特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設・特養)とは|サービス内容・メリット・デメリットを解説

介護の123編集部
介護の123編集部

特別養護老人ホーム(特養)に入所したいけどどんな施設なのかな?料金は高いのかな?どうやって選べばいいのだろう?どんな人が入れるのだろう?など、この記事を読めば全て解消できます。

ここでは、特別養護老人ホーム(特養)のサービス内容、料金・費用、入居条件、1日の流れ、メリット・デメリット、利用方法・選び方、についてご説明します。

目次(読みたい所をタップ)
  1. 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)とは
    1. 介護サービスを受けながら終身で利用できる
    2. 居室のタイプ
  2. 事業所数
  3. 利用者数
  4. 提供されるサービス内容
    1. 健康管理
    2. リハビリテーション
    3. 食事
    4. 入浴
    5. 排せつ
    6. 掃除・洗濯・買い物など
    7. レクリエーション
    8. 看取り
  5. 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)にかかる料金・費用
  6. 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の一日の流れ
  7. 特別養護老人ホームのメリット
    1. 【メリット1】安い費用で入所することが出来る
    2. 【メリット2】終の棲家として、亡くなるまで入所可能
    3. 【メリット3】24時間の介護を受けることが可能
    4. 【メリット4】刺激のある生活を送ることが出来る
  8. 特別養護老人ホームのデメリット
    1. 【デメリット1】入所までに時間がかかる場合が多い
    2. 【デメリット2】一度入所したら他の特養への移動が難しい
    3. 【デメリット3】医療体制が脆弱
    4. 【デメリット4】集団生活によるストレス
    5. 【デメリット5】決められたタイムスケジュールでの生活
  9. 人員の配置基準
  10. 設備基準
  11. 特別養護老人ホームの利用方法
    1. ①問い合わせ・相談
    2. ②見学・説明・申し込み
    3. ③必要書類の準備
    4. ④面談
    5. ⑤審査・判定
    6. ⑥契約
  12. 特別養護老人ホームの選び方
    1. ①複数の事業所を比較・検討する
    2. ②サービス提供者の対応・知識を確認する
    3. ③契約内容を確認する
  13. 特別養護老人ホームのQ&A
    1. Q1. 退去になるケースとは?
    2. Q2. 「広域型特別養護老人ホーム」と「地域密着型特別養護老人ホーム」の違いとは?
    3. Q3. サテライト型居住施設(サテライト型特養)とは?
    4. Q4. 「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」と「介護老人保健施設」の違いとは?
  14. おわりに
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特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)とは

介護サービスを受けながら終身で利用できる

特別養護老人ホーム、通称(特養、介護老人福祉施設)と呼ばれており、「社会福祉法人」が運営しています。

  • 特別養護老人ホーム(特養)・・・「老人福祉法」で定められた名称
  • 介護老人福祉施設・・・・「介護保険法」で定められた名称

介護保険を利用して常時介護が必要で自宅では介護が困難な方が、24時間の介護を受けながら生活を送ることができる施設となっています。

入所にあたっては、原則要介護3以上が必要となっており、多くの方が入所を待っています。

入所期限に制限はなく、お亡くなりになるまで若しくは亡くなる直前まで入所することが可能であり、「終の棲家」と呼ばれることもある施設です。

ただし、老人福祉法における特別養護老人ホームの基本方針には、

特別養護老人ホームは、入所者の処遇に関する計画に基づき、可能な限り、居宅における生活への復帰を念頭に置いて、入浴、排せつ、食事等の介護、相談及び援助、社会生活上の便宜の供与その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことにより、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることを目指すものでなければならない。

と定められており、本来は在宅に戻れるようなケアを行うことが役割とされています。しかし、現実的には在宅に戻れるケースは非常に限られているので、終身で利用できる施設と解されます。

居室のタイプ

特別養護老人ホームの居室(部屋)は幾つかのタイプがあり大きくは、

  • 従来型
  • ユニット型

に分けられます。

【タイプ1】従来型施設

個室、もしくは多床室(大部屋)の部屋があり、食堂やリビングなどの共有部分を大人数で使用する施設の作りになっています。従来型施設は大人数の要介護者を大勢の職員がケアする介護手法です。

 従来型個室従来型多床室
特徴1名のみの個室大部屋
2名~4名で利用する居室
料金1,150円/日
(30日=34,500円)
840円/日
(30日=25,200円)

