介護療養型医療施設(療養病床)とは|サービス内容や1日の流れなどを解説

介護療養型医療施設
ー 目次 ー
  1. 介護療養型医療施設(療養病床)とは
    1. 充実した医療ケアとリハビリが受けられる医療施設
    2. 「介護療養病床」と「医療療養病床」
    3. 居室のタイプ
    4. 事業所数
    5. 利用者数
  2. 特別養護老人ホーム・介護老人保健施設との違いは?
  3. 「介護療養病床の廃止」と「介護医療院の新設」
  4. 提供されるサービス内容
    1. リハビリテーション
    2. 医療ケア
    3. 介護
    4. ターミナルケア
    5. 日常生活の支援やレクリエーション
  5. 介護療養型医療施設(療養病床)にかかる料金・費用
  6. 介護療養型医療施設(療養病床)の一日の流れ
  7. 介護療養型医療施設(療養病床)のメリット
    1. 【メリット1】医師や看護師の配置が手厚く医療的ケアが充実している
    2. 【メリット2】入居一時金がなく、月額費用も所得により安価
    3. 【メリット3】介護度が高い場合も利用が可能
  8. 介護療養型医療施設(療養病床)のデメリット
    1. 【デメリット1】スグに入所することが難しい場合がある
    2. 【デメリット2】多床室(大部屋)が多い
    3. 【デメリット3】余暇やレクリエーションが少ない
  9. 人員の配置基準
  10. 設備基準
  11. 介護療養型医療施設(療養病床)の利用方法
    1. 問い合わせ・相談
    2. 見学・説明・申し込み
    3. 必要書類の準備
    4. 面談
    5. 入所判定
    6. 契約
  12. 介護療養型医療施設(療養病床)の選び方
    1. 複数の事業所を比較・検討する
    2. サービス提供者の対応・知識を確認する
    3. 契約内容を確認する
  13. おわりに
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介護療養型医療施設(療養病床)とは

介護療養型医療施設(療養病床)とは、介護保険を利用して入所する医療施設です。介護療養型医療施設は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設と並び「介護保険施設」と呼ばれる施設のひとつになっています。

その対象者は慢性的な疾患(病気)があり自宅での生活を送ることが難しい方で、医療的な管理や看護、医学的管理下での介護、リハビリテーションを行うことを目的とします。

ここでは介護療養型医療施設(療養病床)のサービス内容や基準、メリット・デメリットなどについて見ていきます。

充実した医療ケアとリハビリが受けられる医療施設

介護療養型医療施設(療養病床)は、医療の必要な要介護者が長期療養のために入所する医療施設です。

介護療養型医療施設は医療施設なので、医師や看護職員の配置が他の介護保険施設よりも手厚くなっています。リハビリテーション専門職も実情に応じた人数の配置が行われており、リハビリを受けながら医療的ケアを受けられる施設になっています。

「介護療養病床」と「医療療養病床」

介護療養型医療施設(療養病床)は、介護保険を利用して医療施設へ入所する施設です。一方、医療療養病床は、医療保険を利用して入院するための施設です。

介護療養型医療施設(療養病床)は、医療法及び介護保険法を根拠法として設置され、医療療養病床は医療法を根拠法として設置されます。

その概要としては以下のように定められています。

介護療養型医療施設の概要
介護療養型医療施設長期療養を必要とする要介護者に対し、
医学的管理の下における介護、必要な医療等を提供するもの
医療療養病床病院・診療所の病床のうち、
主として長期療養を必要とする患者を入院させるもの

居室のタイプ

介護療養型医療施設の居室のタイプは、大きく4つに分けられます。
居室のタイプにより基本サービス費及び居住費(部屋代)が異なります。

居室のタイプ特徴費用
ユニット型
個室
ユニットケアと言われる、10人程度の小集団で介護を受けることが
出来る施設のつくりになっており個室です。
この中では最も高い費用となります。
原則として生活保護の方は利用できません。
1,970円/1日
5万9,100円/30日
ユニット型
準個室
ユニットケアと言われる介護手法を用い、
部屋の作りは多床室を個室に改修しユニット型に改築した施設です。
1,640円/1日
4万9,200円/30日
従来型
個室
ユニット型以外の施設のつくりになっており、
大人数で食堂やリビングなどを共有します。
居室のつくりは個室になります。
1,640円/1日
4万9,200円/30日
従来型
多床室
ユニット型以外の施設の作りで、大部屋です。 370円/1日
1万1,100円/30日

