うつ病と認知症ってどう違うのかな?
このように
- うつ病と認知症の違いについて詳しく知りたい
- 高齢のうつ病について知りたい
など上記の方々はこの記事を読むことで解決できます。
この記事では、老年期(老人性)うつ病とは、認知症とうつ病の違い、老年期うつ病の原因と予防法、老年期うつと認知症の治療法の比較、認知症によるうつ・抑うつの原因と症状、などについてわかりやすく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
老年期(老人性)うつ病とは?
さまざまなストレスとの関係
そろそろ第二の人生を迎える60代から70代の高齢者の人が老年期(老人性)うつ病になる事があります。
ちょうど、認知症の発症時期と重なり、症状も似ているため間違った診断をされるケースも少なくありません。
仕事を退職したり身内が亡くなったなど、虚しさや悲しみで気分が落ち込んだりする精神的ショック、心筋梗塞・糖尿病の病気で入院・介護施設入所などによる環境の変化などのストレスを溜め込むことで発症します。
老年期うつは気付かれにくい?
食欲もなくなり、いつもより元気がなくあまり話をしなくなった、今まで好きだった趣味をしなくなったなど、以前に比べ意欲を失くしてしまいます。
周りにいる人は、仕事を辞めた事や不幸があったから仕方がないと思ってしまい、うつ病に気が付かないことがあります。
認知症とうつ病の違いは?
「認知症」と「うつ病」の大きな違いは、うつ病は適切な治療を行うことで改善することができるということです。「認知症」と「うつ病」の症状や行動を比較してみましたので参考にしてみてください。
認知症 | うつ病 | |
基本症状 | 抑うつ症状 | 抑うつ症状、心気が衰える症状 |
記憶・認知障害 | あり | 訴えるほどの低下はなし |
言語理解・会話 | 困難である | 困難ではない |
感情 | 表面的、浅薄、動揺 | 抑うつ気分持続 |
応答 | 言い訳、作り話、怒り、ニアミス 返答、答えようとしない |
遅延、真摯に考慮して「わからない」という |
症状の持続 | 永続的 | 数週間~数ヶ月 |
うつ状態の既往 | 少ない | 多い |
自殺傾向 | 少ない | しばしば |
老年期(老人性)うつ病の原因と予防法
老年期(老人性)うつの原因とは?
退職や身内の不幸、子離れ、身体の衰えによるアンデンティティの喪失が原因と考えられています。何をしたいのかどう見られているのかなど、不安や孤独感・危機感が募り、突然、絶望感を味わいます。
満足感や達成感を見出すことが出来ず、無気力になり、精神面で焦りや気分の落ち込みがあります。
老年期(老人性)うつの予防法は?
まずは、楽しみを見つけ、なるべく人との関わりの中で触れ合いを持ち、ストレスを溜めないことが一番です。定年後、環境を変えてほかの土地に引っ越すといった環境の変化が逆にストレスになり、うつになるきっかけを作ってしまうこともあります。
また、予防のためだからと、必要以上に体を動かして骨折したり、慣れないことで疲れたりすることも、うつ病を引き起こす要因になり良くありません。ほどほどが一番です。
認知症によるうつ・抑うつの原因と症状
認知症では、眠れない、何に対しても興味を示さない、食欲がない、不眠などの症状が現れることがあります。それを、うつ病と断定するものではなく、気分が落ち込んだり、ネガティブな妄想を引き起こすうつ、抑うつ状態と考えられています。
うつ、抑うつはアルツハイマー型認知症でも見られますが、レビー小体型認知症が一番多いと言われています。原因として考えられるのは、身内の不幸や引っ越し、介護施設への入居など生活環境が大きく変わったときに起こることがあります。また、自分が認知症になったことを受け止めれなかったり、高血圧やパーキンソン病など飲んでいる薬でもうつになってしまうこともあります。
認知症ではうつになっていることがわかりにくいかもしれませんが、何かしらおかしいと思うことがあるものです。出来るだけ1人にしないで、早い段階でのサインを見逃さないようにしましょう。
老年期(老人性)うつと認知症の治療法の比較
老年期うつ病の治療法
頭痛やめまい、吐き気など体の異常を訴えるのが特徴で、内科などを受診し異常がないと言われる人も少なくありません。うつ病の治療は、抗うつ剤の薬物治療により改善されます。
そのほかメンタル療法、カウンセリング、アロマ療法、電気けいれん療法(自殺の恐れが高く緊急を要する場合のみ)などがあります。最近では、ネガティブ志向な物の考えを自身で補正し、ひとつひとつ確認していく、認知療法が注目されています。
認知症の治療法
認知症をもとに戻す治療薬はなく、原因となる病気を治療することで軽減したり治ったりしますが、それは、全体の1割程度しかいません。薬による薬物療法と症状に合わせたケアをする非薬物療法があります。
参考 アリセプト、メマリー、リバスタッチ、レミニールの効果や副作用を比較!
大きくは日常生活を行うための機能を高めるリハビリテーションと行動や感情といった生活の質の向上を目的とする心理療法に分けることが出来ます。
心理療法では、音楽を聴いたり絵を描いたりストレッチをしたりと様々な療法があり、それぞれを組み合わせるケースが多いようです。
おわりに
老年期(老人性)うつ病と認知症は、周囲に対して無関心になり、口数が減る、強い不安や妄想を抱く、食欲不振や不眠など、どちらにも似たような症状があります。しかしそれぞれの治療法が異なりますので、少し様子がおかしいと思ったら早めに診察を受け、症状に合った治療をするのが重要です。