【タイプ2】ユニット型施設

ユニットケアと言われる介護手法でケアをするために、10人程度の小集団をグループに、馴染みの職員による介護が行われます。プライバシーに配慮した完全個室の部屋を10室以下ごとに区画した施設の作りとなっています。
自宅に近い環境で、よりきめ細かな介護が行いやすいと言われます。

 ユニット
型個室
ユニット型
個室的多床室
特徴共用スペースの
周りに個室がある
大部屋の各ベッドを
仕切りで区切り
個室化したもの
料金1,970円/日
(30日=59,100円)
1,640円/日
(30日=49,200円)
所得や資産により「負担限度額認定証」を交付された場合は食費や居住費が軽減される場合があります。
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事業所数

特別養護老人ホームの事業所数

特別養護老人ホームの事業所数は、2000年では4,463施設、2008年には6,289施設、2016年で9,645施設が指定を受けており、16年ほどで施設数が倍増していることがわかります。

参考 厚生労働省(介護老人福祉施設)

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利用者数

特別養護老人ホームの定員数

事業所数の増加に伴い、施設の定員数も増加しています。2000年では298,912床、2008年には431,100床、2016年で578,900床と16年間で約2倍のベッド数が整い、施設系サービスとして最も多い定員数となっています。

特別養護老人ホームの利用者数

実際に、特別養護老人ホームで介護を受けている人数については平成29年3月の一月で約57.7万人と定員数と比較してほぼ差が見られないことから、ほとんどの施設で満床に近いことが伺われます。

参考 厚生労働省(介護老人福祉施設)

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提供されるサービス内容

健康管理

特別養護老人ホームには非常勤医師が配置されており、日常生活上の健康管理は医師や施設の看護職員を中心に行われます。施設で対応できない場合は、協力病院などに受診や入院をすることになります。

施設によっては以下の症状にある場合など、医療依存度(医療が必要な度合い)が高いと入所の対応が出来ない場合もあります。

  • 経管栄養、胃ろう
  • 人工透析
  • 血糖コントロール(インシュリン注射)
  • 在宅酸素
  • 喀痰吸引 など

高齢者は抵抗力が弱く感染症に罹った場合に重篤化するため、多くの施設で日常生活上の健康管理として、感染症予防(ノロウイルスやインフルエンザなど)に取り組んでいます。

リハビリテーション

特別養護老人ホームには、機能訓練指導員という名称でリハビリを担当する職員を配置する必要があります。

特別養護老人ホームでのリハビリテーションは、日常生活動作の継続や、社会参加が継続できるような取組みなど生活機能の維持・向上が主な役割です。

最近では、理学療法士作業療法士言語聴覚士などのリハビリ専門の国家資格を持つ職員を配置するケースも多く見られます。

専門職が介入することで、より専門的な視点から日常の介護に活かすアドバイスが出来るメリットがあります

食事

栄養管理された食事が、身体の状態に合わせて提供されます。特別養護老人ホームには、栄養士の配置も必要となっており、一人ひとりに合わせた食事の提供が原則です。特に、抵抗力が落ちている高齢者は感染症予防も重要で、食中毒等には最善の注意が払われています。

また、ユニット型特別養護老人ホームには、各ユニットに簡易なキッチンなども設置され、入所者が簡単な調理(お米を研ぐことや野菜の皮むき)、盛り付け、配膳、下膳をすることが可能です。

入浴

特別養護老人ホームでは、週2回以上の入浴が定められています

施設によっては、

  • 「一般浴(個人浴槽)」家庭の雰囲気に近い
  • 「特殊浴槽・機械浴槽」寝たきり・車椅子のまま入浴可能

など、どのような方でも入浴できるように数パターンの浴室を用意していることが一般的です。

お風呂は高齢者の楽しみの一つで、職員が介助して安全に入ってもらえるように取組みます。脱衣の際は、身体の観察の機会としても有効ですので、入浴が出来ない時は温かいタオルで清拭をして身体の清潔を保つようにします。

排せつ

排せつケアは介護の基本となります。「尊厳を大切にするケア」を基本としてプライバシーに配慮し、利用者の状態に合わせて、トイレやポータブルトイレでの介助、オムツ交換などを行います。

