訪問入浴介護とは|サービス内容・1日の流れ・メリットデメリットを解説

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女性高齢者

訪問入浴介護を利用してみたいけど、どんなサービスなのかしら?

このように

  • 訪問入浴介護を利用してみたいけど、どんなサービスか詳しく知りたい
  • 訪問入浴介護をどうやって選べばいいかわからない
  • 訪問入浴介護のメリット、デメリットが気になる

など上記の方々はこの記事を読むことで解決できます。

介護の123編集部
介護の123編集部

この記事では、訪問入浴介護とは?、サービス内容、種類、料金・費用、利用条件、1日の流れ、メリット・デメリット、利用方法・選ぶポイント、事業所数、利用者数、などについてわかりやすく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。

目次(もくじ)
  1. 訪問入浴介護とは
    1. 自宅での入浴をサポートしてくれるサービス
    2. 利用条件は?
  2. 訪問入浴介護の事業所数
  3. 訪問入浴介護の利用者数
  4. 訪問入浴介護で提供されるサービス内容
    1. 利用前の確認
    2. 健康チェック
    3. 入浴の準備
    4. 全身浴
    5. 部分浴
    6. 清拭
    7. その他のサービス
  5. 訪問入浴介護で受けられないサービス
    1. 散髪や髪染め、顔そりなどのサービス
    2. 痰吸引などの医療行為
  6. 訪問入浴の利用時間
  7. 訪問入浴で準備するもの
  8. 訪問入浴で注意すべきポイント
    1. 感染症がある場合
    2. 高層階に住んでいる場合
    3. 時間の指定や対応する職員について
  9. 訪問入浴の料金・費用
    1. 要介護
    2. 要支援
  10. 訪問入浴の当日の流れ
  11. 訪問入浴のメリット
    1. 【メリット①】身体を清潔に保つことが出来る
    2. 【メリット②】気分転換やリラックス効果
    3. 【メリット③】安全、安心な入浴を行うことが出来る
  12. 訪問入浴のデメリット
    1. 【デメリット①】身体を見られることに抵抗がある場合がある
    2. 【デメリット②】訪問入浴を提供している事業所が少なく、選択肢が少ない
  13. 訪問入浴の人員配置基準
  14. 訪問入浴の設備基準
  15. 訪問入浴の利用方法
    1. 【1】問い合わせ・相談
    2. 【2】説明・申し込み
    3. 【3】必要書類の準備
    4. 【4】面談
    5. 【5】審査・判定
    6. 【6】契約
  16. 訪問入浴の選ぶポイント
    1. 【ポイント①】複数の事業所を比較・検討する
    2. 【ポイント②】サービス提供者の対応・知識を確認する
    3. 【ポイント③】契約内容を確認する
  17. おわりに

訪問入浴介護とは

訪問入浴(正式には、訪問入浴介護)とは、自宅に訪問入浴サービスの事業所が訪れ入浴をサポートする介護保険のサービスです。

訪問入浴では、利用者の身体の清潔の保持や心身機能の維持を図ることを目的とされており、看護職員と介護職員によるサポートで安全な入浴が提供されます。

ここでは、訪問入浴の基準や概要、メリット・デメリットなどについてご案内します。

自宅での入浴をサポートしてくれるサービス

訪問入浴は、介護保険を利用する在宅介護サービスのひとつです。

自宅の浴槽での入浴が難しい場合や、施設への通所が難しい場合などに自宅まで訪問してもらい専用の浴槽を使用して入浴をサポートするサービスです。

利用条件は?

訪問入浴の利用には、要介護認定もしくは要支援認定を受けている必要があります。要支援の方が利用するサービスは、介護予防訪問入浴と呼ばれます。

要支援認定の場合には自宅に浴室がない場合や感染症などの理由から他での入浴が難しい場合に限りサービスを利用することが出来ます。

利用にあたっては、担当のケアマネジャーに相談し訪問入浴の必要性を介護計画に盛り込んでもらい、計画を立てて利用します。

訪問入浴介護の事業所数

訪問入浴を提供する事業所は、2016年4月時点で全国に2,054事業所です。

訪問入浴の事業所数は2004年の2,945をピークに減少傾向にあり2009年の2,407、2012年10月には2,307と、その数は年々減り続けています。事業所数が減っている背景には、訪問入浴の利用対象である要介護度の高い方が、施設入所など他のサービスに移行していることが原因かもしれません。

訪問入浴の事業所数

参考 厚生労働省(訪問入浴介護)

