ホタテ貝プラズマローゲンが健康に良いみたいだけど、どんな効果があるのかな?
このように
- ホタテ貝プラズマローゲンの健康効果について詳しく知りたい
- ホタテ貝プラズマローゲンの摂取方法が知りたい
など上記の方々はこの記事を読むことで解決できます。
この記事では、注目成分プラズマローゲンとは?、ホタテ貝由来プラズマローゲンの安全性、プラズマローゲンの効果・効能、プラズマローゲンの摂取量、プラズマローゲンの摂取方法、プラズマローゲンの副作用と飲む際の注意、などについてわかりやすく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
注目成分プラズマローゲンとは?
人間の体にあるリン脂質の1つ
プラズマローゲンは、私たち人間を含めた哺乳類の身体に存在しており、脳内の神経細胞、心筋、リンパ球に多く含まれているグリセロン脂質を含むリン脂質の1つです。人の脳は乾燥重量の6割以上を脂質が占めていますが、そのうちリン脂質の18%がプラズマローゲンになります。
脳内の神経細胞は、老化や酸化ストレスによって細胞死を起こしますが、このプラズマローゲンは、そうした影響から神経細胞を守り、老化を防ぐ抗酸化作用、コレステロール排出などに優れており、さまざまな役割があることが分かっています。
出典 レオロジー機能食品研究所を基に作成
プラズマローゲンは加齢とともに減ってくる
プラズマローゲンは30代でピークに達して、その後年齢を重ねるごとに減少していきます。近年の研究では、このプラズマローゲンの減少がアルツハイマー型認知症など高齢者の脳機能に影響があることが明らかになってきました。
出典 J Psychiatry Neurosci. 2010 Jan; 35(1): 59–62.
アルツハイマー病の「海馬」と「前頭葉」で多く減少
プラズマローゲンには「エタノールアミン型プラズマローゲン(PlsEtn)」と「コリン型プラズマローゲン(PlsCho)」があります。1999年スウェーデンにあるカロリンスカ研究所の研究によると、アルツハイマー病の患者の脳は、エタノールアミン型プラズマローゲンが「海馬」と「前頭葉」で非常に多く減っていることがわかりました。
出典 J Neuropathol Exp Neurol. 1999 Jul;58(7):740-7.
老化だけでなく、いくつかの酸化ストレスや精神的ストレスによる影響が大きいと考えられます。つまり、こうした老化や酸化ストレスからプラズマローゲンの減少を守るためにもプラズマローゲンの摂取は重要であると考えられます。
参考 ホタテ由来プラズマローゲンサプリおすすめ人気ランキング徹底比較
ホタテ貝由来プラズマローゲンの安全性
DHA・EPAが豊富で神経細胞の活性化を促進させる
プラズマローゲンはもともと鳥胸肉から抽出していましたが、ホタテからもプラズマローゲンを抽出することができるようになりました。さらにホタテは鶏に比べ不飽和脂肪酸である「DHA」「EPA」のプラズマローゲンが非常に多く、神経細胞の作用活性化を促進・増強すると考えられています。
ホタテ貝 | 鳥胸肉 | |
EPA | 23.9 | ― |
DHA | 38.9 | 18.6 |
出典 レオロジー機能食品研究所
ホタテ貝は鶏胸肉よりも「プラズマローゲン」の割合が高い
また、ホタテには鳥胸肉に比べ脳組織に多いプラズマローゲン(エタノールアミン型プラズマローゲン)の含有量が高く、「海馬」や「前頭葉」に近い構成比となっています。
出典 レオロジー機能食品研究所
プラズマローゲンの効果・効能
プラズマローゲンには、どのような効果・効能があるのか。研究や臨床結果などによるプラズマローゲンの科学的根拠(エビデンス)を見てみましょう。
プラズマローゲンは脳疲労の解消に役立つ成分
プラズマローゲンの効果に注目が集まったのは、以前TBSテレビで放送の「夢の扉」で紹介された九州大学の藤野武彦名誉教授の研究がきっかけと思われます。
