小規模多機能型居宅介護に入社したもの、働いていくうちに大変なことが多く辞めたいと思う方が多々いるようです。
小規模多機能の仕事がつらい。大変で辞めたいなぁ。ほかに良い転職先ないかなぁ。
上記のような小規模多機能を辞めて今よりももっと良い職場に転職したい方はこの記事を読むことで解決できます。
この記事では小規模多機能を辞めたい理由はどんな原因によるものなのかを解説し、最後に小規模多機能で働く介護職員の方におすすめの転職先についてまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。
小規模多機能型居宅介護を辞めたい8つの理由
想像していた仕事と違った!つらくて辞めたい!そんなふうに感じている方はいませんか?
小規模多機能で働いている人が、どんなことがつらくて辞めたいと思うのか…。辞めたい理由をご紹介します。
【理由①】個別対応で多忙すぎる
小規模多機能型居宅介護の「通い」利用は、デイサービスとは異なります。
デイサービスでは、個々の自由な時間はあるものの、多くの通所利用者が同じレクリエーションを楽しむなど、ある程度決まったタイムスケジュールで業務が進んでいきます。
しかし、小規模多機能型では通いの利用者それぞれのニーズに合わせなければならず、入浴や食事だけの利用もあれば、終日利用するという人もいる、その異なる利用状況に個別に対応していかなければなりません。
日によって違う利用者の状況や提供するサービス内容を把握するだけで精いっぱい、という業務量の多さが、小規模多機能型居宅介護を辞めたい理由に挙げられています。
【理由②】仕事が多様すぎる
日中の「通い」だけでも仕事の多さに苦慮する小規模多機能型居宅介護の業務には、その上短期の宿泊や訪問もあります。
利用方法や利用者の多様さに仕事の多様さも加わり、ここで働くことは確かにさまざまな業務を経験できますが、経験の浅い職員や、老健や特養など施設での介護業務に慣れている人にとっては、幾つもの仕事を掛け持ちし少人数で対応しなければならない状況に、こんなはずじゃなかった、と感じて辞めたくなるようです。
【理由③】夜勤がつらい
小規模多機能型居宅介護事業所の中には、夜勤専従の職員を採用している所もありますが、いつも「通い」で顔を合わせている職員と一緒に泊まれる安心感から宿泊利用する人が多いので、そのニーズに合わせて、事業所によっては日中・夜勤ともにシフトに入る必要があります。
規模の大きい施設と異なり、小規模多機能型居宅介護ではワンオペでの夜勤がおもで、泊りの定員である最大9名の利用者を、ひとりで見なければならず、終末期ケアに対応している事業所では宿泊時の看取りを行うこともあります。
こうした緊張を強いられる夜勤に大きな精神的ストレスを感じたり、日勤との交替シフトに順応できず体調を崩してしまう人も。 泊りの利用者が居ない時も、夜間対応の窓口として宿直勤務の職員を置く場合もあり、夜勤は小規模多機能型居宅介護を辞めたい理由のひとつになっています。
参考 介護職の夜勤は寿命を縮める!命を削る危険な9つの健康リスクを徹底解説
【理由④】緊急対応がある
緊急時にも柔軟に対応するというところが小規模多機能型居宅介護の特徴です。
日常介護している家族の都合などによる急な通いや泊りにも対応するので、利用者や家族には便利なサービスですが、職員にとっては急に勤務に入らなければならなかったり、休日が変更になることが頻繁に起こります。
休日が取りにくく、自分の時間を確保しにくいことが、辞めたい・つらいと感じる原因になっています。
【理由⑤】訪問介護がつらい
訪問介護の仕事は、他の入居・通所施設の介護とは異なる苦労がある仕事です。
たとえば1日に何件もの利用者宅を訪問するための移動を考えても、毎日積み重なると体力的負担になるのですが、小規模多機能居宅介護では、通いや泊り対応と同様に訪問でも緊急対応があり、通常の訪問介護にはない夜間訪問をする場合もあります。
その上、通いや泊りの仕事も担当するのですから、小規模多機能型居宅介護の仕事は大変でついていけない、と離職を考える人も多いのです。
【理由⑥】スキルが磨けない