時間を決めたトイレ誘導を施設計画に盛り込むなど、出来る限り自らの力で排せつ動作を継続できるように取組みや、リハビリ中に移乗動作の訓練やオムツ交換の動作訓練など取り組まれています。

最近では、介護用オムツのセンサーなどで、排尿があった場合に職員へ通知が行く機械などを導入する施設も増えています。

掃除・洗濯・買い物など

掃除

原則職員(もしくは施設が頼む委託業者)が行いますが、元気な入所者の方と一緒に掃除をする場合もあります

洗濯

通常の洗濯は利用料金の中に含まれますが、特別な洗濯(施設内で洗濯が出来ないもの)は実費で外部の洗濯業者に出すことになります。

買い物

施設によっては対応して貰うことが可能な場合もあります。金銭管理なども同様で、対応が可能な施設もありますし、トラブル防止の観点から対応を断る施設もあります。

レクリエーション

特別養護老人ホームで行うレクリエーションは、リハビリの一環や余暇の目的で行われます。

おもに、誕生日会や夏祭り会などのイベント、ボランティア団体や近隣の保育園や幼稚園の園児による慰問を受け入れたりもします。

その他には、季節ごとに工夫を凝らした飾りつけなど普段なかなか外出する機会が少ない入所者の為に、季節を感じられる工夫をする施設もあります。

また、多くの特別養護老人ホームは、「社会福祉法人」という法人が運営しており、公益性の高い事業を行う代わりに非課税という優遇があります。その為、地域貢献を義務付けられており「入所者と地域との交流」などに力を入れる施設もあります。

看取り

特別養護老人ホームは、終の棲家として70%以上の施設で看取りを行っています。また、入所者のご家族のうち約半数は施設での看取りを希望しているというデータもあります。

家族が希望する看取り場所

住み慣れた施設で、馴染みの職員と最期を迎える看取りは、職員だけでなく家族の理解や協力も不可欠になります。

多くの施設では、入所時に「終末期の意向」を聞かれると思います。トラブルを防ぐ意味でも、はっきりとした終末期の意向を伝えることが重要です。

参考 厚生労働省(看取り参考資料)

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介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)にかかる料金・費用

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の人気の一つの理由として、「料金が安いこと」が挙げられます。相場としては、所得や資産にもよりますが、月額8万円~15万円ほどです。

在宅生活を送る場合には、食事代や部屋代そして介護費用を含めてその金額で賄うことは非常に難しいと思います。金額が安い点も特別養護老人ホームが人気となっている理由の一つと言われています。

介護施設の利用には、一般的に以下の費用が必要となります。

  • 月額利用料
    ・居住費(家賃)
    ・食費
    ・介護サービス費
    ・その他の費用(介護保険外)

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の一日の流れ

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)では、集団生活の中で介護を受けながら日々の生活を送ります。施設により異なりますが代表的な一日の流れの例を見ていきます。

介護付き有料老人ホームの一日の流れ
  • 6:00
    起床・着替え・トイレ誘導・血圧測定や検温などの体調管理
  • 8:00
    朝食・服薬管理・口腔ケア
    食堂に集まり配膳を待ちます、ユニット型施設では配膳を手伝ったりもします。
  • 9:30
    入浴・機能訓練・レクリエーション
    週に2回以上の入浴が行われます。順番にリハビリテーションを行ったりもします。
  • 12:00
    昼食・服薬管理・口腔ケア
  • 13:30
    レクリエーション・作業療法
  • 15:00
    おやつ
    ご家族が面会に来られて歓談したりする時間になることもあります。
  • 18:00
    夕食・服薬管理・口腔ケア・トイレ誘導
  • 19:00
    着替え
    居室でのんびりしたりテレビを見たり自由に過ごします。
  • 21:00
    就寝
  • 就寝~朝方
    就寝
    夜間帯にも職員による見守りやオムツ交換が行われます。

特別養護老人ホームでは、24時間職員による介護を受けながら、集団生活による他者からの刺激や栄養管理された食事、快適な室温など、自宅での生活とは異なった規則正しい生活で安心した生活を送ることが出来ます。

特別養護老人ホームのメリット

【メリット1】安い費用で入所することが出来る

特別養護老人ホームが支持される大きな理由として、利用料金が安い事が挙げられます。

施設サービスは、介護保険の利用について「利用限度額(利用できる金額の枠)」や「自費請求」という概念がないため、自己負担額が決められた金額以上になることがありません