事業所数

介護療養型医療施設の事業所数は、平成28年3月度で1,320施設となっておりその事業所数は年々減少しています。平成19年3月度には2,664施設だったので、9年間で約半数の事業所数になったことになります。

その病床数も事業所数と同様に減少しており平成19年4月度には12万3,851床だったものが、平成28年4月には5万8,686床となっています。

なお、介護療養型医療施設は将来的に廃止をすることが決められており、平成24年以降は新設することが認められていません。

介護療養型医療施設の事業所数

参考 厚生労働省(参考資料)

利用者数

介護療養型医療施設の利用者数は、平成28年3月度で5万9,000人となっています。平成19年3月度には11万7,400人だったので、事業所数と同様に利用者数も9年間で半数となっています。

利用者の内訳を見ると、平成28年で要介護4と要介護5が5万2,000人と約9割が介護度の高い利用者で占められていることがわかります。

介護療養型医療施設の利用者数

参考 厚生労働省(参考資料)

特別養護老人ホーム・介護老人保健施設との違いは?

介護療養型医療施設(療養病床)は、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設と並び介護保険施設と呼ばれます。しかし、その体制や役割は施設ごとに異なります。その違いを見ていきましょう。

 介護療養型医療施設
(療養病床) 
特別養護老人ホーム介護老人保健施設
役割長期療養を必要な
要介護者に必要な
医療等を提供する施設
要介護者のための
生活施設。
終の棲家と呼ばれ
亡くなるまで入所可能
リハビリ等を提供し
在宅復帰を目指す施設
医療体制医師・看護師が手厚い医療体制は手薄医師の配置があり
看護師の配置も手厚い
面積一人あたり6.4㎡一人あたり10.65㎡一人あたり8.0㎡

「介護療養病床の廃止」と「介護医療院の新設」

介護療養型医療施設(療養病床)は、医療機関でありながら介護保険が適用される対象となっておりその制度のあり方が問われていました。

厚生労働省は2006年の時点で、2011年度末までに介護療養病床を廃止することを決定していましたが他の施設への転換が進まず2017年度末まで制度が延長されることになりました。

2017年5月に新しく「介護医療院」が創設されたことになり、2023年度末までの移行期間をもって介護療養病床は廃止され介護医療院やその他の制度へ移行する必要が迫られています。

介護医療院では、長期療養のための医療や看取り、生活の場としての機能を提供します。

提供されるサービス内容

介護療養型医療施設(療養病床)が他の介護保険施設と大きく異なる点は、入所する場所があくまでも病院という点です。そのため他の施設とは異なり、生活を送るための施設というよりは、入院をするイメージに近いサービスが提供されます。

リハビリテーション

介護療養型医療施設(療養病床)では施設により異なりますが、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士によるリハビリテーションを提供します。

身体機能や運動能力回復のための理学療法、手作業などの細かな動作訓練を行う作業療法、発語能力や嚥下機能回復のための言語聴覚療法などその方にあったリハビリが提供されます。

医療ケア

介護療養型医療施設(療養病床)には医師が配置されており、医師による診療や看護職員による看護が行われます。
他の介護施設では受け入れることが難しい、頻回な喀痰吸引や胃ろう・腸ろう、経管栄養や酸素療法が必要な場合でも受け入れが可能な場合もあります。

介護

介護療養型医療施設(療養病床)では、日常生活上の介護も行われます。一般的な介護である、食事介助や入浴介助、排せつ介助、身体介助が行われます。

ターミナルケア

ターミナルケアは終末期医療と呼ばれ、残された余命を苦痛の緩和を行いながら生活の質を保つための医療や看護の方法です。

介護療養型医療施設(療養病床)では多くのターミナルケアが行われており、以前の統計では100床あたりの年間ターミナルケア実施人数は23.3名となっています。

100床あたり年間ターミナルケア実施人数

参考 厚生労働省(平成24年度調査)

日常生活の支援やレクリエーション

介護療養型医療施設(療養病床)では、日常生活上の支援や退院後の行き先に対する相談なども行われます。しかし、医療的ケアがメインとなっているためレクリエーションや余暇活動は、他の介護施設と比較すると積極的には行われません。