訪問入浴介護の利用者数

訪問入浴は、2016年4月時点で(1月あたり)6万9,800名が利用しています。

訪問入浴の利用者数は、2004年で8万8,400人、2009年で9万5,200人、2012年で8万900人、2016年で8万1,800人となってます。

利用者数も2009年の9万5,200名をピークに徐々に微減しており事業所数と同様の傾向があります。

訪問入浴の利用者数

参考 厚生労働省(訪問入浴介護)

訪問入浴介護で提供されるサービス内容

訪問入浴、介護予防訪問入浴は、自宅へサービス事業所の職員が出向き入浴を提供する介護保険のサービスです。利用にあっては、原則として看護職員1名と介護職員2名がチームになって自宅を訪ねます。(要支援者については、看護職員1名と介護職員1名)

利用前の確認

訪問入浴、介護予防訪問入浴を利用するにはあらかじめ身体状況を確認し訪問入浴が提供されます。

訪問入浴の利用には診断書までは必要ありませんが、あらかじめ身体状況の確認のため健康診断書や主治医意見書などが必要となる場合があります。

健康チェック

訪問入浴、介護予防訪問入浴は入浴前に健康チェックを行います。自宅に伺って初めに、血圧や体温、脈拍などのチェックを行い問題がないかを確認します。問題がないようであれば、入浴の準備を行って訪問入浴を提供します。

入浴の準備

健康状態や体調に問題がなければ、職員が入浴の準備を行います。

訪問入浴では、職員が簡易型の浴槽を自宅に設置してお湯を溜め入浴介助を行います。簡易型の浴槽は家庭の浴槽と同じくらいの大きさのため、2畳ほどのスペースがあれば設置することが可能です。浴槽にお湯を溜めるには、自宅から引いた水を車で沸かして使用することが一般的です。

浴槽を設置してお湯を張っている間に、脱衣の介助を行います。

全身浴

一般的なお湯に浸かる入浴を「全身浴」と呼び、身体全身を洗ったり洗髪をしたりします。訪問入浴介護で提供される入浴は、全身浴を基本とします。

部分浴

体調が優れなかったり、看護職員や家族、本人の判断から全身浴の入浴が難しかったりする場合には、洗髪や陰部洗浄、手足浴のみを行う部分浴とする場合もあります。

この場合は、決められた単位数のうち100分の70を算定することとなっており、利用料金が削減されます。

清拭

体調不良などで入浴を行うことが難しい場合には、タオルをお湯で湿らせて身体を拭きます。これを「清拭」と呼び、当日の体調に合わせてその方に適した入浴方法を採用します。

なお、清拭の場合にも決められた単位数のうち100分の70を算定することとなっており、利用料金が削減されます。

その他のサービス

サービス事業所により異なりますが、入浴終了後には爪切りやシーツ交換などが行われます。シーツ交換などはベッドから離床した場合にしか出来ないものです。入浴は体力的にも負担がかかるものですので、終了後にも血圧測定や脈拍のチェックで体調管理を行います。

その他にも、入浴剤のサービスや炭酸温泉など独自のサービスを行う事業所もあります。

訪問入浴介護で受けられないサービス

訪問入浴は入浴を提供するサービスです。そのため、以下のようなサービスは訪問入浴で受けることは出来ません。

散髪や髪染め、顔そりなどのサービス

訪問入浴は理容サービスではありませんので、散髪や髪染めなどは利用することが出来ません。

しかし、時間を合わせて介護保険外の訪問理美容サービスを予約しておけば散髪や髪染め後の洗髪が可能です。また、訪問理美容サービスとは異なるので、電気シェーバー以外での顔そりは出来ません。

痰吸引などの医療行為

訪問入浴は医療系サービスではありません。そのため、医療行為にあたる痰吸引などを行うことはできません。必要があれば、訪問看護などの別のサービスで対応する必要があります。

訪問入浴の利用時間

訪問入浴では、多くの事業所で準備から片付けまで含めて40分から50分程度でサービスを提供します。

入浴前の準備 20分程度
入浴準備・健康チェック・浴槽の準備 
実際の入浴 15分程度
入浴後の作業 15分程度
着替え、健康チェック・掃除、片付け 

終了後に爪切りや保湿ケアなどにより時間が延長する場合、短くなる場合もあります。
訪問入浴では、利用時間に関わらず利用料金は一律です。

訪問入浴で準備するもの

訪問入浴では、入浴で使用するシャンプーやボディーソープ、タオルなどは提供する事業所が用意をしてくれることが一般的です。そのため、着替えだけ準備をしていれば訪問入浴を受けることが可能です。