特に、所得や資産によって食費や居住費の減免(料金の免除)を受けることが出来るのは、「介護保険施設」と呼ばれる

  • 特別養護老人ホーム(特養)
  • 介護老人保健施設(老健)
  • 介護療養型医療施設(療養病床)
  • 介護医療院

の特徴です。

さらに、特別養護老人ホームは社会福祉法人と呼ばれる法人が運営しているケースが多いため、低所得で生計が困難な方は「社会福祉法人等よる利用者負担軽減制度」が受けられる場合があり、より安価となる事もあります

【メリット2】終の棲家として、亡くなるまで入所可能

特別養護老人ホームの多くは看取りまで対応が可能です。

他の施設では、介護度の変化や状態の変化で「次の施設を探さなくてはいけない」ということが起こりますが、特別養護老人ホームにはそのような心配はほとんどありません。

【メリット3】24時間の介護を受けることが可能

特別養護老人ホームでは、24時間職員が常駐して介護を受けることが可能です。

在宅生活では、どうしても高齢者が一人になる時間が出来てしまいますが、入所系の施設では常時目の届く場所に職員がおり、異常時も迅速に駆けつけることが可能です。

【メリット4】刺激のある生活を送ることが出来る

特別養護老人ホームでは、集団生活で介護を受けることになるので周りからの刺激を受けて生活を送ります。

生活のメリハリも出来ることから、認知症の進行予防や役割が生きがいに繋がるなど集団生活ならではのメリットがあります。

特別養護老人ホームのデメリット

【デメリット1】入所までに時間がかかる場合が多い

一番のデメリットは、「入ることが難しい」点です。以前と比較して、施設数も増えていることから緊急度が高い方は入所までの期間が短くなっていると言われますが、まだまだ地域によっては数年待ちという場合もあり、「利用したい時に利用が出来ない」という状態にあります。

 

 要介護3要介護4要介護5合計
在宅56,75040,35626,118123,224
在宅ではない58,52063,30250,191172,013
全体115,270103,65876,309295,237

2016年の全国の待機者数を見ると295,237人の方が入所を待っていることがわかります。

参考 厚生労働省(特別養護老人ホームの入所申込者の状況)

【デメリット2】一度入所したら他の特養への移動が難しい

特別養護老人ホームの入所は、「入所の緊急度(どれだけ必要か)」で決まります。一度、特別養護老人ホームに入所してしまうと「他に移動する緊急度」は低くなるので、他の特別養護老人ホームへの移動は極めて難しいのが実情です。

【デメリット3】医療体制が脆弱

特別養護老人ホームには、常勤の医師や24時間の看護体制が整っていない場合が大半です。入所後に、その施設で対応が難しい状態となった場合に、退所して他の施設を探さなくてはいけない場合もあります。

【デメリット4】集団生活によるストレス

特別養護老人ホームは、大人数での集団生活が基本となります。在宅生活のように、自由な生活スタイルを送ることは難しい場合があります。

特にお元気な入所者の場合は、生活にストレスを感じてしまう場合もあるかもしれません。

【デメリット5】決められたタイムスケジュールでの生活

特別養護老人ホームは、入所者本位のケアを行うことが原則ですが、一方で職員の予定でタイムスケジュールが組まれてしまう面は否定できません。

例えば「お風呂は寝る前に入りたい!」と言った場合に、可能な限り配慮はしてくれたとしても、職員が手薄な時間帯での対応はどうしても出来ません。そのような施設のタイムスケジュールが苦痛に感じる可能性があります。

人員の配置基準

介護保険の指定を受けるためには、利用者数(定員数)に対して一定の職員配置(人数や役割を担う職種)が義務付けられています。基本的には、営業している施設はそれらを満たしていると考えられます。

基準以上の人数を手厚く配置しているかどうかは施設により異なります。具体的に必要な人数や役割は以下の通りです。

施設長

1人

施設の管理や運営を行う責任者で、常勤での配置が必要です。

医師

適当数(非常勤可)

健康管理及び療養上の指導を行います。常勤で配置されている場合と、非常勤で配置されている場合があります。定期的に来る場合と、不定期で来る場合があり医師と施設の間で決められますが、緊急時は対応することが定められています。

