループホームの一日の流れ

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)では、法的に決められたスケジュールはありませんので、施設ごと入居者ごとに思い思いの生活を送ることになります。参考に、代表的な一日の流れをご案内します。

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の一日の流れ
  • 6:30
    起床
    血圧測定や検温など、体調管理やトイレ誘導を行います。
  • 7:30
    朝食
    必要な方には介助を行い、食事を召し上がります。
  • 8:30
    服薬や歯磨き
    食後の服薬がある場合は、服薬のお手伝いをします。
  • 9:00
    余暇やレクリエーション
    それぞれテレビを見たり歓談をしたり、レクリエーションをして過ごします。
  • 10:30
    昼食の準備
    入居者と職員で食事の準備を始めます。
  • 12:00
    昼食
  • 13:30
    外出・買い物
    入居者と職員で夕食の買い物にでかけます。
  • 15:00
    おやつ
  • 16:00
    入浴
    順番に入浴を行います。必要な方には職員が入浴介助を行います。
  • 16:30
    夕食の準備
  • 17:30
    夕食
  • 18:30
    自由時間
    思い思いに時間を過ごします。
  • 21:00
    就寝

グループホームのメリット

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は認知症の高齢者が入居する施設ですが、グループホームならではのメリット・デメリットはどのようなものがあるでしょうか。

【メリット1】認知症ケアの知識がある職員が対応してくれる

小規模で家庭的な雰囲気の施設で馴染みの職員と生活を送ります。働く職員は、認知症ケアの専門性や経験を持っており安心した生活を送ることが出来ます。

【メリット2】プライバシーに配慮した施設の作りとなっている

グループホームは少人数でほとんどが個室なため、プライベートな空間が確保できます。

【メリット3】共同生活を通じて認知症の進行を遅らせることが出来る

家事や食事づくりなどを職員と一緒に行うことで、認知症の進行を遅らせる効果があります。

グループホームのデメリット

【デメリット1】医療依存度が高くなると入居の継続が難しい

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)には、看護師等の医療従事者の配置義務はありません。そのため、医療依存度が高くなったり、身体状況が安定しなかったりする場合は入居の継続が難しくなります。入居した後も次の施設を検討しなくてはいけないことはデメリットの一つと言えます。

【デメリット2】地域密着型サービスのため、施設の選択肢が限られる

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は地域密着型サービスなので、住民票がある地域の施設しか選択をすることが出来ません。そのため、施設の少ない地域では選択肢が限られる場合があります。

【デメリット3】介護保険施設と比較すると高額な場合がある

介護保険施設言われる、特養・老健・介護療養型医療施設・介護医療院と比較すると利用料金が高額となる場合があります。特に、グループホームでは食費や居住費の減免が効かないことから所得が低い方の入居は難しい場合があります。

人員の配置基準

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)では、以下の人員配置が義務付けられています。

介護従事者

日中は、入居者3名につき常勤換算で1人の介護職員が必要です。夜間はユニットごとに1人の介護職員が必要と決められています。

介護職員には、特段の資格を求められている訳ではありませんが認知症の入居者の介護を行うため認知症介護の知識や経験を有する者が原則とされています。

計画作成担当者

入居者の介護計画を作成する役割で、ユニットごとに1人が必要です。複数ユニットがある場合、そのうちの1人は介護支援専門員の資格を持っている必要があります。

また資格の有無に関わらず、認知症介護実践者研修もしくは基礎研修を修了している必要があります。

管理者

事業所を管理する立場にある職種です。3年以上の認知症高齢者の介護に従事した経験を持ち、厚生労働省が定める管理者研修を修了している必要があります。

設備基準

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)では、以下のように設備基準が定められています。

家庭的でプライバシーに配慮した作りになっている必要があり、特に認知症の高齢者が入居することから安全面に配慮した設備が求められています。

定員

1ユニットの定員は5人以上9人以下であること

居室

個室で、7.43㎡(約4.5畳)以上の大きさであること。(ただし、処遇に必要な場合は2人部屋も可能)

立地

住宅地の中や住宅地と同程度の場所で、入居者の家族や地域順ミントの交流の機会が確保できる場所に位置していること。

下記の設備を設けること

居間・食堂・台所・便所・洗面設備・浴室・事務室・消火設備その他の非常災害に際して必要な設備・その他日常生活上で必要な設備

グループホームの利用方法

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)に入居するにはどのようにすればよいのでしょうか。介護サービスは全て、利用者と施設の契約により利用が開始されます。その流れを見ていきます。

問い合わせ・相談

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は地域密着型サービスなので、そのエリアに住民票がある場合しか利用することが出来ません。まずは施設を選択して、その中から問い合わせや相談を行います。

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は限られた部屋数で経営されていますので、どれくらいの期間で空きが出そうかを確認することも必要です。

 

説明・申し込み

一般的には施設に出向いて説明を受けたり、申し込みを行ったりします。特にグループホーム(認知症対応型共同生活介護)であっても、施設によって雰囲気や体制が大きく異なります。

 

必要書類の準備

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)への入居には介護保険証や住民票、健康診断書などが必要です。グループホームの場合は、主治医により認知症の診断を受けていることが条件になります。

診断書は、主治医に依頼してもスグに作成してもらえない場合もあるので、必要なことがわかった段階で早めに依頼をすることが肝心です。

 

面談

入居の順番が近づくと、施設の職員が入居希望者へ面談を行います。面談の際には、普段の様子が分かる家族や、施設を利用中であればその職員が立ち会うと面談がスムーズに進みます。

 

審査・判定

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の職員が、入居希望者が施設へ入居して集団生活を送ることが可能かどうかを審査・判定します。

特に医療依存度や感染症など、グループホームでは対応が難しい状態の場合には判定により入居が許可されない場合もあります。

 

契約

入居希望者と施設が契約を結ぶことにより、初めて施設への入居が許可されます。入居契約書や重要事項説明書などを確認し、入居一時金や敷金を納めることにより入居することが出来ます。

グループホームの選び方

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)に入居するには、多くの場合は在宅介護を経験してから入居に繋がることが一般的です。

そのため、施設を選択するにあたっては居宅介護支援事業所の介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談をすることが一般的です。その他には、市区町村のホームページや介護保険の情報が記載された冊子など複数の選び方が考えられます。

複数の事業所を比較・検討する

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の選択には、複数の施設を比較・検討することをオススメします。

介護サービス全てに共通することですが、同じサービスであっても施設・事業所により提供されるサービスの内容・質は様々です。複数の事業所を比較することで、検討する施設の良い点、悪い点が分かるようになります。

サービス提供者の対応・知識を確認する

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の対応や知識を確認するには、施設見学をすることが一番の近道です。その際に、職員の説明のみならず入居者への対応方法などを確認しておくことが有効な方法です。

契約内容を確認する

介護サービスの契約書や重要事項説明書は細かい字で書かれていることが多くあります。

不明な点は入居前に、施設の職員に確認してください。また、入居一時金などは非常に高額となる場合もあることから、出来る限り家族や親戚など複数の目で確認をすることも重要です。

おわりに

グループホームは認知症高齢者を地域の中で支える、大切な役割を持つ施設です。統計では2012年に462万人だった認知症高齢者が、2025年には730万人へと急速に増加すると予測されています。

グループホームへの入居を検討する際に、ここまでの内容を参考にして頂ければ幸いです。

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