残業が多い理学療法士の職場6つの特徴|転職するメリット・デメリット

理学療法士の残業TOP

厚労省の毎月勤労統計調査によると、医療・福祉系の所定外労働時間、つまり、残業時間は全職種中において最も少ないという結果が出されています。

具体的な数字を挙げると、他の職種が軒並みひと月あたり10時間程度であるのに対し、医療・福祉系は約7時間です。(※1)このデータだけを見ると「他の職種の人たちはもっと頑張っているのだから、理学療法士の自分はもっと働かなければいけない」といった考えを持つ人もいるかもしれません。

しかし、理学療法士の残業は、一般企業のそれとは違い、基本的に収益につながりにくい性質があるのです。従業員だけではなく、事業主にとってもメリットはほとんどないといえます。

あらためて残業について見つめ直し、自分のキャリアをどう進めていくのが最善なのかを考えてみましょう。

残業が多い職場6つの特徴

一口に残業といっても、それは職場によって様々です。中には残業が組織の文化として根付いている場合もあるでしょう。

残業時間の長さは、個人の都合よりも環境によって左右されるといっても過言ではありません。残業の少ない快適な職場を選ぶためにも、残業の多い職場の特徴を把握しておきましょう。

①書類業務が多いかつ手書き

残業の多い職場の特徴で代表的なもののひとつに、書類業務が多いということが挙げられます。これが残業につながる理由は、この作業自体に収益性がほとんどないためです。

理学療法士としての業務で収益が発生するのは、直接患者・利用者と携わっている時間のみです。そのため、所定時間内ギリギリまで治療を行っているということが少なくありません。記録などの作業はその後になります。

職場によっては、書類業務では残業手当がつかないこともあります。この煩雑な書類作成業務が手書き形式の場合、その負担は倍増します。

誤字・脱字などの小さなミスも、手書きであればいちいち修正印を押すなどの手間を要します。就職・転職を考えるのであれば、無駄な残業を避けるためにも事前に書類業務の形式を確認しておくとよいでしょう。

②社内・外の研修会に熱心

理学療法士はその仕事柄、継続的に情報収集をしていく必要があります。そのため、社内・外問わず、研修会などに参加する機会が多いです。特に、法人病院やグループ病院などの大きな組織においては、その機会が多い傾向があります。

また、研修会とともに定期的な症例発表などもあり、一見すると手厚い待遇にみえますが、これは、残業の温床になりうる作業です。

症例発表をするとなると、そのためにデータを集めてそれらをまとめた資料を作成する必要があります。もちろん、この作業自体には何も加算はつきません

上司や先輩が勉強熱心な環境であれば、症例発表などの催しが多い傾向にあります。そして、その症例発表を担当するのは、指導という名目でたいてい新人や若手の理学療法士になるのです。

このような勉強会などの参加を断ると評価が下がるため、半強制的に参加することになります。時には残業だけではなく、休日も資料作成や勉強会で時間をつぶすこともあります。

職場によっては、研修費用ですら自己負担になるケースもあるため、労働条件を確認するときにはぜひチェックしておきたいところです。

③よくわからない社内のイベントがある

業務とは関係性の薄い「○○活動」など、何につながるかわからない社内活動が課せられることで残業につながるケースもあります。

たとえば、研修会などで学んだことを実践するという名目でグループワークをするなどです。このグループワーク自体は、特に医療・介護などとは関わりの少ない活動であることも少なくありません。

もちろん、収益性もないものがほとんどでしょう。このような活動には、大きな組織がより効率的な仕組み化を目指そうとする目的があります。

しかし、個人にとってはメリットを感じにくい活動でもあるため、むしろ非効率な経営を招く原因になっていることもあるのです。

また、忘年会新年会シーズンになると出し物などの準備にとりかかるといった事業所もあります。組織の一体感が育まれる行事ともいえますが、その準備となるとどうしても業務後になります。

具体的には、忘年会でダンスや歌を披露するなどでしょう。このような社内の文化によって、したくもない残業をせざるを得ない状況になります。

④会議などが多い

医療・介護分野のいずれも、リハビリ職は会議に出る機会が多くあります。

病院などであれば、医師・看護師・医療相談員など他職種が同じ環境にいるため、会議の数も頻繁にあります。患者の入れ替わりも多いことから、退院前カンファレンスなどにも時間を割かれる機会が多い傾向にあります。

介護事業においては病院に比べると頻度は減りますが、定期的なサービス担当者会議などで多職種が集まるなど機会が少ないわけではありません。

これらの会議は、それ自体には加算などの報酬は発生しない場合がほとんどです。このような会議は、医療・介護報酬を請求するための義務ではありますが、会議を長く、たくさんしたからといって収益が増えることはありません

それでも事業者の義務であり、通常サービスの時間外で行う必要があります。そのため、会議などで時間外労働になることも少なくないのです。

それに加えて、会議はその内容によって時間が大きく変わります。難しい症例の場合では、1時間以上要するケースもあるのです。事業所によっては、不参加で書面による情報伝達で済ませることもあります。