準備するもの
・着替え
・必要に応じてシャンプー、ボディーソープ

もちろん、好みのシャンプーやボディーソープなどがあれば使用することは可能ですので相談をしてみてください。

訪問入浴で注意すべきポイント

訪問入浴を利用する場合の注意点は以下の通りです。

感染症がある場合

感染症がある場合は、症状や事業所により注意が必要な場合があります。皮膚疾患などの場合には、自宅で用意したタオルが必要な場合や、入浴の順番が業務の最後になることもあります。

高層階に住んでいる場合

駐車場所から離れた場所に住んでいる場合には、車輌でお湯を沸かして給湯することが出来ないため自宅のお湯を利用します。

時間の指定や対応する職員について

訪問入浴は多くの利用者の方が限られた時間の中でサービスを利用します。そのため、サービス事業所は、訪問の道順や対応する職員を事前に決めてサービスを提供するため、急な時間の変更や職員を指名した利用などは出来ない場合があります。

訪問入浴の料金・費用

訪問入浴の料金・費用

訪問入浴の利用料金は、要介護か要支援かによって異なります。
なお、訪問入浴では利用にかかった時間に関わらず一回の費用は決められたものとなります。

要介護

要介護認定を受けている方が利用する訪問入浴は、正式名称では「指定訪問入浴介護」と呼ばれます。訪問入浴の利用料金は、全身浴を利用したことが前提とされた利用料金のため半身浴や清拭しか行わなかった場合には利用料金は削減されます。
一回あたりの利用料金は、1,200円から1,500円程度です。

要支援

要支援認定を受けている方が利用する訪問入浴は、「指定介護予防訪問入浴介護」が正式名称です。介護予防訪問入浴は、要介護者が利用する「指定訪問入浴介護」より職員体制が少なくても良いことになっておりその費用は低くなっています。
一回あたりの利用料金は、800円から1,000円程度です。

参考 訪問入浴介護のサービス利用料金を要介護者・要支援者別に徹底解説

訪問入浴の当日の流れ

訪問入浴はサービス事業所の職員が、自宅に訪問して入浴を提供するサービスです。
実際にどのような流れでサービスが提供されていくかを見ていきます。

  • 訪問
    看護職員1人と介護職員2人で約束の時間に自宅に訪問します。
  • 健康チェック
    看護職員が血圧や脈拍、体温などの健康をチェックします。健康状態に問題がなければ入浴の準備をします。
  • 入浴の準備
    職員が浴槽を設置してお湯を溜めます。お湯が溜まるまでの間には、ひげ剃りや着替えの準備などを行います。
  • 入浴
    職員が脱衣を介助し、洗身、洗髪、洗顔などを丁寧に行い入浴します。利用者の安全や安心に注意してゆったりと湯船に浸かって入浴をしてもらいます。
  • 入浴後の健康チェック
    入浴後には、身体を拭き着衣の手伝いをします。その後、看護職員が再度健康チェックを行います。
  • 片付け
    使用した浴槽や機材をキレイに洗浄、消毒して片付けます。

訪問入浴のメリット

在宅介護サービスには多くの種類があります。その中で訪問入浴を利用するメリット・デメリットにはどのようなものがあるでしょうか。

【メリット①】身体を清潔に保つことが出来る

訪問入浴では、入浴により清潔を保つことが出来るため、感染症予防にもなります。

【メリット②】気分転換やリラックス効果

入浴により気分転換となり、血行も良くなるため褥瘡の予防や改善、便秘の解消などにも役立ちます。

【メリット③】安全、安心な入浴を行うことが出来る

訪問入浴では、看護職員と介護職員により入浴が提供されるため家族の負担軽減にもなり安全、安心に入浴を行うことが出来ます。

訪問入浴のデメリット

【デメリット①】身体を見られることに抵抗がある場合がある

利用者の中には、家族以外の職員に身体を見られることに対する抵抗感を感じる場合があります。

【デメリット②】訪問入浴を提供している事業所が少なく、選択肢が少ない

訪問入浴を提供している事業所数は決して多くありません。そのため、多くの事業所から選択するほどの事業所数がない地域が大半です。

訪問入浴の人員配置基準

訪問入浴の人員配置について見ていきます。介護保険の指定を受けるためには基準を満たすことが定められており、訪問入浴の基準は以下の通りです。

管理者

訪問入浴事業所では、事業所を管理する管理者を配置することが義務付けられています。ただし、専従(その職務のみをすること)で配置する必要までは求められていないので、看護職員や介護職員との兼務も認められています。