小規模多機能型居宅介護は、利用者のニーズに一度に応えられる事業所として作られましたが、一か所ですべて行うことでそれぞれの業務がすべて中途半端になっているとの声もあります。
広く介護スキルを磨きたいと小規模多機能居宅介護で働き始めた場合は、その点で「物足りない」とか「考えていたものと違う」と感じて、より深く経験を積める所へ転職を考えることになります。
【理由⑦】給料・収入が少ない
介護職の給与額は他産業と比べて水準が低いと言われますが、小規模多機能居宅介護でも、訪問介護・通い・泊りと、それぞれ別の事業所で担っているような内容をすべて行っていながら、職員はそれに見合った給与ではないと感じています。
より自分の仕事を評価してくれるところへ転職を考え、辞めたい人は多いのです。
【理由⑧】職員が少ない
小規模多機能型居宅介護は、その名の通り「小規模」なので利用者数も通いが1日につき15名(条件により18名)、泊りは9名以下が定員となっています。
利用者の人数が大規模施設より少ないので、その分仕事にも余裕がありそうに見えますが、職員の数も少ないので、ひとりが担当する利用者数にしてみると案外多く、人員不足から必然的に夜勤や訪問も多く回ってきます。
昼食を摂る暇もないという話も聞かれ、事業所によってはかなり激務であることが、辞める理由となっています。
参考 介護職を人手不足なので辞めたい|確実に退職できる方法を大公開
円満退社するまでの流れ
- 【STEP1】辞めたい理由を整理する
- 【STEP2】直属の上司に相談
- 【STEP3】退職の申し出
- 【STEP4】「退職願」を提出する
- 【STEP5】引継ぎ
- 【STEP6】有給休暇を消化する
- 【STEP7】退職日・返却
【STEP1】辞めたい理由を整理する
自分がどの理由で辞めたいと思っているかを整理します。
- 勤務時間
- 給与額
- 人間関係など
辞めることでしか解決できない理由なのか考えて、誰かに相談できるような改善策があれば一度は試してみましょう。
相談できる先輩や上司、同僚が居ないのであれば辞める方向で、円満に退職できるよう準備に移ります。
【STEP2】直属の上司に相談
退職届はいきなり提出せず、自分のすぐ上の上司に退職したい旨を相談し、了解を得てからというのが一般的なマナーです。
その際ははっきりした理由と、希望する退職時期を伝えますが、曖昧な理由だと引き留められたり、その先に話が進まないこともあるので、相手も納得できるような退職理由であることと、単なる職場への不満や批判にならないよう注意します。
転職が理由なら「新たに挑戦したい」など前向きな決意を伝え、からだの負担や不調が理由なら念のため診断書を用意したり、病状の説明をできるようにしておきます。
【STEP3】退職の申し出
いつまでに退職届を出せば退職できるかですが、基本的に労働者がいつ退職するかは法律上は自由ということになっています。
ただ、民法の規定では雇用期間の定めのない雇用契約(一般的な正社員)の場合、労働者が退職を申し出てから2週間を経過すれば労働契約は終了するとされてます。
(就業規則で退職の申し出時期について規定がある場合でも、法律が優先されるので、最低2週間前に申し出れば退職が可能です)
円満に退職を望むのであれば、一般的に退職希望日の1~3か月前くらいに意思表示をすることで雇用側にも新たな人員を雇用したり引継ぎの時間も取れるので退職しやすくなります。
引継ぎに必要な期間などを先に上司と話し合い、なるべく職場に無理がかからない退職時期を決定して、それに合わせて退職願を提出します。
【STEP4】「退職願」を提出する
上司に了承してもらったら、退職願を退職申し出の期限内に会社に提出します。
「退職願」「退職届」「辞表」はそれぞれ異なります。
退職願 | 退職する意思表示を会社にお願いするための書類になります。 口頭で伝えることもできますが、書面にして提出するのが一般的です。 |
退職届 | 退職日が決定したあとで退職を会社に対して届け出るための書類になります。 民法627条の規定により、退職を申し入れてから2週間の期間を置くことで 会社の承諾に関係なく辞めることができます。 一旦、提出すると本人が届を撤回したり会社側が断ることはできません。 |