このような事業所であれば、書類作成の負担はありますが、さほど時間をロスすることはないでしょう。転職などの際、このような業務内容も確認しておくことで、ある程度残業の有無が推し量れます。

⑤スタッフが少ない個人事業所

スタッフが少ない個人事業所では、残業が多い場合があります。特に、スタートアップして間もない事業所などでは頻繁に残業することになるでしょう。

経営者が1人、看護師や理学療法士などのスタッフが数人などであれば、さまざまな事務作業もリハスタッフなどがそれぞれ分担して行うことになります。

たとえば、訪問看護ステーションを例に挙げると以下のような業務があります。

  • 月末などにサービスの内容や経過
  • 今後の展望などを主治医または医療機関
  • 居宅介護支援事業所などの関連機関に報告する

事業所が受け持っている利用者すべての情報を、月末にまとめて書類を作成、郵送しなければなりません。

書類作成まではリハスタッフの仕事ですが、スタッフが少ないと、作った書類を封筒に入れたり施設ごとにまとめたりする事務的な作業まで包括的にすることになります。

また、事業所の拡大など何かイベントがあれば、否応なく時間外でもかりだされる場合もあります。個人の事業所ではどうしても資金力がないため、事務員などを雇う余力がありません

通常業務の範疇にないさまざまな雑務をする可能性があるということを理解しておくべきでしょう。

⑥教員になっても残業は多い

理学療法士のキャリアとして、教員という選択肢があります。理学療法士養成校の教員は、一般の理学療法士に比べて収入は上がるでしょう。

場合によっては、臨床で働いていた頃と比べて100~200万円ほど上がる可能性もあります。また、教員としてのキャリアは、個人として活動していく上でも財産になりやすいです。

教員活動をきっかけに、セミナー業や書籍の執筆などの仕事にもつながりやすいでしょう。しかし、教員としての生活は決して楽なものではありません。

まず、理学療法士の教員として活動するためには、少なくとも5年以上の実務経験が必要です。それは前提条件ですが、実際にはそれに加えて大卒の資格や大学院または臨床での研究実績なども求められることが少なくありません。

そのため、教員として働きながら休日などでも大学に通学しなければならないということもあります。さらに、業務として実習先訪問や学校訪問などの営業活動で残業をすることもあるのです。

国家試験直前になると、受験生のために学校を通常より遅くまで開くこともあり、それに教員が残業して付き合わなければならないというケースもあります。

このように、教員になるとさまざまな実務で残業する機会が多くなるのです。

理学療法士が転職するメリット

過度の残業は、働く本人だけではなく、その家族にも大きな負担をかけます。ときには、心身を病むこともあるでしょう。自分と家族を守るためにも、極力残業は避けたいものです。

しかし、残業をある程度個人の努力で減らすことはできても、残業が会社の文化として根付いていることもあるかもしれません。そのようなときには転職という手段もあります。

ここでは、転職のメリットについて説明していきます。

【メリット1】給与が増える可能性がある

転職により、給与が増える可能性があります。スタッフが多数いる病院や事業所であれば、なかなか競争が激しく出世の機会に恵まれないという人もいるかもしれません。

転職であれば、スキル次第ではいきなり管理者として抜擢されるケースもあります。同じ事業所でステップアップを狙うよりも、転職でより効率的にキャリアアップできることもあるのです。

転職先の事業形態によって給与にも差があります。たとえば、通所系よりも訪問系の理学療法士は業務の単価が高いこともあるため、比較的高収入を狙えます

介護分野に転職するのであれば、管理者を目指してケアマネージャーなどのマネジメントに関わる資格を取得しておくことも給与アップにつながるでしょう。

【メリット2】残業が少なくなる

転職のメリットとして挙げられる主なものとして、残業が少なくなるということがあります。理学療法士の残業が多くなる要因のひとつに、研修会の多さがあるでしょう。

これは、ある種組織の付加価値的な部分ですが、ここに力を入れている会社では、おそらく残業が多くなることを覚悟する必要があるかもしれません。

このような研修会などに力を入れている会社を避けて転職することで、ほぼ定時で帰宅できるようになることもあります。

【メリット3】環境をリセットできる

新人の頃には、わからないことが多いためミスをすることもあります。ときには、怠慢で上司や同僚に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。

そのようなことが積み重なると、信頼を失います。そして、1度失った信頼を取り戻すのは困難です。そうなると、同じ仕事をしていてもネガティブに捉えられることがあります。

上司からの評価も頭打ちになりがちで、出世しにくくなるのです。転職することで、新人時代から重ねてきた負の実績を清算することができます。ベースアップしたスキルを活かして、自分のキャリアを立て直すことができるでしょう。

【メリット4】新しいスキルを身に付けることができる

理学療法士のキャリアでよくいわれるのが、病院で経験を積んでから訪問看護などの地域医療にシフトするというものです。同じ理学療法士でも、病院と地域とでは求められるスキルがかなり違います。

具体的には、病院では身体の運動能力など機能面へのアプローチがメインになるでしょう。一方、地域医療では生活を成立させるための環境整備や継続的な地域での生活を促すための状態管理という側面が強くなるのです。

