ノコギリヤシの効果・効能|頻尿、残尿、前立腺肥大症の予防に

ノコギリヤシエキス

健康志向のシニアが増えている中、食べ物に含まれるさまざまな健康成分がメディアでも話題になり、多くの種類の健康食品やサプリメントが販売され、人気を集めています。

なかでも健康に役立つ植物として、特に男性に人気があるのがノコギリヤシ。
歳を経た男性特有の悩みに、うれしい効果があるそうなんです。
その人気の理由と効果・効能について詳しく見ていきましょう。

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ノコギリヤシとはどんな成分?

ノコギリパルメットと呼ばれるヤシ

ノコギリパルメットと呼ばれるヤシヤシ科シュロ属のノコギリヤシは高さ2~4mの小さいヤシで、別名はノコギリパルメット、ソウパルメット、セレノアといいます。

原産地は北米の南東部で、平野部や湾岸の平地で一般的に見られる植物です。ギザギザした形の葉が、細かいトゲで覆われている見かけから、ノコギリヤシと呼ばれ、その葉は大きなもので幅1mにもなります。

夏に小さな淡黄色の花を付け、初冬になると直径2~3cmほどの油分を多く含むオリーブのような形の赤い実をつけます。

北米インディアンの人たちは、この油分が多い果実から食用や燃料用の油を採り使っていたほか、果実を男性の強壮や利尿作用のある薬としても利用してきました。

ノコギリヤシの歴史

ノコギリヤシは、米国フロリダ州のセミノール族をはじめ、インディアンの人々が果実から食用や燃料用の油を採取して使っていたほか、伝統食として食べたり、男性の強壮や、抗炎症、利尿作用のある薬としても利用してきました。

特に泌尿器系の疾患には効果を発揮するとされ、中国では漢方薬「棕櫚子(シュロシ)」として、またヨーロッパでも19世紀の初めには、ノコギリヤシのお茶が前立腺肥大症の薬として服用されていました。

その後1990年代になって、フランスの医学博士が前立腺肥大症に対するノコギリヤシの効果について、頻尿や排尿痛を改善するという報告をしたことから、広く注目を集めることになりました。

現在ノコギリヤシ果実の成分はイタリアやフランスなどヨーロッパの国々で医薬品として使われています。

ノコギリヤシの効果・効能

ノコギリヤシは、活性酸素を抑える働きで、老化・認知症予防にも効果があると言われていますが、特に前立腺肥大や、それに伴う炎症、排尿障害などの改善に対する効果は、多くの研究によって確認されています。

ノコギリヤシには、どのような効果・効能があるのか。研究や臨床結果などによるノコギリヤシの科学的根拠(エビデンス)を見てみましょう。

前立腺肥大症の改善効果

前立腺とは男性だけにある器管のひとつで、膀胱の出口付近に位置しています。

前立腺肥大症は、前立腺の尿道に近い部分に、結節(こぶ状のもの)が出来て肥大化する病気で、50代から特に多く発症します。尿道が圧迫されることで、尿の出や尿切れが悪くなるなどの症状が現れます。

原因については諸説ありますが、男性ホルモンの働きが関係していると言われています。
ノコギリヤシには、この男性ホルモンに関わる酵素の働きを抑え、それによって男性ホルモン由来の物質が、過剰に増加するのを抑制しています。

また肥大化を促す細胞増殖因子の生成も抑制することから、前立腺肥大症の改善・予防に役立つと考えられ、臨床研究などにより効果が実証されています。

【ルーマニア】フンデニ臨床研究所の研究(2011年)
120名の軽度または中等度下部尿路症状の患者に、ノコギリヤシのエタノール抽出物320mgを1カプセルで24ヶ月間毎日投与し、観察したところ、
尿路閉塞の減少、生活の質や性機能の改善に効果的であることがわかりました。
出典:Urol Int. 2011;86(3):284-9. doi: 10.1159/000322645. Epub 2011 Feb 8.