辞表 | 雇用関係のない立場の者(社長や取締役、公務員など)が役職を辞めるための書類になります。 |
この場合は「申し出をして会社の承諾を得た上で退職する」意味を持つ「退職願」を用います。
退職願に記載する退職理由は、細かく説明する必要は無いので「このたび、一身上の都合により、勝手ながら〇年〇月〇日をもって、退職いたします」で問題ありません。
【STEP5】引継ぎ
直属の上司を通して退職届を提出し、受理されて退職日が決定したら、具体的な準備に入ります。
仕事の引継ぎに関しては、後任の人に業務の中で伝えていくか、まだ新しい職員が決まっていないなら、引き継ぐ必要のある業務やその詳細について書いておき、決まり次第渡せるようにしておくとスムーズでしょう。
【STEP6】有給休暇を消化する
会社の規定などにより、申し出から退職までの日数が思いのほか長くなってしまう場合があります。引継ぎに必要な日数は考慮するとしても、有給休暇が残っている場合は必ず消化するようにしましょう。
通常の労働者の付与日数 | |||||||
継続 勤務年数 |
6ヶ月 | 1年 6ヶ月 |
2年 6ヶ月 |
3年 6ヶ月 |
4年 6ヶ月 |
5年 6ヶ月 |
6年 6ヶ月以上 |
付与 日数 |
10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
勤続6か月以上の正社員と、パート・アルバイトなどでも6か月以上・週30時間以上勤務している労働者は、年間10日以上の有給休暇が与えられることになっていて、これ以下の勤務日数・時間の労働者も、労働日数に応じた有給休暇が与えられることになっています。
参考 有給休暇の仕組みとは
上司に有給休暇の取得申請をします。
【STEP7】退職日・返却
職場から貸与・支給されていたもので、返却の必要があるものは退職日までに返却し、退職後の失業保険の手続きなどに必要な証明書等も受け取れるように事務担当に確認しておきましょう。
・制服
・社員証
・健康保険証
・名刺
・社内業務データ・書類
・雇用保険被保険者証
・離職票
・退職証明書
・年金手帳
・健康保険資格喪失証明書
・源泉徴収票(後日郵送になる場合もあります)
退職させてもらえない場合の対処方法
上司から無理な引き止めに遭ったり、なかなかやめさせてくれないケースもあるかと思います。
そこで退職させてもらえない場合の最終手段としていくつかの対処方法をご紹介します。
【方法1】労働基準監督署に相談する
労働基準監督署は労働基準との遵守において各企業を監督する機関になります。
労働基準監督署に相談できる内容は以下になります。
- 労働条件
労働時間、賃金、解雇、退職金など - 労災保険
業務中のケガ、通勤退勤時のケガなど - 安全衛生
労働災害防止、職業性疾病防止など
上記に違反している可能性がある会社には立ち入り調査が行われ厳しいチェックが入ります。その際、法令違反が見つかった会社は是正勧告(行政指導)を受けることになります。
参考 労働相談ほっとライン
【方法2】弁護士に相談する
弁護士に相談することで労働基準法や民法など退職に関わる法的なアドバイスを受けることができ、円滑に退職までのサポートをしてくれます。
弁護士に相談することで具体的には以下のことをしてくれます。
- 会社から損害賠償請求された時の交渉
- ハラスメントの慰謝料請求の交渉
- 未払い給与(残業代、退職金等)の支払い交渉
- 有給を取得させない場合の取得交渉
- 離職票、源泉徴収の交付交渉
一般的に弁護士に相談すると30分5,000円ほどかかりますが、国によって設立された法テラスでは無料相談が可能ですのでおすすめです。(着手金は別途必要になります。)
参考 法テラス
【方法3】退職代行サービスを利用する
退職代行サービスとは、退職の意思を上司や会社に伝えられない方の代わりに会社へ話をして、あなたが出勤することなく円満退職できるサービスです。
「このまま会社へ行かずに辞めたい」「上司に退職を言い出せない」など、円満かつ確実に会社を辞めることができます。
