最近、若年性認知症じゃないかと心配。なりやすい人ってどんな人なのかな?
このように
- 若年性認知症(若年性アルツハイマー)について詳しく知りたい
- 若年性認知症かどうか心配している
など上記の方々はこの記事を読むことで解決できます。
この記事では、若年性認知症(若年性アルツハイマー)とは、なりやすい人、発症人数、原因、初期症状、自己診断チェックシート、検査テスト、予防法、治療方法、などについてわかりやすく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
若年性認知症(若年性アルツハイマー)とは
一般的に認知症というと65歳以上の高齢者の人がかかるものと思われがちですが、10代後半から64歳までに発症した65歳未満の認知症を「若年性認知症」と呼びます。
若年性アルツハイマーの発症年齢は平均51歳となっており、40代から50代で発症するケースが多く見られます。また、女性よりも男性の方が発症しやすいようです。
働き盛りの時期に発症するため、本人はもちろんのこと家族にも大きな負担になり、仕事を辞めなくてはいけなくなったり、転職を余儀なくされたりと経済的・精神的に大変になってきます。
若年性認知症(若年性アルツハイマー)になりやすい人
- 怒りやすい人
- ネガティブ思考の人
- コミュニケーションが苦手な人
- 不規則な食生活をしている人
- ストレスが多い人
若年性認知症(若年性アルツハイマー)になりやすい人の特徴について1つずつい解説していきます。
【1】怒りやすい人
何かを言われたりして普通の人は軽く受け流せることでも、すぐ怒ったりイライラしてしまう人はコルチゾール(副腎から分泌されるストレスホルモン)が多くなり、高血圧などの生活習慣病になりやすくなります。
些細なことで怒っていると、生活習慣病から認知症へとシフトすることも多いです。
【2】ネガティブ思考の人
ネガティブな思考の人は、そうでない人に比べて認知機能の低下、認知症の原因物質とされるアミロイドβたんぱく質が脳の神経細胞に付着する割合が多いことがわかっています。
また日ごろから小さいことでクヨクヨしてしまったり、傷つきやすい性格の人は鬱になり、鬱から認知症へと移行する可能性もあります。
【3】コミュニケーションが苦手な人
家で一人でいることが多い人や外部と接触を取らないでいる人は、活発に社会で活動している人に比べて脳細胞が劣化していっていることがわかっています。
他者と関わりが少なかったり、誰とも会話をせずコミュニケーションをしていないと認知症のリスクが高まります。
【4】不規則な食生活をしている人
脂っこいものをよく食べたり、睡眠不足や運動不足、昼夜逆転の生活リズム、お酒や喫煙をしている、このような方は健康的な方に比べて生活習慣病(糖尿病、がん、循環器疾患など)になるリスクが非常に高く、そこから認知症に発展していくことが考えられます。
1つずつ生活習慣を改めて、定期検診に行ったり規則正しい生活を心がけることが大切です。
【5】ストレスが多い人
ストレスが多い人は怒りやすい人と同じで、脳のコルチゾール(副腎から分泌されるストレスホルモン)が多く分泌されて、神経細胞が劣化し、脳が小さくなります。
また、ストレスは生活習慣病(糖尿病、がん、循環器疾患など)になる原因であり、そこから認知症や脳血管障害などが起きてきます。
若年性認知症(若年性アルツハイマー)の発症人数
高齢者の認知症に比べ、専門家でも判断が難しいと言われる若年性の認知症ですが、厚生省の調べでは、18歳から64歳までの患者は3~4万人と推定されています。
若年性認知症の基礎疾患の多い順としては以下通りです。
- 脳血管性認知症(39.8%)
- アルツハイマー病(25.4%)
- 頭部外傷後遺症(7.7%)
- 前頭側頭葉変性症(3.7%)
- アルコール性認知症(3.5%)
- レビー小体型認知症(3.0%)
引用:厚生労働省
若年性認知症(若年性アルツハイマー)の原因
若年性認知症は遺伝の確率が高い
若い人の中にも年齢に関係なく、最近物忘れが多いと不安に感じている人が少なくないようです。若年性のアルツハイマーの原因は様々ですが、老年性のアルツハイマーとは異なり、どちらかと言えば遺伝性が強い脳疾患によるケースがあります。
その他の原因として、生活習慣病と言われる脳卒中や高血圧、高脂質症、肥満などの疾患や事故などで強い衝撃を受けたことによる頭部の後遺症、食生活の乱れや過度のストレスを抱えている人は要注意です。
参考 即効で血圧を下げる2つの方法|高血圧の種類・原因・注意点も解説
参考 認知症の原因は睡眠時間の長い短いに関係ある|良質な睡眠を取る7つのポイント
若年性認知症(若年性アルツハイマー)の初期症状
若年性認知症(若年性アルツハイマー)の初期症状では、突然人格が変わる、しなくてはいけないことが出来なくなる、反応が遅いなどの症状が現れ、それが突然起こったものかどうかが若年性アルツハイマー病であるかどうかの判断の基準になります。
代表的な症状は「頭痛」「不眠」「眩暈」などの体の不調や「抑うつ状態」「自発性の低下」などが起こります。
しかし、働き盛りの40代や50代の男性であれば、仕事上のストレスや疲れだと変化に気付きにくく、女性であれば更年期障害と判断されることがあります。