藤野教授は「健康科学」の研究を続けて来られ、以下のようにその手法を理論として確立しました。
「脳疲労」(脳の機能が低下している状態)が認知症やうつ病、自閉症ほか、生活習慣病の原因にもなっているということと、この脳疲労を取り除くことで病気の発症を予防したり、症状を改善させることが出来る
その研究の中で、藤野名誉教授を含む研究チームが、脳疲労の解消に役立つ成分としてプラズマローゲンに着目し、鶏肉からの抽出に成功したのが2006年です。
その後、2014年にはホタテから高純度のプラズマローゲン抽出に成功し、動物実験を経て、患者に対する臨床実験で効果が確認されています。
軽度アルツハイマー病の記憶機能が改善
九州大学の藤野名誉教授らの研究によりホタテ由来のプラズマローゲンを摂取することで軽度アルツハイマー病や軽度認知障害(MCI)の記憶機能が改善することがわかりました。
【日本】九州大学の藤野名誉教授らの研究(2017年)
軽度アルツハイマー病と軽度認知障害(MCI)の60~85歳、328名を対象に24週間で多施設、無作為、二重盲検、プラセボ対照で研究を行いました。
結果、328名のうち276名が試験を終了(治療群では140人、プラセボ群では136人)、軽度アルツハイマー病(MMSE20~23点)と軽度認知障害(MMSE24~27点)において、主要評価項目、副次評価項目ともに上昇し、治療群とプラセボ群の群間に有意差は見られなかった。軽度アルツハイマー病では治療群においてWMS-Rが有意に改善し、両群間で有意に近い差が見られた(p=0.067)。軽度アルツハイマー病のサブグループ解析では、治療群の77歳以下の症例と女性でWMS-Rが有意に改善し、両群間に統計的有意差が見られた(p=0.029、p=0.017)。軽度アルツハイマー病では、血漿PlsPEがプラセボ群で治療群より有意に低下した。
出典:EBioMedicine. 2017 Mar;17:199-205. doi: 10.1016/j.ebiom.2017.02.012. Epub 2017 Feb 24.
中等度アルツハイマー病の認知機能が改善効果
九州大学の藤野名誉教授らの研究によりホタテ由来のプラズマローゲンを摂取することで軽度アルツハイマー病や軽度認知障害(MCI)の記憶機能が改善することがわかりました。
【日本】九州大学の藤野名誉教授らの研究
中等度アルツハイマー病の52名(MMSE11~19点、男性14名、女性38名、平均年齢78.7±5.2歳)と重度アルツハイマーの16名(MMSE10点以下、男性8名、女性8名、平均年齢78.1±5.9歳)の計68名を対象に、多施設においてホタテ由来プラズマローゲン0.5㎎/日を3ヶ月間投与する前後比較研究を行った。
結果、MMSEでは、重度アルツハイマー病では上昇は見られなかったが、中等度アルツハイマー病で15.4点から18点へ有意に上昇した。介護者評価として意欲、感情が中等度アルツハイマー病で38%、重度アルツハイマー病でで56%改善した。また血漿PlsPEは中等度アルツハイマー病で、重度アルツハイマー病でともに有意に上昇した(p<0.001、p<0.01)。赤血球膜PlsPEは中等度アルツハイマー病でで有意に上昇した(p<0.01)
出典:http://pls.jp/discovery
MMSE検査の点数が上昇
認知症の診断には、現在おもにPETという検査方法が用いられていますが、プラズマローゲン測定法という診断方法もあります。これはプラズマローゲンに関する臨床研究者の団体である「プラズマローゲン研究会」が開発した検査方法です。
アルツハイマー型の認知症患者の脳では、プラズマローゲンが大きく減少していることから、脳内のプラズマローゲンの量を測定することで認知症を診断するものです。
【日本】福岡大学と藤野名誉教授の臨床実験
減少したプラズマローゲンを補うことで症状の改善もできるのでは、ということで、2013年に行われた福岡大学と藤野名誉教授の共同による臨床実験で、40人の認知症患者に1日1000マイクログラムのプラズマローゲンを半年間摂取してもらったところ、認知能力を診断するMMSE検査で30満点中、平均19.3点だったのが、平均21.5点まで有意に改善され、残りも現状を維持できた、という結果になりました。
