脳血管性認知症ってどんな病気なのかな?
このように
- 脳血管性認知症について詳しく知りたい
- 脳血管性認知症の症状や検査方法が知りたい
など上記の方々はこの記事を読むことで解決できます。
この記事では、認知症とは、脳血管性認知症とは、原因、症状、タイプ別の進行、予防法、治療法、対応方法、などについてわかりやすく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
認知症とは
認知症とは、脳の神経細胞が病気など何らかの原因により壊れるために、神経の伝達が阻害された結果起こる、様々な症状や状態をいいます。
認知症を引き起こす病気の種類は、およそ70種類といわれています。発症し進行すると理解力や判断力、運動機能などが失われ、社会生活や日常の生活に支障が出てくるようになります。
脳血管性認知症は、一般的に良く知られているアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症とともに三大認知症の1つとされます。
脳血管性認知症とは
脳血管性認知症とは、脳の太い血管や細い血管が詰まったりする脳梗塞や脳出血や、くも膜下出血といった血管が破れる脳出血の脳血管障害を起こし、その後遺症により起こる認知症です。
認知症の中で一番多いのがアルツハイマー型で、その次に多いのが脳血管性認知症です。主に女性よりも60歳以後の男性に多く発症します。
脳血管性認知症の原因
もともとコレステロール値が高い人や糖尿病、高血圧などの生活習慣病が脳血管性認知症の原因とされており、ストレスに弱い人や喫煙者、脳の血の巡りが悪く血液が固まりやすい人などは脳卒中を起こしやすく、これらは脳の血管障害となる危険因子と言われています。
また、小さな脳梗塞を何度も繰り返す多発梗塞性認知症は、その都度細胞が壊死して症状が悪化し進行していき、脳の細胞が壊れた障害の場所によっても症状は変わります。
脳血管性認知症の症状
障害の場所により症状がまだらになる
脳血管性認知症は脳梗塞や脳出血などの脳血管障害となる危険因子を持っている人に多く発症し、突然症状が出始めたり、ゆっくり進んだり急速に進行したりと階段的に変動するのが特徴です。
また、障害が起きている所と障害のない場所があることから、さっきの記憶も忘れるなどの記憶障害があっても理解力や判断力の低下はみられないなど障害の場所により症状は異なります。
一日の中でも同じことが出来るときと出来ないときがあります。朝はまったく反応がなくて着替えも出来なかったのに、夕方には一人で着替えが出来たり会話が出来たりと、脳の血流の状態で日によっても調子の良し悪しに違いがあり、別名まだら認知症と呼ばれています。
感情失禁や排尿障害が現れる
感情のコントロールが出来ず、天気がいいね、と声を掛けただけでも泣き出したり、急に大声で笑いだしたり、悲しくなくても涙したり怒ることもあります。これは、脳血管性認知症の感情失禁と呼ばれる典型的な症状です。
更には、脳血管性パーキンソニズムと言われる歩行障害や手足のマヒ、頻尿や尿失禁などの排尿障害、嚥下障害、抗うつ状態や夜間せん妄などの症状が見られます。
アルツハイマー型認知症との違いは、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら段階的に進行しますが、人格はある程度は保たれています。
初期の段階からしびれやめまい頭痛などの症状が現れることもありますが、血管障害を引き起こしている原因を取り除くことで認知症の進行を抑制したり、予防をすることが出来ます。
脳血管性認知症のタイプ別の進行
脳梗塞や脳卒中など脳の血管障害によっておこる脳血管性認知症の症状はいくつかのタイプに分けられ、進行の速度はバラバラですが、合併症が原因で一気に症状が進行する階段型になる事もあります。
安定型
早い時期に発見することが出来て、生活改善を心がけ、リハビリをすることによりある程度のところで症状が落ち着きます
階段型
生活習慣の見直しをせず脳卒中など脳の血管障害になる病気を繰り返すため症状が急速に進行します
一時回復型
