これから介護業界へ就職転職を行いたいと思っている人たちにとっての最初の壁が履歴書の書き方になります。自分の経歴に自信が無い人でもこの部分の書き方次第で印象が大きく変化し、書類選考の可否が一気に変わります。
そこで今回は介護職へ転職するための志望動機の例文と絶対受かる履歴書の書き方についてご説明します。
履歴書を書く前に確認すること
書く前に準備するもの
履歴書を書く事前準備として、いくつかを用意しておく必要があります。用意するものは以下になりますので、必ず準備してください。アルバイトでなく就職転職する場合、これらは必ず必要となります。
履歴書
市販のA4またはB5を用意しましょう。パソコン作成する場合は、リサイクル用紙は避けて履歴書等印刷専用紙 で作成しましょう。市販のA4はコクヨの履歴書用紙
がおすすめです。
JIS規格履歴書様式:PDF版、Excel版
履歴書を入れる封筒
履歴書は折って入れてはNGですので長方形の長細い封筒は避け、必ず「白色の角2号または角形A4封筒」を用意しましょう。
職務経歴書
A4用紙を使いパソコンで作成しましょう。
職務経歴書の作成方法
送付状またはカバーレター
A4用紙で作成しましょう。
送付状:PDF版
クリアファイル
クリアファイルは2枚用意しましょう。1枚は履歴書などを挟み封筒に入れる用、こちらは郵送時に。もう1枚は手渡しする時に履歴書を入れる封筒を挟み、折れ曲がらないようにする用になります。
印鑑、朱肉、捺印マット
シャチハタでの押印は常識がないと思われますのでNGです。朱肉の滲みでシャチハタとバレますので重要書類は必ず認印(三文判)で押印しましょう。
ボールペン
用意するボールペンの太さは、見やすく力強く書くことができる「0.7mm」を選びましょう。インクは滲みにくく、耐水性があるゲルインクがおすすめです。
中でもゼブラ サラサクリップ 0.7mm は書き心地抜群で履歴書作成に適しています。
消える(フリクション)ボールペンは禁止です。熱に弱いため、文字が摩擦熱で消えてしまいます。履歴書を保管していたら字が消えてしまったということもあるようです。
証明写真
証明写真の裏には必ずフルネームで名前を縦書きで書きましょう。これは万が一、一気に複数の証明写真が剥がれた場合、誰の証明写真なのかわからなくなることを防ぐためです。
資格証明書またはそのコピー
正しい履歴書の書き方と注意点
履歴書は「手書き」と「パソコン作成」どちらがいい?
履歴書の手書きとパソコン作成は、必ずぶつかる疑問の1つとなりますが、これは就職転職する企業によって考え方がさまざまです。ポイントをまとめましたので参考にしてみてください。
手書き | パソコン | |
メリット | 熱意や誠実さを伝えれる 字の丁寧さをアピールできる | 字がきれいで読みやすい 作成時間が短い パソコンスキルを伝えれる |
デメリット | 字が汚いと読みづらい 作成時間が掛かる | 熱意が伝わりづらい 手書きが良い企業にはマイナス |
合っている例 | 学生の就職活動 パソコンを必要としていない企業 | パソコンを必要としている企業 IT企業などに就職転職する場合 |
介護業界は「手書き」が好ましい
介護業界の場合、仕事内容が介護業務だけであれば原則「手書き」が好ましいでしょう。しかし、介護業務のほかにデスクワークやパソコンにて記録作成業務を行うのであれば、パソコンスキルを証明できるため、パソコン作成の方が会社に与える印象は良いです。
ただ、手書きで書くことで丁寧さや誠実さを文字だけで伝えることができます。文字は性格を表すと言われているほど、心のこもった綺麗な字は好印象を与えますので、面接で緊張してあまり話せなかった時でも、丁寧で綺麗な字のおかげでカバーできる場合もあるほどです。
字が汚い人はそれだけで評価が下がってしまう恐れがあるので手書きとパソコンどちらを用いるか悩んでしまうでしょう。ですが、傾向としては手書きのほうが熱意は伝わりやすくプラスの印象を持たれることが多いので、仕事内容が介護業務のみであれば手書きにするようにしてください。
