介護って忙しくて休憩時間がぜんぜん取れない。。。
介護の休憩時間を取るための対処法ってあるのかな?
上記のように介護職が休憩時間を取れないことについての色々な疑問はこの記事を読むことで解決できます。
この記事では介護職が休憩時間を取れない理由、休憩時間を取るための対処法、労働基準法の休憩時間の規定、休憩時間を取れる職場へ転職する方法についてわかりやすく解説しましたのでぜひ参考にしてみてください。
一般の会社員と違い、介護職ではみんなが同じ時間に休憩するということはなく、交替で休憩を取るのが一般的です。
しかし、状況によっては取るべき休憩時間を十分に確保できないこともしばしばで、人員が少なくなる夜間は特に、長時間の勤務であるにもかかわらず、休憩や仮眠時間が取れないという話も聞かれます。
介護職での休憩の現状、また法律では休憩についてどのように規定されているのかも、詳しく調べてみました。
労働基準法での休憩時間の規定
労働者が安心して健康に働くために、使用者が労働者に対して最低限守らなければならない、労働条件の基準を定めているのが労働基準法で、休憩時間についても、その定義や条件が規定されています。
パート、アルバイトの場合も正社員とおなじように、この労働基準法の規定は適用されます。
「休憩時間」とは?
休憩時間とは「勤務から離れることが保証されている時間のこと」と定義されていて、労働者の権利です。
業務ができる状態で仕事を待っている待機時間は「離れていることが保証されていること」にならないので、休憩時間には含まれません。
また休憩時間内に来客や電話対応などを含めた「業務」をした場合は、別途休憩時間を労働者に対して与えなければならないこととされています。
休憩時間の長さ
労働時間が6時間を超える時には少なくとも45分、8時間を超える時には少なくとも1時間の休憩時間を、使用者は労働者に取らせることになっています。
6時間以下の労働時間の場合は休憩時間が無くても違法ではありませんが、規定の休憩時間については最低限の時間であり、長くなる分には規定がありません。
休憩は一斉付与
労働基準法では、休憩時間は労働者が一斉に取ることとされています。
これは、労働基準法ができる以前の工場法のころから、休憩の効果を上げるためと監督する際の便宜から行われてきたようです。
しかし現在では、労働者の過半数で組織する労働組合か、労働者の過半数の代表者と使用者との間に書面による協定があれば、例外として休憩を取るのが一斉でなくとも良いと認められています。
協定には、例外を適用する労働者の範囲と、どのように休憩を与えるのかについて明記する必要があります。
一斉付与の適用除外職種
休憩の一斉付与は、労働者が一斉に休憩を取ると業務上支障が出る業種にも、適用が除外されます。運輸交通業、商業、映画・演劇業、金融業、広告業、通信業、接客娯楽業、官公署、保健衛生業がこれに含まれます。
休憩時間は自由
休憩時間は労働基準法第34条に、労働者の自由に利用させなければならない、と規定されています。どのように休憩時間を過ごすかを使用者が指示したり、制限を加えることはできません。
休憩時間の位置
休憩時間は「労働時間の途中に」置くことが規定されています。
つまり、業務を開始して直ぐあるいは終業間近な時間に、休憩時間を与えることはできません。
就業規則に明記する
常時10名以上の労働者を雇用している場合は、賃金や休日に関する事項とともに、休憩時間に関しても就業規則に記載することとされ、二組以上に分けて交替制勤務をさせる場合は、就業時転換に関する事項を定める必要もあります。
罰則
労働基準法で、休憩に関して規定されている第34条に違反した場合の罰則は、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金となっています。
介護職員が休憩が取れない5つの理由
【理由1】人員不足
交替できる人員が少なく、休憩に入ってもすぐに呼び出されてしまう、休憩で介護業務からは離れても電話応対や受付をしているなど、休憩時間を十分に取る職場環境に無いことが、休憩を取れない原因になっています。
また夜勤でも仮眠や休憩時間を取ることになっていますが、特に小規模施設ではワンオペの場合も多く、仮眠と休憩のどちらも取れないことも。
【理由2】上司からの圧力
休憩時間は労働者の権利として取るのが当然で、休憩を規定通りに取らせなかったり、その過ごし方を制限するなどの違反をした場合は、罰則も設けられているのですが、現場では上司やリーダー・先輩職員などからの圧力がある、という声もあります。