介護・看護職

入所者の数3名又はその端数を増すごとに1人以上

介護職は、入所者の日常生活上のお世話を行います。特別養護老人ホームの職員の中では最もたくさんの人数となり、入所者の生活を支えます。

看護職は、入所者の健康管理や医療的なケアを行うことが役割です。入所者30名未満では1人以上、30名以上50名未満では2人以上、50名以上130名未満では3人以上、130名以上の場合は50名ごとに1人以上の配置が必要と、細かく定められています。

生活相談員

100名ごとに1人

入所者や家族に対し、相談に乗ることや連絡調整をする業務を担います。また、外部のケアマネジャーとの連携や入所申込の窓口になることもあり、施設の顔として活躍する職種です。
社会福祉主事任用資格や社会福祉士の資格が必要とされており、専門的に福祉を学んできています。

介護支援専門員(ケアマネジャー)

100名ごとに1人

入所者の方がどのような生活を送るかを決めるケアプランを作成する事が役割です。入所者本人やご家族の意向、他の職種との連携の上でプランを作成するまとめ役です。

機能訓練指導員

1人以上(兼務可能)

日常生活を営むのに必要な機能の改善、減退を防止するための訓練を行う役割です。

機能訓練指導員という資格がある訳ではなく、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師・准看護・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師(一定の実務経験が必要)の資格を持った職員が担当します。

栄養士

1人以上

入所者の栄養管理を行う役割です。他の職種との連携で、食事の観察や入所者の嗜好などを評価し適切な栄養管理を行います。

調理員、事務員等

必要数

入所者の生活や施設運営を間接的に支える役割で、必要数の配置が必要です。

設備基準

特別養護老人ホームでは、施設の面積や設備についても厳密に定められています。

特に建物の作りについては、日照や採光、換気など入所者が快適に過ごせるようにすることや、身体の不自由な方が多い事から防災やバリアフリーに配慮した造りにすることが求められます。

その他に、以下の設備等が必要です。

居室

4名以下の定員の居室が必要で、一人あたり床面積10.65㎡以上

浴室

介護を必要とする入所者が入浴するのに適したもの

トイレ

介護を必要とする入所者が利用するのに適しており、各階に必要

食堂及び機能訓練室

入所者一人あたり床面積3.0㎡以上

医務室

医療法に規定する診療所とすること

廊下幅

原則1.8m以上、手すりを設けること

その他

ナースコールや常夜灯を設けること

特別養護老人ホームの利用方法

介護保険のサービスを利用するには、利用者(入所者)と施設との契約があって初めて利用することが出来ます。入所するまでには、どのような手続きがあるのかを見ていきます。

①問い合わせ・相談

まずは入所を希望する施設を選択することから始まります。

短期入所生活介護では、施設により利用料金・費用、職員の体制など様々です。

無料で利用できる「老人ホーム検索サイト」を使い希望するエリアなどから、複数の老人ホームを選びで資料を送ってもらいましょう。

その中で、金銭的に問題がないか、希望するサービスが整っているかなどを相談して確認することが重要です。

 

②見学・説明・申し込み

実際に、入所を希望する施設を決めて見学を申し込みます。入所を希望するご本人だけでなく、ご家族も一緒に見学に行き、大勢の目で見てみることも重要です。

施設の雰囲気や入所者や職員の表情など、目で見てみないとわからないことも多くあります。

その際、

  • 職員体制
  • 入所の待ち期間の目安(待機状況)
  • 医療体制や協力病院
  • 利用料金の目安

など入所後に直接入所者の処遇に関わってくる部分は十分に納得するまで聞いた方がよいでしょう。

利用料金については、「従来型施設」と「ユニット型施設」、「個室」と「多床室」で大きく費用が変わります。そこで納得したうえで、申し込みをします。

 

③必要書類の準備

施設により、必要書類は変わりますが多くの場合、以下の書類の写しの提出が必要となります。

身体状況が
分かる書類
・健康診断書
・診療情報提供書
介護保険の情報が
確認できる書類
・介護保険被保険者証
・負担割合証
・負担限度額認定証

「健康診断書」や「診療情報提供書」は、主治医に依頼することが一般的で、数日から数週間の時間がかかる場合がありますので、必要になりそうな場合は早めに依頼をしておくことが必要です。

 