介護療養型医療施設(療養病床)にかかる料金・費用

介護療養型医療施設(療養病床)の料金・費用

介護療養型医療施設(療養病床)の料金・費用は施設により異なります。

一般的には9万円~20万円程度の費用が必要と言われますが、部屋にタイプや要介護度により異なります。特別養護老人ホームや介護老人保健施設と比較すると金額の設定は高くなっています。

所得や資産によっては食費や部屋代の減免、高額サービス費による上限額の設定もあります。

介護療養型医療施設(療養病床)の一日の流れ

介護療養型医療施設(療養病床)における代表的な一日の流れを見ていきます。介護療養型医療施設では、医療的ケアが充実している一方で、レクリエーションや余暇活動はあまり充実していません。

介護療養型医療施設(療養病床)の1日の流れ
  • 6:00
    起床
    介護職員による排せつ介助や食堂への誘導を行います。
    また、看護職員によるバイタル測定や食前薬の管理などが行われます。
  • 8:00
    朝食
    食堂に集まり朝食を取ります、その際には食事介助が必要な方には介助が行われます。
  • 9:30
    医師による回診
  • 10:00
    リハビリテーション
    その方の身体状況や、介護計画に沿ってリハビリテーションが提供されます。
  • 10:30
    入浴
    介護職員により入浴介助を行います。
  • 12:00
    昼食
  • 14:00
    リハビリテーション
    リハビリテーションやレクリエーションの実施
     他の介護施設と比較すると、レクリエーションは積極的に行われません。
  • 15:00
    おやつ
  • 18:00
    夕食
    夕食前の食前薬がある方には配薬されます
  • 19:00
    食後
    眠前薬の管理や口腔ケア、更衣の介助
  • 21:00
    消灯
    夜間帯にもオムツ交換や職員による見守りが行われます。

介護療養型医療施設(療養病床)のメリット

介護保険を利用して入所する施設にはいくつかの種類があり、それぞれ役割や基準が異なりメリット・デメリットが存在します。
介護療養型医療施設(療養病床)に入所した場合の、メリット・デメリットにはどのような点があるでしょうか。

【メリット1】医師や看護師の配置が手厚く医療的ケアが充実している

介護保険施設の中では最も手厚い医療体制が整っています。そのため、医療依存度が赤い場合にも安心して入所することが出来るメリットがあります。

【メリット2】入居一時金がなく、月額費用も所得により安価

介護療養型医療施設には、入居一時金がありませんので入所時にまとまった費用は必要ありません。また、所得により食費や居住費の免除を受けることも可能です。

【メリット3】介護度が高い場合も利用が可能

介護療養型医療施設(療養病床)は要介護度が高い場合でも入所することが可能です。施設によっては看取りやターミナルケアにも対応しているので、亡くなるまで利用することが可能な場合もあります。

介護療養型医療施設(療養病床)のデメリット

【デメリット1】スグに入所することが難しい場合がある

介護療養型医療施設(療養病床)に限らずですが、介護保険施設では申し込んでスグに入所できることは少なく一定期間の待機が必要になることが一般的です。そのため、入所までにどこか別の場所で過ごさなくてはいけない場合もあるため、その他の施設も合わせて検討することが必要となります。

【デメリット2】多床室(大部屋)が多い

介護療養型医療施設は、多床室の施設が多くあり面積の基準も他の施設と比較すると狭くなっています。個室でのケアを希望する場合には適さない場合も多く、プライバシーよりも治療や療養を重視した施設になっています。

【デメリット3】余暇やレクリエーションが少ない

介護療養型医療施設は、治療や療養を目的としていますので他の介護施設と比較するとレクリエーションなどの余暇は充実していません。

人員の配置基準

介護療養型医療施設(療養病床)は、介護保険を利用する他の施設と比較すると手厚い医療体制が特徴です。

そのため、医師をはじめとする医療従事者が手厚く配置されています。具体的にどのような配置基準となっているか見ていきます。

医師、薬剤師、栄養士

医療法に規定する療養病床を有する病院として必要とされる人数が配置されます。
医師は患者(入所者)48名に対し1人、薬剤師は患者(入所者)150名に対し1人以上、栄養士は100床以上の場合に1人が必要です。