「嫌な顔をされるので外に昼食を摂りに行くことができない」「時間いっぱい休憩を取っていると怒られるので、早めに勤務に戻る」など、上に立つ職員が労働基準法の規定を理解していないことから、毎日十分な休憩時間を取れない人が多数います。
【理由3】休憩室が無い
休憩室がない介護施設等では、利用者(入居者)のいる食堂などで、昼食をいっしょに摂る職員も多いようです。
しかし、これは見守りや食事介助をしながらの昼食になってしまうので、完全に業務から離れているとは言えず、休憩にはなりません。
介護職員は絶えず動いている多忙な職種なので、座っていると「休んでいる」ということになりがちですが、休憩の定義を職場でみんなが理解する必要があります。
【理由4】会議やミーティングに充てられる
休憩時間を打ち合わせや会議に充てる職場もありますが、本来は業務の中でするものなので、昼食を摂りながらのミーティングだとしても、休憩時間を取っていることにはならないでしょう。
その会議に使った時間を、別途休憩時間として与えるべきと思われますが、ほとんどの職場では行われていません。
「休憩」についての規定を知らないことから、介護の現場ではこうした「ながら休憩」が通例になっているようです。
【理由5】多忙すぎる
時間内に終わらないほど業務が多すぎることから、職員が自主的に休憩を削って仕事をしているという例もあります。
たまたま手が足りない、利用者に急なトラブルがあった、ということではなく日常的に短い休憩時間が当たり前になっていると、作業効率も悪くなり職員が健康を害することにもなりかねません。
管理者やリーダーが、仕事の配分や休憩時間の確保について、もっと配慮する必要があります。
休憩時間を取るための対処法
休憩時間が取れない職場の環境を変えるには、以下のような対処法が考えられます。
職員同士で協力する
職員が自主的に休憩時間を短くしているような職場では、休憩時間の定義について、職員自身が理解していないことも多いので、まずは周りの人の理解を広めることから始め、お互いが気兼ねせず休憩を取れるようにしましょう。
休憩のタイミングに声掛けをしたり、早めに休憩時間を終わらせることなく十分な時間を取れるよう協力しあえる雰囲気づくりを進めます。
上司に相談する
人員不足などで日常的に休憩がとれない環境が続いているなら、まずは上司に相談してみます。その場合、同じように休憩時間を取れない職員が多くいるはずですから、ひとりで話すよりもみんなで意見をまとめて、ミーティングなどで話してみると効果的でしょう。
抗議という形よりも改善策を見出せるような、前向きな話し合いになるよう努めます。
労働基準監督署に訴える
上司や管理者等に話し合いや申し入れをしても埒が明かない、長期間にわたり改善も全く見られない場合は、労働基準法違反として訴えることもやむを得ません。
しかし、この方法では休憩時間が確保されるようになっても、訴えた本人は職場に居づらくなるのは必至なので、転職も考えた上での最終手段ということになります。
参考 労働相談ほっとライン
裁判で訴える
休憩時間に業務をした分は賃金を請求することができます。
例えば、1日の労働時間が8時間で、取るべき1時間の休憩時間が取れずに業務をしていた場合、9時間働いていることになり、1時間は時間外労働ということになります。
この1時間分の賃金は時間外手当(残業代)として「1時間の賃金×1.25」の金額を請求することができます。
まずは無料で相談できる法テラスに話をしてみましょう。
参考 法テラス
円満退社するまでの流れ
- 【STEP1】辞めたい理由を整理する
- 【STEP2】直属の上司に相談
- 【STEP3】退職の申し出
- 【STEP4】「退職願」を提出する
- 【STEP5】引継ぎ
- 【STEP6】有給休暇を消化する
- 【STEP7】退職日・返却
【STEP1】辞めたい理由を整理する
自分がどの理由で辞めたいと思っているかを整理します。
- 勤務時間
- 給与額
- 人間関係など
辞めることでしか解決できない理由なのか考えて、誰かに相談できるような改善策があれば一度は試してみましょう。
相談できる先輩や上司、同僚が居ないのであれば辞める方向で、円満に退職できるよう準備に移ります。
【STEP2】直属の上司に相談
退職届はいきなり提出せず、自分のすぐ上の上司に退職したい旨を相談し、了解を得てからというのが一般的なマナーです。