排尿障害の改善効果

前立腺肥大症に伴う症状として挙げられるのが、夜尿や頻尿、残尿感などの排尿障害です。

【日本】キューサイ株式会社と静岡県立大学の研究(2009年)
ノコギリヤシについて近年の報告では、平成21年にキューサイ株式会社と静岡県立大学の共同研究によって、ノコギリヤシの果実に含まれているオレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、リノール酸、パルミチン酸が、膀胱や前立腺の筋肉にある受容体に作用し、収縮を抑制することで排尿障害を改善する、ということがわかりました。

出典:http://corporate.kyusai.co.jp/company/r-and-d/research/pdf/090912_01.pdf

【日本】獨協医科大学越谷病院泌尿器科・八木宏医師の研究(2013年)
約1年半、獨協医科大学越谷病院泌尿器科を受診した性機能に満足していない55 歳以上の国際前立腺症状スコア中等度の男性40例を対象に、無作為にノコギリヤシ160mg群20例とピクノジェノール60mg群20例の効果を検証したところ、IPSS(国際前立腺症状スコア)とQOL(生活の質)に改善が見られたことがわかりました。
出典:http://www.anti-aging.gr.jp/urological/semi/pdf/program_151213_detail.pdf

国際前立腺症状スコア(IPSS:International Prostate Symptom Score)と生活の質(QOL:quality of life)を調べることで排尿状態の重症度を判断することができ、今後の治療の参考にすることができます。

国際前立腺症状スコア(IPSS)

どれくらいの割合で次のような症状
がありましたか? 
全くない5回に1回未満2回に1回未満2回に1回程2回に1回以上ほとんどいつも
排尿後、尿かまだ残っている感じがありましたか? 012345
尿をしてから2時間以内にもう一度トイレに行きたくなったことはありましたか?012345
尿が何度もとぎれることがありましたか?012345
尿を我慢するのが難しいことがありましたか?012345
尿の勢いが弱いことがありましたか?012345
排尿時にりきむことがありましたか? 012345
夜寝てから朝起きるまで、何回トイレに起きましたか?0回
0
1回
1
2回
2
3回
3
4回
4
5回
5
国際前立腺症状スコアの得点評価
0~7点軽度
8~19点中等度
20~35点重症

生活の質スコア(QOL)

 とても満足満足ほぼ満足なんとも
いえない
やや不満不満つらい
現在の尿の状態がこのまま変わらずに続くとしたら、どう思いますか?0123456
生活の質スコアの得点評価
0~1点軽度
2~4点中等度
5~6点重症

 

前立腺炎の改善効果

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前立腺炎は若い男性に多い病気で、排尿痛や頻尿、尿漏れなどの症状を引き起こします。

慢性化したり、再発することも多い病気ですが、ノコギリヤシはこの炎症のもとになる物質を生成する、酵素の働きを妨げ炎症の改善・予防に効果的です。

【フランス】フランス国立保健医学研究所らの研究(2015年)
良性前立腺肥大に関連する下部尿路症状を有する206人の男性で実施されました。患者に、3ヶ月間毎日ノコギリヤシ抽出物320mgまたはタムスロシン0.4mgを経口投与したところ、
投与後90日目には、タムスロシン群の46.2%に対し、ノコギリヤシ群では65.4%ものマーカー検出による遺伝子発現(平均値)の減少がみられました。これにより、ノコギリヤシ抽出物は、慢性前立腺炎患者における諸症状改善に重要な役割を果たすことがわかりました。
出典:Prostate. 2015 Dec;75(16):1857-67. doi: 10.1002/pros.23059. Epub 2015 Aug 26.

抜け毛の予防効果

頭皮の皮脂が過剰に分泌されることで毛穴が詰まることが、抜け毛の原因です。

ノコギリヤシには、頭皮の皮脂を分泌させるジヒドロテストステロンという物質の働きを抑える効果もあり、抜け毛や薄毛などのAGA(男性型脱毛症)の改善のために用いられています。

【タイ】タイ皮膚疾患研究所の研究(2016年)
20歳から50歳の男性ボランティア50人に、ノコギリヤシ製品を24週間を限度に局所的に投薬したところ、平均毛髪数および投薬後毛髪数は、基準値と比較して12および24週で増加しました。
ノコギリヤシ抽出物の局所適用は、標準的な薬剤の副作用を望まない、または許容できない男性患者の男性型脱毛症の代替治療であり得るということがわかりました。
出典:AMB Express. 2018 Feb 8;8(1):16. doi: 10.1186/s13568-018-0547-x.