改善した被験者の中には20点から27点まで上昇し正常の範囲にまで回復した人もいました。その翌年の2014年から行われた治験の中間報告でも、飲んだ後3ヶ月の医師と介護者による評価では、参加者の60%に症状の改善が見られたと報告されています。
出典:http://www.amcare.co.jp/
動物実験では、アミロイドβによる学習機能障害を改善、海馬の神経細胞の新生、アミロイドβが溜まるのを防ぐなど認知症の有用性が明らかになりました。
パーキンソン症状を伴うレビー小体型認知症にも効果
テレビ夢の扉で放送されていた内容によると、プラズマローゲンによるレビー小体型認知症への効果が確認されました。
【日本】”藤野名誉教授と夢の扉による実験
2年前にレビー小体型認知症と診断された81歳の女性は記憶障害に加えて幻覚も見ることがあり、無表情でいることも多い。この女性に2週間ホタテから抽出したプラズマローゲンを摂取してもらったところ、明らかに会話が増えて表情が明るくなり、介護歴の長い介護士もびっくりされるほど顕著な効果が確認されました。
出典:TBS「夢の扉+」
自閉症・うつ病・統合失調症への効果も
藤野名誉教授の説によると、自閉症等の発達障害にも脳疲労が大きく影響していると考えられます。脳の疲労により神経伝達物質がうまく機能していないことが、様々な問題行動や症状の原因になっているということで、認知症の発症とも重なる部分が多いとか。ということは、自閉症にも一定の効果が期待できそうです。
こうした症状を持つお子さんに処方される薬は、大人が服用できる薬と比べて種類が少ないため、合う薬がなかなか見つからない、副作用が強いなどという悩みも多いそうです。その点でも、自然の素材から抽出し副作用の心配がないプラズマローゲンには期待が寄せられています。
また、同じく脳疲労が原因とされている、うつ病や統合失調症にも神経伝達物質の働きが関わっていますので、脳の働きを良くし、神経伝達物質の働きを正常な状態に機能させると思われるプラズマローゲンは、それらの治療にも役立つと考えられます。
プラズマローゲンの摂取量
1日1000マイクログラムを目安に摂取する
認知症予防や、病気の症状改善のための摂取には、臨床試験等と同様の1日1000マイクログラムが適量と思われます。
サプリメントや食品で摂る場合、記載されている摂取目安量を守って摂るようにしましょう。
プラズマローゲンの摂取方法
サプリメントで摂取する
食材でプラズマローゲンが含まれているのは、
- ホタテ貝
- ホヤ
- 鳥胸肉
- 牛胸肉
- サメ肝油
- オキアミオイル
になります。しかし、プラズマローゲンは大変壊れやすい成分であるため、ホタテ貝、ホヤ、鳥胸肉などを食べても身体に取り込めることができません。
効率よく摂取するためには、ホタテ貝やホヤからプラズマローゲンを抽出し加工したサプリメントでの摂取が最適と考えられます。
参考 ホタテ由来プラズマローゲンサプリおすすめ人気ランキング徹底比較
参考 サプリメントを摂取するメリット・デメリット|知らない人は要注意!
プラズマローゲンの副作用と飲む際の注意
アレルギーのある方は注意する
自然由来の原料から抽出した成分なので、副作用の心配は特にありませんが、一度にたくさん摂取しても効果が上がるものではないので、摂取量は各サプリメントの目安量を守ってください。
また、サプリメントの原料としてはプラズマローゲンを含むホタテ貝やホヤが使われていますが、アレルギーのある方は購入前に原料等をよく確認するなど注意が必要です。
ほかに薬やサプリメントを飲んでいる方は、併用が可能かどうか、かかりつけ医に相談してからが安心です。
おわりに
プラズマローゲンの効果に関する報告は、認知症にかかってしまった本人はもちろん、家族や介護者にとっても、希望となるものですね。