その際ははっきりした理由と、希望する退職時期を伝えますが、曖昧な理由だと引き留められたり、その先に話が進まないこともあるので、相手も納得できるような退職理由であることと、単なる職場への不満や批判にならないよう注意します。
転職が理由なら「新たに挑戦したい」など前向きな決意を伝え、からだの負担や不調が理由なら念のため診断書を用意したり、病状の説明をできるようにしておきます。
【STEP3】退職の申し出
いつまでに退職届を出せば退職できるかですが、基本的に労働者がいつ退職するかは法律上は自由ということになっています。
ただ、民法の規定では雇用期間の定めのない雇用契約(一般的な正社員)の場合、労働者が退職を申し出てから2週間を経過すれば労働契約は終了するとされてます。
(就業規則で退職の申し出時期について規定がある場合でも、法律が優先されるので、最低2週間前に申し出れば退職が可能です)
円満に退職を望むのであれば、一般的に退職希望日の1~3か月前くらいに意思表示をすることで雇用側にも新たな人員を雇用したり引継ぎの時間も取れるので退職しやすくなります。
引継ぎに必要な期間などを先に上司と話し合い、なるべく職場に無理がかからない退職時期を決定して、それに合わせて退職願を提出します。
【STEP4】「退職願」を提出する
上司に了承してもらったら、退職願を退職申し出の期限内に会社に提出します。
「退職願」「退職届」「辞表」はそれぞれ異なります。
退職願 | 退職する意思表示を会社にお願いするための書類になります。 口頭で伝えることもできますが、書面にして提出するのが一般的です。 |
退職届 | 退職日が決定したあとで退職を会社に対して届け出るための書類になります。 民法627条の規定により、退職を申し入れてから2週間の期間を置くことで 会社の承諾に関係なく辞めることができます。 一旦、提出すると本人が届を撤回したり会社側が断ることはできません。 |
辞表 | 雇用関係のない立場の者(社長や取締役、公務員など)が役職を辞めるための書類になります。 |
この場合は「申し出をして会社の承諾を得た上で退職する」意味を持つ「退職願」を用います。
退職願に記載する退職理由は、細かく説明する必要は無いので「このたび、一身上の都合により、勝手ながら〇年〇月〇日をもって、退職いたします」で問題ありません。
【STEP5】引継ぎ
直属の上司を通して退職届を提出し、受理されて退職日が決定したら、具体的な準備に入ります。
仕事の引継ぎに関しては、後任の人に業務の中で伝えていくか、まだ新しい職員が決まっていないなら、引き継ぐ必要のある業務やその詳細について書いておき、決まり次第渡せるようにしておくとスムーズでしょう。
【STEP6】有給休暇を消化する
会社の規定などにより、申し出から退職までの日数が思いのほか長くなってしまう場合があります。引継ぎに必要な日数は考慮するとしても、有給休暇が残っている場合は必ず消化するようにしましょう。
通常の労働者の付与日数 | |||||||
継続 勤務年数 |
6ヶ月 | 1年 6ヶ月 |
2年 6ヶ月 |
3年 6ヶ月 |
4年 6ヶ月 |
5年 6ヶ月 |
6年 6ヶ月以上 |
付与 日数 |
10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
勤続6か月以上の正社員と、パート・アルバイトなどでも6か月以上・週30時間以上勤務している労働者は、年間10日以上の有給休暇が与えられることになっていて、これ以下の勤務日数・時間の労働者も、労働日数に応じた有給休暇が与えられることになっています。
参考 有給休暇の仕組みとは
上司に有給休暇の取得申請をします。
【STEP7】退職日・返却
職場から貸与・支給されていたもので、返却の必要があるものは退職日までに返却し、退職後の失業保険の手続きなどに必要な証明書等も受け取れるように事務担当に確認しておきましょう。
・制服
・社員証
・健康保険証
・名刺
・社内業務データ・書類
・雇用保険被保険者証
・離職票
・退職証明書
・年金手帳
・健康保険資格喪失証明書
・源泉徴収票(後日郵送になる場合もあります)
退職させてもらえない場合の対処方法
上司から無理な引き止めに遭ったり、なかなかやめさせてくれないケースもあるかと思います。
そこで退職させてもらえない場合の最終手段としていくつかの対処方法をご紹介します。
【方法1】労働基準監督署に相談する
労働基準監督署は労働基準との遵守において各企業を監督する機関になります。