看護職員、介護職員

療養病床における患者(入所者)6名に対し、それぞれ1人の配置が必要です。
日常生活上の看護及び介護を担当します。

理学療法士及び作業療法士

患者(入所者)の実情に応じた適当数を配置する必要があります。
入所者のリハビリテーションを担当します。

介護支援専門員(ケアマネジャー)

入所者数100名に対し1人を標準とする配置が必要です。
入所者のケアプラン(介護計画)の作成を担当します。

設備基準

介護療養型医療施設(療養病床)では、設備について面積や作りの基準が決められています。

介護療養型医療施設の設備基準
病室1室あたりの患者(入所者)は4名以下、一人あたり6.4㎡が必要
機能訓練室40㎡以上で、リハビリテーションに必要な器械や器具を備えること
食堂患者1名につき1㎡以上の広さが必要
談話室患者(入所者)同士や家族が談話をするために適当な広さが必要
浴室身体の不自由な患者(入所者)が入浴するために適したもの
その他消火設備の設置や、災害時に際して必要な設備を設けること

介護療養型医療施設(療養病床)の利用方法

介護療養型医療施設(療養病床)の利用には要介護認定を受けていることが条件になります。
利用までの流れを見ていきます。

問い合わせ・相談

電話や窓口で、入所を検討していることを担当者に伝えます。

家族からの問い合わせが難しい場合には、担当のケアマネジャーからの問い合わせをすることも可能です。また、他の病院からの転院の場合には、入院中の病院でソーシャルワーカーに相談をすることが重要になります。

 

見学・説明・申し込み

事前に施設の様子を見学してみることは大事になります。介護療養型医療施設(療養病床)は人生の終末期に利用することになる施設です。施設の様子や雰囲気など事前に確認し、希望と合えば申し込みを行います。

 

必要書類の準備

介護療養型医療施設(療養病床)の利用の前には、かかりつけ病院の診療情報提供書や薬の情報、検査結果の情報など、施設で必要な書類を準備する必要があります。
書類の取り寄せには時間がかかることもあるので、必要な書類を確認し速やかに依頼をします。

 

面談

入所前には本人と面談を行います。面談の方法については施設により異なり、家族との面談だけで足りる場合もあります。

 

入所判定

検査結果や面談の情報から、受け入れが可能かどうかの判定を行います。
積極的な治療が必要な状態の場合や、感染症などで集団での生活が難しい場合などは入所が出来ない場合もあります。

 

契約

施設のベッドが空くまで待機をし、空いた段階で入所が決定します。その際には、契約を結び重要事項説明書による説明を受けて入所が始まります。

介護療養型医療施設(療養病床)の選び方

介護療養型医療施設(療養病床)に限らず、介護サービスは同じサービスであっても提供されるケアの内容や人員体制、設備はそれぞれ異なります。施設を選ぶ場合には、どのような点を確認すればよいでしょうか。

複数の事業所を比較・検討する

介護療養型医療施設(療養病床)を検討する場合には、可能であれば複数の施設を検討することをオススメします。

介護療養型医療施設は、申し込みをしてスグに入れることは稀で数週間から数ヶ月の待ち期間が発生します。複数の事業所を比較することにより、希望に沿った事業所を選ぶことが出来ます。

サービス提供者の対応・知識を確認する

介護療養型医療施設(療養病床)への入所はいつまで続くか分からないものです。そのためサービス提供者である職員の対応により、入所生活の環境は大きく変わります。出来る限り、相性が合いそうな担当者がいる施設を選ぶことも施設選びもポイントです。

また、病院の評判や口コミも大事な判断基準のひとつになります。

契約内容を確認する

介護施設の契約内容は、契約書や重要事項説明書に書かれていますがとても細かな文字で専門的な言葉で書かれている場合も少なくありません。不明な点があれば、納得の行くまで確認をしましょう。

おわりに

介護療養型医療施設は、介護保険を利用しながら入所を行いますが介護施設というよりは医療施設の機能を持ちます。似たような病床として、医療療養病床などもあり制度が複雑でわかりにくくになっています。更に、近い将来には介護療養型医療施設の廃止も決まっており、全ての施設が時間をかけて別の施設へと転換されていきます。

介護療養型医療施設への入所は、比較的介護度が高い方が対象で人生の終末期にお世話になる施設と言えます。施設を選ぶ際の一助にして頂ければ幸いです。

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