私のおすすめ退職代行サービスは「辞めるんです」です。他社との大きな違いは、料金が業界最安値の27,000円、さらに支払いは後払いOKで追加費用も無し。つまり料金はあなたが無事に退職できてからの支払いで良いため安心して任せることができます。また退職代行件数は7,000件以上、退職成功率は100%と豊富な実績があるので、利用者の満足度が非常に高いのが特徴です。相談は24時間365日LINEにていつでも受付中です。
「退職代行サービス辞めるんです」では以下のサポートを受けることができます。
- 業界最安値27,000円(税込)追加費用なし
- 料金は退職届が受理されてからの後払いでOK
- 24時間365日LINE、メール、電話にて無料相談
- 出勤することなく即日円満退職可能
- 会社と直接のやり取り一切不要
小規模多機能型居宅介護からのおすすめ転職先3選
しばらく頑張って勤めても「辞めたい」という気持ちが増してくるなど、本当に「合わない」と感じるなら思い切って転職した方がいい場合もあります。
小規模多機能を辞める人に向いている転職先は、以下のようなところがおすすめです。
おすすめ転職先①「デイサービス」
介護を通して利用者に生きがいや楽しみを提供したいと考えていた人におすすめの転職先はデイサービスです。
小規模多機能居宅介護では、通いの利用者の状況がそれぞれ違うので、みんなで一緒に同じレクリエーションを行うということが少なく、内容もデイサービス事業所の方がより本格的に機能回復や健康維持、利用者の生活の質を向上させるために、よく考え企画したレクリエーションを行うことができるからです。
小規模多機能型居宅介護で、その点を物足りなく感じていた人には、おすすめの転職先です。
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おすすめ転職先②「訪問介護」
ひとりひとりのニーズに合わせた介護を理想として、小規模多機能型居宅介護で働いたものの、考えていたものとは違った、と転職を考えている人には訪問介護がおすすめです。
小規模多機能型では、他の業務も多忙すぎて、思うように打ち込めなかった訪問の仕事も、その業務だけの訪問介護事業所で働くことで、集中してとりくむことができます。
また、小規模多機能型居宅介護では必要だった夜勤や夜間の訪問も、通常の訪問介護には無く日勤だけなので、時間も自由になりやすく、ライフスタイルに合わせた働き方も可能です。
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おすすめ転職先③「介護老人保健施設」
幅広いスキルを身につけることが目標なら、医師や看護師、など医療者とともに働く介護老人保健施設はおすすめの転職先です。 複数の職種の人とチームで働くことで広く知識やスキルを得られます。
老健は大規模な施設が多いので職員の数も多く、人員にもある程度余裕があり、夜勤ではひとりで利用者を見なければならない小規模施設よりも、精神的なプレッシャーが少ないでしょう。
また、医療者がいるので、入居者の体調不良や急変時にも対応をしてもらえるところも、安心して働けるメリットになっています。
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介護職から異業種転職におすすめの転職支援サービス
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おわりに
顔見知りの介護職員から必要な介護サービスを状況に応じて提供してもらえる、地域密着型の介護サービスとして生まれた小規模多機能型居宅介護は、利用者にとってはとても助かる介護サービスです。
しかし、職員にとって安心して勤務できる環境が整っている事業所は、まだ少ないようです。
同じ小規模多機能型居宅介護で条件が整った事業所があれば、職場を移るのもひとつの方法ですが、自分が介護職で目指しているもの、目標などを改めて考えてみて、より実現に近づける職種の事業所への転職のほうが、将来に役立つものになるでしょう。