労働基準監督署に相談できる内容は以下になります。
- 労働条件
労働時間、賃金、解雇、退職金など - 労災保険
業務中のケガ、通勤退勤時のケガなど - 安全衛生
労働災害防止、職業性疾病防止など
上記に違反している可能性がある会社には立ち入り調査が行われ厳しいチェックが入ります。その際、法令違反が見つかった会社は是正勧告(行政指導)を受けることになります。
参考 労働相談ほっとライン
【方法2】弁護士に相談する
弁護士に相談することで労働基準法や民法など退職に関わる法的なアドバイスを受けることができ、円滑に退職までのサポートをしてくれます。
弁護士に相談することで具体的には以下のことをしてくれます。
- 会社から損害賠償請求された時の交渉
- ハラスメントの慰謝料請求の交渉
- 未払い給与(残業代、退職金等)の支払い交渉
- 有給を取得させない場合の取得交渉
- 離職票、源泉徴収の交付交渉
一般的に弁護士に相談すると30分5,000円ほどかかりますが、国によって設立された法テラスでは無料相談が可能ですのでおすすめです。(着手金は別途必要になります。)
参考 法テラス
【方法3】退職代行サービスを利用する
退職代行サービスとは、退職の意思を上司や会社に伝えられない方の代わりに会社へ話をして、あなたが出勤することなく円満退職できるサービスです。
「このまま会社へ行かずに辞めたい」「上司に退職を言い出せない」など、円満かつ確実に会社を辞めることができます。
私のおすすめ退職代行サービスは「辞めるんです」です。他社との大きな違いは、料金が業界最安値の27,000円、さらに支払いは後払いOKで追加費用も無し。つまり料金はあなたが無事に退職できてからの支払いで良いため安心して任せることができます。また退職代行件数は7,000件以上、退職成功率は100%と豊富な実績があるので、利用者の満足度が非常に高いのが特徴です。相談は24時間365日LINEにていつでも受付中です。
「退職代行サービス辞めるんです」では以下のサポートを受けることができます。
- 業界最安値27,000円(税込)追加費用なし
- 料金は退職届が受理されてからの後払いでOK
- 24時間365日LINE、メール、電話にて無料相談
- 出勤することなく即日円満退職可能
- 会社と直接のやり取り一切不要
休憩時間を取れる職場へ転職する4つの方法
休憩時間をきちんと確保できる転職先、職員の労働環境に配慮している職場を見つけるための方法には次の4つが考えられます。
施設の運営方針
転職先を探す際には勤務条件のほかに、施設のHPなどで運営方針や事業者の考え方についても詳しく見てみましょう。職員の福利厚生や職場の環境について、どのような考え方なのかをある程度知ることができます。
職員を大事にできる施設は、利用者に対しても余裕を持って良いケアを提供できると考えられますが、逆に利用者に対するポリシーは立派なことが書かれていても、職員について全く何も触れられていない場合は、利用者第一のあまりに職員の待遇が後回しになっていることも懸念されます。
口コミ
ネットの口コミなどでその職場の評判を調べてみます。
書いた人の主観に基づいているので、すべて真実とは言えませんが、良い口コミが多いか悪い口コミが多いかなどで、参考にすることはできます。
また、介護業界はつながりも色々あるので、同業の知人などに聞いてみても、より詳しい実情がわかるかもしれません。
必ず見学に行く
HPや口コミである程度の評判を把握したら、実際に施設を訪れて職員や設備の様子を見てみます。
就職を希望する人に説明会を開催している施設・事業所では、施設内の見学の機会を設けているところも多数ありますし、面接のときに見学させてもらうこともできるでしょう。
職員同士の雰囲気が明るいかや、施設内の清掃は行き届いているか(多忙すぎると手が回らないことがある)休憩室の有無なども確認します。
転職エージェントの利用
自分では確認しきれない細かな条件や施設運営の内情なども、転職エージェントを利用することで、より詳しく確認できます。
特に在職しながら転職活動をする人にとっては効率的に情報収集をすることができて便利です。
おわりに
「介護は休憩も取れない忙しい仕事」なのは確かですが、取れなくて当たり前ではなく、職員自身も職場全体も、休憩を取ることが当たり前と意識を変えていくことが必要です。
より良い介護を提供するためには職員自身が良い状態でいることが大事なので、職員の待遇に配慮できる職場が増えていくことは、多くの利用者のためにもなることでしょう。