看護職員

訪問入浴では、1人以上の看護職員を配置することが義務付けられています。看護職員とは、看護師または准看護師のことです。主に、利用者の体調管理を担当する職務を担います。

介護職員

訪問入浴では、2人以上の介護職員を配置する必要があります。ただし、介護予防訪問入浴においては1人以上の配置で可能となっています。介護職員は、直接の入浴介助や用具の準備など訪問入浴全般に渡って利用者のために直接の業務を行います。

訪問入浴の設備基準

訪問入浴では、直接利用者の家に伺って訪問入浴サービスを提供します。そのため、事業所の設備もさることながら車輌や備品についても設備基準が定められています。

事務室・相談室

訪問入浴の事業運営に必要な広さを有する事務室や、利用申込者との面談に使用するプライバシーに配慮できる相談室の設置が必要とされます。その設備は、他のサービスなどと共有されていても区画が別れていれば差し支えないとされています。

感染症予防に必要な洗浄設備

手洗い場所の確保など、感染症予防に必要な設備が必要とされています。

浴槽や車輌

訪問入浴を提供するのに適した浴槽や車輌を備える必要があります。浴槽の仕様は、身体の不自由な方が入浴するのに適したものである必要があり、車輌についてはその運搬に用います。

訪問入浴の利用方法

訪問入浴は介護保険を利用する在宅サービスになります。訪問入浴の利用には、ケアマネジャーに予定を組んでもらいサービスを利用します。サービスの利用までの流れを見ていきます。

【1】問い合わせ・相談

訪問入浴の事業所を探します。その方法としては、地域の介護保険情報が掲載されている冊子やインターネット、そしてケアマネジャーからの情報などからサービス事業所を探します。

実際に事業所が決まったら、問い合わせを行い利用希望者の身体状況や利用希望を伝えます。

 

【2】説明・申し込み

訪問入浴の職員が自宅や利用希望先を訪れて、サービス内容や提供方法を説明します。説明を受けて申し込みを行います。

 

【3】必要書類の準備

訪問入浴の利用に必要な介護保険証や負担割合証の準備を行います。

また、身体状況の確認のため事業所によっては診療情報提供書や健康診断書などを求められる場合があります。その場合には、早めに依頼をすることが重要です。

 

【4】面談

利用希望者からの申し込みを受けて、施設の職員が希望者の面談を行います。

健康状態のチェックのみならず、自宅の様子などから駐車場所の確認や浴槽の設置場所の確認、給排水の方法など実際に利用が始まった場合を想定して確認を行います。

 

【5】審査・判定

身体状況などから、訪問入浴の利用が問題なければサービス事業所が予定を提案しサービス開始に向けた準備が進みます。

 

【6】契約

事業所の説明や契約書類の説明を受けて、納得したら契約を取り交わします。

介護保険は、利用者と事業所の契約に基づいてサービスが提供されることから、契約締結を行いようやくサービス調整に入ります。

訪問入浴の選ぶポイント

訪問入浴のサービスを利用する時には、どのような点に気を付けて選べば良いのでしょうか。その選び方を見ていきます。

【ポイント①】複数の事業所を比較・検討する

訪問入浴を提供している事業所は決して数多くある訳ではありません。

ご利用を希望するエリアに、いくつくらいの事業所があるかを確認し可能であれば複数の事業所を比較検討することをおススメします。

【ポイント②】サービス提供者の対応・知識を確認する

訪問入浴では、事業所が利用者の自宅に伺ってサービスを行うので、なかなか実際の現場を確認して利用を決めるということが難しいサービスです。

パンフレットや事業所案内などがあれば問い合わせを行い、事業所職員の応対や説明の分かりやすさなどから事業所を決めるようにするのも良いかもしれません。

【ポイント③】契約内容を確認する

介護保険は、利用者と事業所契約で成り立ちます。介護サービスの契約書類や重要事項説明書は、細かい文字で書かれていることも多いので、疑問があれば口頭で説明を求めることも重要になります。

介護サービスは一度使い始めると長く関わっていくことになります。わかりやすく、懇切丁寧に説明をしてくれるサービス事業所を選ぶことが大事になってきます。

おわりに

訪問入浴は、介護度の高い方が在宅生活を送るために無くてはならないサービスのひとつです。

高齢者や要介護者にとって、入浴は生活の大きな楽しみのひとつで、出来る限り長く在宅生活を送るためにも重要なサービスになります。

訪問入浴の事業所は全国的に決して多くありませんが、サービスが必要となった場合の参考にして頂ければ嬉しく思います。

 

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