会社名や資格は正式名称で書く
履歴書関係の書類では、企業名や資格名称などを省略して書くことは悪い印象を与えてしまいますので注意が必要です。特に間違えやすいものを下記にまとめましたので気を付けましょう。
悪い書き方 | 正しい書き方 | |
会社名 | (株)介護の123 介護の123(福) | 株式会社介護の123 介護の123社会福祉法人 |
学校名 | 介護の123高校 | ○都立介護の123高等学校 |
資格 | ホームヘルパー2級 ホームヘルパー1級 ケアマネジャー | 介護職員初任者研修 実務者研修 介護支援専門員 |
有資格者であっても、表記をミスしてしまうと評価が下がってしまうこともあるので、必ず持っている資格の正式名称は確認するようにしてください。
もし、資格が無い場合で資格取得が決まっている場合は「○○取得に向けて勉強中」「3月○○取得予定」と記載することができるのでその際には正式名称できちんと書くようにしましょう。
間違っていることに気が付かないのが一番怖いので、書き終えた後は確認しましょう。
志望動機と自己PRの書き方
この部分の書き方が一番重要で最も自分をアピールできるポイントとなっています。履歴書はある程度決まった形があるので、慣れている人なら途中まですらすら書けると思いますが、そういう人でも一番詰まるのはここでしょう。例え本音が「他に仕事が無かった」というものであっても、そんなこと書けるわけがないですよね。
だからといって「将来性に惹かれた」とか「健康に自信があってヤル気は人一倍あります」とかもはっきり言って常套句になっていて、関心を全くひかないのでNGと言えるでしょう。薄い言葉やありきたりの言葉は相手にまったく伝わらないので、明確な意志を記載するようにしてくださいね。
志望動機には、「あなたがその介護事業者を選んだ理由はなにか、どんなところに魅力を感じたのか」などを書きましょう。また、新しい会社では、どんなことに挑戦していきたいのかなどの熱意を伝えることも大切です。気を付けなければいけないのは、前職の悪口や不満は避け、ポジティブで前向きな表現で書きようにしてください。
自己PRには、「あなたが今までどんなことを経験してきたのか、また経験やスキルをその介護事業者でどう活かしていきたいのか」などを書きましょう。自分の強みや魅力、転職先企業へのメリットなどをきちんとここで伝えてください。向上心や高い貢献度をアピールすることで強い武器になるでしょう。
前職では、医療事務でデスクワークを中心に、電話応対や事務処理を行っておりました。顧客との対応は迅速丁寧を心掛け、データ入力ではword、excelを使用し業務を行っておりましたので、パソコンには自信があります。ケアクラークの資格を活かしてスキルを向上させ、貴社に貢献していきたいです。介護職員をサポートして1日も早く貴社の即戦力になれるように成長していきたいと思います。
前職は保険の営業をしていてたくさんの人と関わってきました。お客様の希望に沿った商品提供を大切にし、笑顔と喜びにやりがいを感じております。人との会話には人一倍自信があり、その経験をより強く活かしたく、訪問介護にて利用者様やご家族様との関係構築が大切である仕事を選びました。自分を成長させながら、信頼される介護職員を目指したいと思います。
本人希望記入欄の書き方
本人希望欄は何でもかんでも書いていいわけではありません。本人希望欄は給料や勤務地を書く欄ではなく、やむを得ない事情がある場合や企業側が募集条件を複数出してある場合などのみ書くのが好ましいでしょう。
具体的にどういった場合書いたほうがいいのかまとめましたのでご覧ください。
- やむを得ない事情がある場合
勤務時間:同居中の祖父の介護があるため夜21時以降の勤務は難しいです - 企業側が複数の募集条件を出している場合
希望職種:デイサービス生活相談員を希望致します - 在職中の場合
現在在職中のため、下記時間帯は電話に出ることができません
連絡不可時間帯:火曜日〜木曜日9時〜18時
土曜日、日曜日15時以降