④面談

入所の順番が近づいてくると、施設の職員が入所希望者に面談をします。入院中であれば病院へ、ショートステイなど他のサービスを利用中であれば施設まで来て面談を行います。

本人の状態の確認や、集団生活が可能かどうかなど実際に会ってみなければ分からない状態の観察を行います。

 

⑤審査・判定

提出された書類や面談の結果を元に、施設の職員が入所希望者の中から次の入所者を決める会議を行います。原則として、特別養護老人ホームは緊急度が高い方(一人暮らし、認知症が強いなど)を優先的に入所させるように決められています。

 

⑥契約

入所を判定する会議を終えて入所が決まれば、次に空きベッドが出た段階で入所となります。入所の際には契約を結び、「入所契約書」や「重要事項説明書」の説明を受けて署名捺印を行います。

契約書類は非常に小さな文字で書かれていることが多いため、不明な点は予め施設の担当者に確認をすることをお勧めします。

特に、利用料金や終末期の対応についてはトラブルになる可能性が大きいため納得してから契約をするようにしてください。

特別養護老人ホームの選び方

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)を選ぶには、どのようなポイントがあるのかを見ていきます。
人生の終末期を過ごす特別養護老人ホームでは、後悔しない施設選びに気を付けたいものです。

①複数の事業所を比較・検討する

特別養護老人ホームは一度入所してしまうと、他の施設へ移動することは難しくなります。複数の施設を比較するために老人ホーム検索サイトの利用をおすすめします。

当サイトが厳選した利用満足度の高い老人ホーム検索サイトをまとめましたので参考にしていただければ幸いです。

②サービス提供者の対応・知識を確認する

介護は、人間が人間に対しケアを提供するものです。入所をする前には、見学などで施設の雰囲気や入所者の表情などを確認することが重要です。職員の挨拶や対応方法についても、施設の印象を決める上で重要なポイントになります。

また、職員それぞれ職種や役割、知識、経験が異なりますので、全てを把握できていない場合でもおかしなことではありません。

例えば、利用料金などについて現場の介護士に質問をしても明確な答えが無いかもしれませんがそれはおかしなことではありません。

分からないことに不信感を持つよりは、わからない場合にどのような対応(例えば上司や他職種に確認するなど)をして貰えるかが重要なポイントです。

③契約内容を確認する

介護施設の利用は、施設と入所者との契約のうえに成り立ちます。家族や親せきなど複数の方が立会い、可能な限り疑問点を解消してから契約を結ぶのがよいでしょう。

契約を結んで、施設へ入所してからがようやく施設での生活のスタートになります。

介護サービスで不明な点があれば、施設に確認することはもちろん、地域包括支援センターや市区町村の介護保険を管轄する部署に聞く事も可能です。

特別養護老人ホームのQ&A

Q1. 退去になるケースとは?

特別養護老人ホームは「終の棲家」と言われるように、通常はお亡くなりになるまで利用することが可能ですが、場合により退去しなければいけないケースもあります。施設によっても異なりますが、代表的なケースを見ていきます。

①要介護度が軽くなり入所の継続が出来なくなる

特養へ入所するためには、原則要介護3以上と決められています。要介護度の改善は良いことですが、せっかく入所した特養の、入所継続が出来ないという面では困る可能性があります。

②利用料金の滞納がある

介護施設はボランティアではありませんので、施設と入所者の契約に基づいてサービスが提供されます。通常、入所時の契約書や重要事項説明書で利用料金の支払い方法・納入期限を取り決めます。

また、滞納があった場合の退去についても取り決められていることが一般的です。もちろん、「一日遅れたから明日退所してください」と言うケースはないとは思いますが、督促があっても支払がない場合は退去を迫られる可能性があります。

③医療依存度が高くなり施設で対応が難しい場合

特養は医療機関ではありませんので、医療依存度(医療的な対応)が高くなった場合に施設での介護が難しくなる場合があります。その場合は、然るべき医療機関への転院などが必要となり退去をしなくてはいけません。

④入院が長期化する場合

体調を崩し長期間の入院が必要となった場合は退去となる場合があります。一般的には、入院から3ヶ月程度はベッドを空けて待つようにする場合がほとんどですが、その場合でも部屋代を負担しなくてはいけません。