若年性認知症(若年性アルツハイマー)の自己診断チェックシート
通常であれば、もの忘れをしたら忘れたことを思い出そうとしますが、認知症の症状が進むと忘れたこと自体忘れてしまいます。
経験したこと自体が「無」になるので、思い出すという行動には結びつかなくなります。
以下は自己診断が出来るチェックシートになりますので、いくつ当てはまるかチェックしてみましょう。
- 日付・曜日、自分の住所や電話番号がわからない
- 通いなれている道なのに迷ったり、やりなれたゲームのルールを忘れてしまう
- 忘れ物が多くなり、探すことが増えた
- 同じことを何度も繰り返して聞いたり話すようになった
- 今日何を食べたのか覚えていない
- レシピ通りに料理が出来なくなったり、鍋を焦がしてしまう
- 意欲がなくなり普段していた趣味や日課をしなくなった
- 集中力の低下や計算ミスが増え、簡単な計算が出来ない
- 最近話したことや出来事を覚えていない
- 親しい人の名前や顔がわからなくなったり、物の名前が出てこない、うまくしゃべれない
- 季節にあった服装が出来ず、身なりを気にしない
- 頑固になって自己中心な考え方をするようになった
- 他人への配慮に欠ける
- 以前と比べ性格が変わった
あくまでも目安と考え、何かおかしいと思ったら早めに受診し、専門医に相談しましょう。
参考 軽度認知障害(MCI)の症状・原因・治療法をチェックし改善させる
若年性認知症(若年性アルツハイマー)の検査テスト
若年性アルツハイマーは初期症状の兆候から進行が早く、重症化するまでの期間が短いのが特徴です。
病院に行かなくても自宅できる若年性アルツハイマーの診断テストは以下の2つになります。
この検査方法は手軽に行うことが出来ますが、今日の日付や今いる場所、簡単な引き算など通常の大人の人に対する質問ではない項目等も含まれるため、慎重に行うことが重要です。
検査の結果は、質問の項目の得点で判断しますが、その他に集中力や診察を受ける態度、発言、思考のスピード、記憶力などをチェックし見極めます。
若年性認知症(若年性アルツハイマー)の予防法
原因となる疾患によりますが、生活の改善により年齢に関係なく発症の予防に効果的な方法があります。
食事を見直してみる
アルツハイマーを引き起こす原因となる生活習慣病を予防することが、結果的にアルツハイマーの予防になると言われています。
参考 認知症などに予防改善の効果・効能がある食べ物|脳を活性化させる栄養成分一覧
暴飲暴食は控え、よく噛みヘルシーな食事を心がけるのがポイントです。
参考 えごま油・亜麻仁油は認知症予防に効果的|正しい選び方・摂り方を解説
生活習慣を見直してみる
規則正しい生活を送れるように、早寝早起きを心がけ、寝る前の入浴やストレッチも効果的です。喫煙や深酒、寝る前のパソコンやスマホは控え、十分な睡眠も重要です。
また、ストレスが発症する確率を高めます。嫉妬深い人はストレスが溜まりやすいので注意しましょう。
アロマオイルは脳と身体をリラックスさせて自律神経を整える効果がありますので、ストレスに効果的です。
参考 認知症の予防改善にアロマオイル驚きの効果?|たけしの昼夜配合とは
適度に運動する
運動しない人は、運動する人の発症の確立が2倍となり、中年期に週2回の運動で運動しない人に比べ発症率が60%低いと言われています。
効果的なのは、週3~4回の軽いジョギングやウォーキングなどの有酸素運動がベスト習慣です。
参考 運動療法は認知症の予防に効く!効果のある体操や運動とは?
若年性認知症(若年性アルツハイマー)の治療方法
認知症専門医による治療
治療法は認知症の種類によって様々ですが、若年性アルツハイマーを発症しても生活習慣を見直すことでも変化が現れ、また、環境を考えることでも治療に繋がると言われています。
カウンセリングや話をするなどリハビリで心の病を見つけ、専門医に話すメンタル治療だけで1/3の人の気が楽になったというデータもあります。
認知症の薬物治療・ワクチン療法
症状が進むとアリセプトという薬での治療になりますが、確実に治せる薬ではなく、効果は人によって様々ですが、改善の効果が期待できます。
半年から1年前までの症状に回復することもあるようです。
参考 アリセプト、メマリー、リバスタッチ、レミニールの効果や副作用を比較!
また、「ワクチン療法」が注目されており、現在、日本を含む世界各国で治療研究が続けられています。
日本ではDNAワクチン、食物ワクチン、ホモシステイン酸ワクチンを開発中で、近い将来には若年性アルツハイマーに有効な治療として期待されています。
おわりに
年齢に関係なく20代、30代でも発症する可能性がある若年性アルツハイマー症、遺伝による発症の確率が高く、進行性の病気で平均寿命は発症後10~15年、別名「家族性アルツハイマー病」とも言われています。
症状は緩やかに進行し3つのステージ、初期・中期・後期と経過します。記憶力の低下、被害妄想や徘徊が始まり介護が必要になります。進行スピ度が早く5年くらいで寝たきりになる事もあり介護する家族の負担が増えます。
普段からの生活習慣の改善でかなりの確率で予防することが可能で、進行を遅らせることが出来ます。神経質になり過ぎず、ストレスのない毎日を過ごしましょう。