ホスファチジルセリン(大豆)の効果効能|ADHDや認知症の予防に

ホスファチジルセリン(大豆)

ホスファチジルセリンは、人間の細胞に含まれている物質です。

脳の血流を良くして脳細胞の働きを活性化する働きがあるのですが、体内にあるホスファチジルセリンは加齢とともに減っていくことが分かっていて、これを外から補うことで認知症予防に効果があるとされ、テレビ番組等でも話題になりました。

このホスファチジルセリンの効果や摂取法についてみていきましょう。

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ホスファチジルセリンとは

細胞膜を作っている物質

レシチンと呼ばれるリン脂質の一種で、たんぱく質とともに人間の細胞膜を作っている物質です。英語表記Phosphatidylserineを略してPSと表記されることもあります。

特に脳内の神経細胞に多く存在していて、情報伝達に重要な働きをしています。

細胞膜は、有害な物質を細胞内に取り込まず栄養素など必要な物だけを通過させる、フィルターの役目をしていますが、このフィルターが硬く強すぎると、必要な栄養を取り込めず、また老廃物を出すことが出来なくなり、細胞の新陳代謝が滞ることになります。

脳の働きを改善してくれる

ホスファチジルセリンは、この細胞膜を柔らかく保つ働きがあるので、脳細胞内の酸素や栄養素の取り込みがスムーズにいくことにより、結果的に情報伝達を含めた脳の働きを改善することになるのです。

ほとんどが食品から取り込まれ、人は毎日3~6mgのホスファチジルセリンを食事から摂取しているといわれます。多く含まれている食品は、大豆、魚、豚肉、牛肉、卵、くるみなどです。

ホスファチジルセリンの効果・効能

ホスファチジルセリンは、脳細胞の細胞膜を柔らかく保ち細胞の新陳代謝を促すほか、脳の栄養である糖質の濃度を4倍にまで高める働きがあり、脳の活動を活発に高めることが出来る、といわれています。

ホスファチジルセリンには、どのような効果・効能があるのか。研究や臨床結果などによるホスファチジルセリンの科学的根拠(エビデンス)を見てみましょう。

認知症の効果

ホスファチジルセリンは、アルツハイマー病患者および記憶障害/認知障害を伴う高齢者に対してプラス効果があります。

【ドイツ】analyze & realize有限会社の研究(2014年)
アルツハイマー病患者を対象に、2か月間の無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験では、1日3回のホスファチジルセリン&ホスファチジン酸(PS + PA)カプセル(300mg + 240mg PA /日)またはプラセボの影響を調査したところ、PS + PAカプセル摂取群(53名)における日常生活機能(日常生活の7つの活動)について試験前との変化はみられませんでしたが、プラセボ摂取群(39名P = 0.035)では5.62から4.90に低下し、両群に明らかな差(P = 0.021)を確認しました。日常生活機能においてPS + PAカプセル摂取群は、「悪化3.8%、安定90.6%」という結果に対し、プラセボ摂取群では、「悪化17.9%、安定79.5%(P = 0.066)」でした。これにより、アルツハイマー病患者のPS + PAカプセルの短期摂取は、日常生活機能、感情状態および自己報告による一般状態において、病症の安定化効果を示しました。
出典:Adv Ther. 2014 Dec;31(12):1247-62. doi: 10.1007/s12325-014-0165-1. Epub 2014 Nov 21.

脳梗塞の効果

脳の血管が細くなったり、血栓ができて詰まることで脳細胞に障害が起こる病気なので、脳の血流を良くするホスファチジルセリンには一定の効果があると考えられます。

【オーストラリア】モナシュ大学の研究(2015年)
アテローム性動脈硬化症マウスを用い、8週間の高脂肪食の開始時に、アポトーシス細胞またはホスファチジルセリンリポソームを投与したところ、マウスのアテローム性動脈硬化を53%、マクロファージ蓄積を52%減少させました。効果はホスファチジルセリンリポソームの投与によっても模倣され、脾臓摘出によるB-1a細胞枯渇によって消滅しました。これにより、ホスファチジルセリンリポソームは、アテローム性動脈硬化症を改善させ、アテローム性動脈硬化症に依存する心筋梗塞および脳卒中の発生率を低下させることがわかりました。
出典:Cardiovasc Res. 2015 Jun 1;106(3):443-52. doi: 10.1093/cvr/cvv037. Epub 2015 Feb 13.

パーキンソン病の効果

この病気は正常な神経細胞が減少し神経伝達物質の量が低下することで、脳からの情報伝達が阻害されて、運動機能に障害が出るのですが、ホスファチジルセリンは細胞膜を柔軟にすることで、この神経伝達物質の細胞間の行き来をスムーズにします。

また、神経伝達物質の分泌を促したり、シナプス(神経伝達物質をやり取りする部分)の減少を防ぐ効果もあるとされ、運動機能に一定の改善が見られたという報告もあります。

【アメリカ】アラバマ大学などの研究(2014年)
低レベルのホスファチジルエタノールアミンが、パーキンソン病関連タンパク質α-シヌクレインの恒常性を破綻させるという仮説を検証するために、酵母および線虫を用いて実験したところ、酵母では呼吸欠損、増殖の遅延などがみられましたが、エタノールアミン(ETA)を補給したところ増殖復元がみられました。線虫試験では、RNAi枯渇により、神経変性が誘引されましたが、ホスファチジルエタノールアミンを増強することによってその保護効果を発揮させることがわかりました。

出典:Proc Natl Acad Sci U S A. 2014 Sep 23;111(38):E3976-85. doi: 10.1073/pnas.1411694111. Epub 2014 Sep 8.