入社可能日:平成○年○月○日より就業可能となります - 学生の場合
現在学生のため、下記時間帯は連絡可能となっております。
連絡可能時間帯:平日16時以降
土曜日、日曜日は終日連絡可能となります - シフト勤務の場合
希望シフト:週○日可能となります
もし、書くことが特にない場合は、空白にせず「貴社の規定に従います」と書きましょう。ポイントとして、本人希望欄に書くことは8割程度までに抑えてください。あまり希望を多く書きすぎるとマイナスの印象を与えてしまいますので注意しましょう。
また、本人希望欄に書いたことをきちんと説明できるようにしておくことも大切です。
ミスしないための対処法
履歴書の手書き作成において、基本的に誤字脱字があった場合はそれだけで印象がマイナスになってしまうので書き直しとなるのですが、そこから修正液や修正テープを使っての書き直しも絶対にNGです。「常識がなく雑な人」と思われ必ず不採用になりますので注意してください。
また、二重線による訂正印もほぼNGですので、間違えた場合は、履歴書を惜しまず書き直しましょう。消えるインクのフリクションボールペンも摩擦熱で消えるため、おすすめしません。
履歴書はミスしてはいけないものになるので、非常に緊張するものです。そのため履歴書終盤の志望動機などでミスしてしまった時の絶望感は結構すごいです。何度もミスしてしまうと用紙もなくなってしまいますし「やる気」が低下して最悪書くということを面倒に思ってしまうかもしれません。
そこで、間違えないために、確実に書く方法が「鉛筆やシャープペンによる下書き」です。薄く下書きをしておき、上からボールペンで書きます。時間を置いてから消しゴムでゆっくり軽く丁寧に消すことで、ミスのない完璧な履歴書が出来上がります。
郵送する封筒の書き方と注意点
履歴書は書き終わって終了ではなく、送付が終わって終了となるのでその部分も注意が必要です。郵送するときに使うのは白色のビジネス用封筒がいいでしょう。書類を折りたたまないで済むようにA4サイズのものを用意してください。
また、履歴書以外にも職務経歴書が必要なケースがほとんどで書類が複数枚になるのが基本なので、クリアファイルに入れてから封筒に入れて送るようにしましょう。
郵送する書類の書き方は以下になります。
封筒の表面の書き方
- 住所
番地等は「-」ハイフンで略さず、〇番地〇号と書きましょう。 - 宛名
社名は(株)と訳してしまうのはNGですので、必ず正式名称で書きましょう。また、「御中」と「様」は併用禁止ですので、宛名が社名の場合は「御中」、個人の場合は「様」を記入します。
例)「社会福祉法人 御中」、「人事部 〇〇様」 - 履歴書在中
封筒の左下に赤ボールペンで「履歴書在中」と記入し、文字を四角で囲みましょう。この時、必ず定規を使用し丁寧に線を引きます。
封筒の裏面の書き方
- 自分の住所
封筒の左下に自分の郵便番号、住所、名前を記入しましょう。 - 日付
封筒の左上に郵送する日付を縦書きで記入します。 - 封をする
履歴書書類を全て封筒に入れたら、糊付けをして封をします。封をした境目に「〆」マークを必ず書いてください。
郵送する際の注意点として、自分で切手を貼ってポスト投函するのはNGです。必ず郵便局窓口にて重量を量ってもらい郵送してください。自分でポスト投函した場合、万が一、郵送料金不足で返送され期日に間に合わない、または受け取った会社側が不足料金分を立て替えなければいけなくなります。
どちらにしても不採用になる可能性大ですので、必ず履歴書は郵便局窓口にて提出してください。
おわりに
履歴書は会社側があなたに会いたいと思うかどうかの重要な書類になります。履歴書の内容が企業にとって採用したいと思えるものでないと面接までいくのが困難になります。そのため、必要な物をきちんと用意してミスがないように下書きし作成しましょう。また、履歴書を郵送する場合は、書いた内容を忘れないようにコピーして控えを取っておきましょう。あとは無事に書類選考が通過できるように祈り、面接に備えて練習をしましょう。