入院費にプラスして部屋代を負担することが難しい場合は、退所することになります。施設により決まりが違う場合もありますので、予め確認することが必要です。

⑤暴力行為など集団生活が難しい場合

特養など介護施設は、自宅とは異なり集団生活です。他の利用者や職員への暴力行為などで集団生活が難しいと判断された場合は、退去をしなくてはいけない事があります。ただし、認知症などの疾患が原因で一時的な問題行動の場合は、即座に退去を迫られるケースは稀です。

その他にも、当然ですがお亡くなりなられた場合や他の施設へ入所が決まった場合等も、退去となり、施設によりその他の条件がある場合もあります。一般的には、退所になる場合でも「施設は退所に向けた援助を行うこと」と決められています。契約書や重要事項説明書に記載されている場合が多いので、確認をしてください。

Q2. 「広域型特別養護老人ホーム」と「地域密着型特別養護老人ホーム」の違いとは?

特別養護老人ホームは、大きく分けると以下の2種類に分けられます。

  • 広域型特別養護老人ホーム
  • 地域密着型特別養護老人ホーム

入所できる要介護度や受けられるサービスには大きな違いはありませんが、異なる点は以下になります。

 広域型 地域密着型
施設の規模30床以上29床以下
入所の対象者どこに住んでいる方
でも入所可能
原則として施設がある
市町村に住民票がある方
利用料金少し低い普通
地域密着型サービスとは
介護の必要な高齢者が住み慣れた地域で生活を継続できるように、小規模で地域に展開する為に創設された制度で、地域密着型特別養護老人ホーム以外にもグループホームや小規模多機能型居宅介護など複数のサービスがあります。

 

Q3. サテライト型居住施設(サテライト型特養)とは?

サテライト型特養とは、地域密着型特別養護老人ホームの一つです。

広域型特別養護老人ホームを本体施設とする場合、本体施設から概ね20分以内で移動できる場所に設置され、料金は地域密着型特養と同額になります。

サテライト型特養は、通常の特養とは職員数の配置や設備の基準が異なり、職員数については「密接な連携が取れる事」を条件として職員数が少なくなっており、医務室などの設備も不要と簡素化されています。

Q4. 「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」と「介護老人保健施設」の違いとは?

「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」と「介護老人保健施設」は、どちらも「介護保険施設」と呼ばれる、介護保険を利用して入所する施設です。

特別養護老人ホームは「特養(とくよう)」、介護老人保健施設は「老健(ろうけん)」と呼ばれ、その役割や入所のための条件、基準や費用などが異なります。主な違いについてご紹介します。

 

 特別養護老人ホーム介護老人保健施設
役割自宅での介護が困難で
常時介護が必要な方が
入所し生活をする施設
入所者にリハビリや
日常生活上の介護看護を
提供し、在宅復帰を
目指す施設
入居条件原則として要介護3~5の方要介護1~5の方
基準老健よりも広い面積が必要とされる。
(居室面積10.65㎡・老健は8㎡以上)
常勤の医師やリハビリ専門職
が配置されている
(特養は非常勤で可能)
入居期間終身での利用が可能原則3ヶ月ごとに退所が
可能かどうかを多職種で
判断し、退所が可能と
判断されれば退所となる
利用料金月額8~13万円程度
(施設・所得・資産で異なる) 
月額8~15万円程度
(施設・所得・資産で異なる) 
医療費
薬代
別途医療保険を
利用して支払う
利用料の中に含まれる
入所までの
条件
地域によっては入所までに
数年以上掛かる場合もある
原則として入所の必要度が
高い方を優先的に入所させる
特養より入所者の出入りが多く
待機期間は短い場合が多い
原則として在宅復帰が可能な
方を対象として入所させる

費用面については要介護度や部屋の違い(個室・多床室(大部屋))等により、同じ特養・老健であっても施設によって異なります。

また、入所の対象についても施設の考え方によって異なる場合がありますので、施設を検討する際に介護支援専門員や施設の担当者に確認をすることが必要です。

おわりに

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の基準や費用、メリット・デメリット、利用までの流れについて見てきました。介護保険サービスは、新しい名称のサービスが増えたり、制度が複雑化したりと段々と専門性が高くなっています。
介護が必要な生活は、誰にでも訪れる可能性があり、特別養護老人ホームは誰もが人生の終末期でお世話になるかもしれない施設です。ここまでの内容で、「特別養護老人ホームとはどのようなものか」を参考にしてください。

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