ADHD(発達障害)の効果

ADHD患者は、思考を司る前頭葉や大脳基底核の一部に萎縮が見られるのが特徴で、論理的に考えるのではなく五感に対する刺激に反応し、言動をコントロールできない傾向が見られます。

患者の脳ではドーパミンも不足しているとされますが、ホスファチジルセリンは情報伝達物質であるドーパミンやセロトニンの分泌を促す働きがあります。

ドーパミンやセロトニンが適正な量に保たれることで、前頭葉の働きも活発になり、症状の改善につながると考えられます。

【イスラエル】ゲハメンタルヘルスセンターの研究(2012年)
200人のADHD(注意欠陥多動障害症状)小児に対し、オメガ3脂肪酸配合ホスファチジルセリン群とプラセボ群に無作為に割り付け、15週間の二重盲検プラセボ対照試験、および続けて15週間のオープンラベル延長試験を行ったところ、不眠/衝動性が、包括的に著しく減少がみられ、顕著な過活動性/衝動性行動、ならびに気分および行動調節不全を有する小児グループでは、ADHD指数および過活動性の明らかな減少がみられました。これにより、オメガ3脂肪酸配合ホスファチジルセリンが小児のADHD症状を軽減する可能性があることがわかりました。
出典:Eur Psychiatry. 2012 Jul;27(5):335-42. doi: 10.1016/j.eurpsy.2011.05.004. Epub 2011 Jul 31.

ストレスによる精神不安の効果

ストレス状態が長く続くと、ストレスによって分泌されるホルモン・コルチゾールによって血圧や心拍数が高い状態が続き、糖尿病の原因にもなります。

ホスファチジルセリンには、このコルチゾールを抑制する効果があり、自律神経を調節する物質であるアセチルコリンの分泌も促進するので、ストレスによる意欲減退やイライラにも効果的です。

【ドイツ】Neuropattern社の研究(2004年)
牛の脳に由来するホスファチジルセリンは、かつてより、身体的ストレスに対するACTHおよびコルチゾール応答を減衰させることが示されています。20人の被験者からなる4つの群に大豆レシチンホスファチジン酸とホスファチジルセリン複合体(PAS)を1日用量でPAS(400mg)、PAS(600mg)、PAS(800mg)、プラセボのいずれかを与え、3週間治療しました。プラセボ群では、試験後に苦痛の増加が確認されましたが、PAS 400mg投与群では苦痛が減少しました。また血清ACTHおよびコルチゾールの両方の顕著な鈍化がみられ心拍数には影響はありませんでした。より多量のPAS処理群では確認されませんでした。これにより、大豆レシチンホスファチジン酸とホスファチジルセリン複合体(PAS)は、ストレス減衰効果の初期の証拠であり、ストレス関連障害の治療における可能性があることがわかりました。
出典:Stress. 2004 Jun;7(2):119-26.

ホスファチジルセリンの摂取量

1日の必要摂取量は100~200mg

認知症予防などの効果を期待するなら、1日の摂取量は100~200mg必要と言われています。ホスファチジルセリンが多く含まれていると言われる大豆でも含有量は微量で、100粒以上食べないとこの量にはなりません。

一日の摂取量は成人で300mgまでが適量とされていますが、小柄な体形の人の場合は、200~250mgと考えると良いでしょう。

ホスファチジルセリンの摂取方法

大豆レシチンがホスファチジルセリン含有量トップ

ホスファチジルセリンを身体に取り入れるためには、大豆レシチンを摂取することで補うことができます。

食品100gあたりのホスファチジルセリン含有量
大豆レシチン5900mg
サバ480mg
にわとり心臓414mg
ウナギ335mg
もつ305mg

しかし、「大豆レシチン」は大豆にごくわずかしか含まれておらず、毎日必要量を摂取するには、大豆を3kg以上食べないといけないため維持するのが難しいでしょう。

サプリメントで摂取する

効率よく摂取するためには、ホスファチジルセリンを大豆から抽出し加工したサプリメントでの摂取が最適と考えられます。

ホスファチジルセリンの副作用

現在販売されているホスファチジルセリンサプリのほとんどは大豆から作られていますが、中にはひまわり由来のものもあります。キク科の植物や大豆にアレルギーがある場合は選ぶ際に注意が必要です。

過剰摂取や併用は注意が必要

副作用の心配はほとんどありませんが、1日300mg以上を継続して摂取すると、胃腸障害や不眠などの症状が出る場合があります。

また、認知症治療などで処方される、抗コリン剤などを服用している場合には、サプリを飲むことで血圧に影響を与え、体調不良を引き起こすことがあります。

神経伝達物質の働きに関するサプリを他に常用している場合も、同様に注意が必要です。他のサプリや薬と一緒に飲む場合は、かならず医師に相談しましょう。

おわりに

ホスファチジルセリンは神経伝達物質の分泌を促したり、シナプスの減少を防ぐ重要な栄養素です。正しい摂取量を摂りいれることで認知症や生活習慣病、ADHDの発症リスクを下げることができます

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