ここで新しいスキルを身に付けることにより、理学療法士としての仕事の幅を広げることにつながります。

【メリット5】自分に自信がつく

平成30年度に実施された第53回理学療法士および作業療法士国家試験の合格者数は、9885人でした。(※2)理学療法士は毎年1万人規模で増えています。

それに伴い、理学療法士としての個人の価値は下がり続けているのです。

そのような状況のなかで、転職を成功させることで、自分の市場価値を信じることができそれが、自己肯定感の向上につながり、仕事へのモチベーションも上がります

同じ職場でずっと働いていると、客観的に自分の市場価値がわからなくなってしまいます。ときには、上司や経営者から「別の事業所では通用しない」などと心無い声をかけられることもあるかもしれません。

しかし、自分の価値は実際に外に出てみないとわからないものです。転職は、自分の価値を再確認するうえで有効な手段といえます。

理学療法士が転職するデメリット

転職が上手くいけば、自分の人生をより充実感を持って過ごすことができるでしょう。

しかし、転職は決して良い面ばかりではありません。相応にリスクもあります。転職のデメリットも知っておくことで、総合的に自分の進路を検討することが肝要です。

【デメリット1】給与が減る可能性もある

転職でも、特に医療分野から介護分野へ転職するは給与が下がる可能性もあります。

訪問リハビリなどであれば給与は高めですが、通所や小規模などの施設系サービスでは思ったより給与が増えないかもしれません。

この理由は、リハビリ業務の単価が施設系サービスでは低いことと、施設の運営自体にコストがかかることなどが挙げられます。

具体的に数字を出すと、通所介護での機能訓練は1人あたり単価が500円ほどですが、訪問系ではおよそ3000~8000円にもなります。

理学療法士としての貢献度が、訪問系は高いです。病院から病院、クリニックなど、医療ニーズが高い職場への転職であれば給与が減ることは少ないでしょう。

【デメリット2】自分が思っていたより仕事量が増えることも

仕事量を減らすために転職したつもりが、かえって増えてしまったということもあります。

たとえば、介護施設に転職した際、リハビリスタッフが自分しかいないかもしくは2~3人だけということになると、業務の負担がかなり集中します。

介護施設にはスタッフが複数人いますが、そのうちリハビリの業務に関わる人は少ないのです。

表面的には労働力が足りているようにみえても、いざリハビリのためとなると、実質稼動しているのは1人だけということもあります。

そのような職場に転職してしまうと、仕事の負担が強くなることは目に見えているでしょう。

【デメリット3】新しい環境になじめないリスク

転職することで、それまで積み重ねてきた人間関係がすべてリセットされます。ゼロから人間関係を構築していくのは、かなり労力を使う作業です。

患者・利用者との信頼関係はもちろん、新しい職場の同僚や上司とも円滑にコミュニケーションできる状況を作る必要があります。

また、違う環境での業務になじめないこともあるでしょう。たとえば、通所介護などの施設系サービスへの転職では、リハビリ業務に加えて介護業務も兼務することが多いのです。

そのため、トイレや食事介助など慣れていない業務をする機会もあります。

【デメリット4】積み重ねていたものがなくなることも

転職先では、従来の経験やスキルが通用しないこともあります。「前の職場では問題なかったから、こちらでも大丈夫だろう」という思いで取り組んだ仕事でミスをするなどは、よくあるトラブルです。

場合によっては、理学療法士としての考え方そのものが否定されることもあります。積み重ねてきたものを捨てて新しく学び直すことはストレスのかかることです。

自分を活かせるかどうかというのは、転職先を選ぶうえでも重要な要素といえます。

おわりに

単位あたりで収益が発生する理学療法士は、それ以外の業務では基本的に収益につながるものはありません。保険診療において必要な書類業務などでも、それ自体には収益性はほとんどないのです。

そのような状況で残業をすることは、従業員自身はもちろん、経営陣にとっても好ましくありません。残業の不利益性をよく理解したうえで、自分が納得のいくカタチでキャリアを構築していくことが望ましいでしょう。

参考 【厚生労働省】毎月勤労統計調査(※1)

参考 【厚生労働省】第53回理学療法士国家試験及び第53回作業療法士国家試験の合格発表について(※2)

▼転職エージェントに無料相談でホワイト企業に転職できる!
必見!介護・福祉業界で転職をお考えの方

求人誌よりも介護求人が圧倒的に多い!
人間関係の良い職場へ転職できる!
相談から転職まで利用は全て無料!
さらに無料で資格取得もできる!
未経験・無資格でも働ける職場が見つかる!
自分の条件に合った職場に就ける!

▼元・介護職員が選んだ人気の異業種がわかる!
介護職を辞めたい方、必見!おすすめ異業種15選

人気の異業種がすぐわかる!
介護より待遇の良い職場が見つかる!
年収が1.5倍以上増える!
決まった休日が取れる!
ストレスから解放される!
人間関係の良い職場に転職できる!
将来性のある職場が見つかる!
自分の条件に合った職場がある!

介護職員の悩み
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
この記事が気に入っていただけましたら、シェアをお願いします
介護の123
タイトルとURLをコピーしました