腎臓の機能低下を防止する効果

腎臓の機能低下を招く尿酸。痛風の原因としてもよく知られています。

この値・尿酸値が上がると、腎機能を計るクレアチニン値も上がります。ノコギリヤシには、このクレアチニン値を下げる効果があるとされています。

【モンテネグロ】モンテネグロ大学医学部 薬理・臨床薬理学科の研究(2011年)
20歳から50歳の男性ボランティア50人に、ノコギリヤシ製品を24週間を限度に局所的に投薬したところ、平均毛髪数および投薬後毛髪数は、基準値と比較して12および24週で増加しました。
ノコギリヤシ抽出物の局所適用は、標準的な薬剤の副作用を望まない、または許容できない男性患者の男性型脱毛症の代替治療であり得るということがわかりました。
出典:Eur Rev Med Pharmacol Sci. 2011 Nov;15(11):1311-7.

ノコギリヤシの摂取量と摂取方法

1日の摂取量は200~300mg前後

ノコギリヤシの1日の摂取量について日本では明確な規定はないようですが、日本人の体形を考えると200~300mg前後と考えると良いようです。

ノコギリヤシについての臨床研究では、1日320mgが効果が現れる摂取量の目安となっているので、少ない量から始めて、体質に合うようなら多少増やしてもいいかもしれません。

ノコギリヤシエキスを含む食品はサプリのみ

ノコギリヤシの有効成分を含んだ食品は無いため、ノコギリヤシを身体に取り入れるためにはサプリメントで摂るのが効果的です。

また、個々のサプリメントよってノコギリヤシの含有量も変わってくるので、用法・容量とともに確認しておきましょう。

ノコギリヤシの副作用と飲む際の注意

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天然の植物であるノコギリヤシには、薬のような副作用はほとんどありません。

しかし、ノコギリヤシは適量の経口投与では安全性が確認されていますが、軽度の胃腸障害、頭痛、高血圧症、不眠など副作用も報告されていて、ドイツの薬用植物評価委員会(コミッションE)では、ノコギリヤシを服用する場合に医師による定期的な診察を受けるべきとしています。

これは特に、ノコギリヤシの服用が排尿痛や頻尿などの泌尿器症状は緩和するものの、前立腺の肥大化を抑制するものではないので、場合によっては前立腺がんの進行を見逃す怖れがあるためです。

摂取してはいけない人

授乳中・妊娠中の女性

ノコギリヤシは男性ホルモンであるアンドロゲンを抑制する作用があり、特に胎児や乳児が男の子である場合は性器に異常が出る危険性があります。

また、ホルモン治療を受けている(ピルなどの服用を含む)方も飲まないでください。

こども

ノコギリヤシエキスなど濃縮物を乳幼児が服用した場合の安全性は、まだ確認されていません。

経口避妊薬や卵胞ホルモン剤を飲んでいる人

ノコギリヤシの作用に薬の作用が加わることで、静脈血栓塞栓症などの副作用がでるおそれがあります。

抗血液凝固薬や抗血小板薬を使用している人

出血傾向が高まるなど、出血に影響を与えるおそれがあります。

過剰摂取に注意

規定の用量を超えて過剰に摂取した場合、下痢や便秘、吐き気、腰痛、高血圧など血圧の変化が見られる場合があります。

また、体質によってかゆみなどがみられることもあるので、体調の変化に注意して飲むようにし、気になる変化は医師に相談しましょう。

他のサプリ、医薬品との併用に注意

血流を良くする薬や固まりにくくする薬を飲んでいる場合には、ノコギリヤシとの併用で出血が止まりにくくなることがあるので、要注意です。

飲み合わせで思いがけない症状が出ることがあるので、治療や投薬を受けている場合には、かならず事前に医師に相談することが大切です。

歳を経てからの悩みに、ノコギリヤシは心強い味方ですが、予防のためではなく、症状の改善のために摂取する場合は、まず病院で何の疾患から来ている症状なのか確認し相談してからが安心です。

例えば、糖尿病の場合にも血糖値が上がることで渇きが増し、頻繁に水を飲むため頻尿になりますし、膀胱炎や腎臓病などの場合も同様の症状が出ることが多いのです。
自己診断で他の病気を見逃さないためにも、気になったら一度受診しましょう。

おわりに

古くから漢方薬や北米インディアンの人たちが、伝統療法に用いてきたノコギリヤシ。摂取の注意や適正量を守り、自然の力を上手に健康に生かしていきたいものです。

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