治療やリハビリを積極的に受けることで一時的に症状が良くなります
脳血管性認知症の予防法
生活習慣や食生活を見直すことが大切
脳血管性認知症については遺伝性はないものと考えられていますが、脳梗塞や高血圧、糖尿病などの病気が多い家系では、そうではない家計に比べると発症のリスクは高くなります。
日常の生活を改善したり食生活を見直すことで、脳血管障害の原因である生活習慣病の予防へ繋がり、脳血管性認知症の予防にも繋がります。
脳血管性認知症に効果のある栄養成分は以下になります。
参考 認知症などに予防改善の効果・効能がある食べ物|脳を活性化させる栄養成分一覧
サプリメントで対策する
近年注目されているサプリメントで偏っている栄養を摂取することができます。サプリメントはあくまで食品のため個人差がありますが、ゆっくりと実感してくるでしょう。
脳血管性認知症の治療法
糖尿病や高血圧をコントロールする
脳血管性認知症の治療は、1番の危険因子である高血圧と糖尿病や脂質異常(高コレステロール値)、などの危険因子を取り除くことが重要です。
脳血管障害の再発が認知症の悪化に繋がりますので、再発を予防するための治療薬が使われます。
血液が固まりやすく脳梗塞を起こした場合の治療法は、再発防止の為の抗凝固薬や抗血小板薬を用いて危険因子である糖尿病や高血圧のコントロールを行い、十分に治療します。
そして認知症症状の対症療法を中心に抗うつ剤や漢方薬、やる気の起こらない時には脳代謝賦活薬など薬物療法の効果も期待できます。
非薬物療法も活用して予防する
色々な組み合わせで活動性を低下させないように薬物治療でコントロールしながら使用しますが、高齢者には副作用が出やすいことと薬の量や種類が合わないと、逆に症状を悪化させてしまうことがあります。
その為、高齢者の人が自分で薬を管理して飲むということが難しくなりますので、薬の管理は全面的に介護の人が行うようにします。脳血管性認知症の症状が現れた後では、認知機能障害への治療後の効果は期待できないので、まずは予防が一番大切です。
治療法は薬物療法だけに限らず、音楽療法やレクリェーション療法やリハビリテーションといった非薬物療法もあります。精神機能を活発にして自発性などの意欲面を向上させますので、認知症の改善に効果があり、おすすめです。
脳血管性認知症の対応方法
できるとき、できないときを理解する
脳血管性認知症は、今出来ていることが出来なくなったり、さっきできなかったことが出来るようになったり、周りから見れば、「さっきできていたのに?」「甘えているから?」などと思ってしまいます。
しかし、まだら認知症と言われているように、脳の血流の良いときと悪いときの状態により、出来るとき、出来ないときがありますので、理解して対応することが大切です。
また、初期症状の段階では認知症であることを本人がわかっていることがあり、言葉がなかなか出てこない、箸の使い方がわからなくなるなど出来ないことが増えていく不安を抱えています。
本人のペースに合わせ家族は無理しない
比較的性格が保たれていますが、悲観的になったり、また無気力になったり、感情の起伏が激しくなります。
脳血管性認知症の心理特性として、大勢の中ではなく静かな環境を作り、その人のペースに合わせ、物心両面で近づきすぎないようにゆったりと対応します。
しかし、認知症と言ってもしっかりしている部分が残っているまだら認知症ですので、在宅介護する場合、年数を重ねていくにつれ、家族の肉体的にも身体的にも負担が大きくなります。
在宅の介護ケアに関する悩みは、市町村の窓口や保健所、地域包括支援センター、保健センターなどに相談しましょう。
参考 認知症ケア・ユマニチュードとは|上手くいく接し方と4つのコツ
おわりに
脳血管性認知症は、生活習慣病やストレスを溜めこんでいる人ほど発症率が高まります。
そのため、寿命はどれだけ生活習慣病の対策をやってきたかにより異なります。早期発見で薬物療法を始めることにより、進行を遅らせることも期待される薬もありますので、信頼できる専門の医師に相談しましょう。
また早期発見のためにも、定期的に検診することと生活習慣病の予防のため生活習慣の見直しをお勧めします。