ヤマブシタケ(山伏茸)の効果・効能|軽度記憶障害の改善作用が期待

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ヤマブシタケ(山伏茸)とは

ヤマブシタケ(山伏茸/Hericium erinaceum)は、サンゴハリタケ科サンゴハリタケ属の食用きのこで、ミズナラやブナの枯れた幹や倒木、高い梢などに生えます。

通常のきのこのようなカサが無く、白く球状の全面から糸状のものが伸びているフサフサした外観が、山伏(ヤマブシ)の装束についている梵天(丸い房状の飾り)に似ていることから、ヤマブシタケと呼ばれるようになりました。英語ではLion’s Mane(ライオンのたてがみ)とも呼ばれます。

分布地は中国、ヨーロッパ、北アフリカ、北アメリカと広く、日本でも山林で自生します。薄いピンクがかった色から、成長すると白色になりその後茶色に変わりますが、栽培する場合は食感も見た目も良い白い段階で収穫され、汁物や和え物に用いられます。

日本国内では長野県や北海道などで菌床栽培が行われ、40日ほどの栽培期間で収穫されます。

ヤマブシタケの歴史

天然物のヤマブシタケは珍しく、中国ではフカヒレ・熊の手・ナマコとともに「四大珍味」の1つで宮廷料理の食材として珍重され、幻のキノコとも呼ばれています。

乾燥させたヤマブシタケはその外観から、テナガザルの頭を意味する猴頭(ほうとう)または猴頭菇(ほうとうこ=菇はきのこの意)として漢方の生薬に用いられます

約400年前の中国の古書「農政全書」にその名が出てくることから、古くから民間薬として使用されてきたようですが、その薬効について紹介されたのは近代に入ってからで、身体虚弱などに効果的で五臓の働きを良くする薬用きのことして、1970年代後半に出版された「中国薬用真菌」や、1990年代に出された中国全土の薬草に関する調査書「新華本草網要」などにも詳しく紹介されています。

ヤマブシタケに含まれる栄養素

ヤマブシタケの主成分はおもに糖質・たんぱく質・脂質などで、カルシウム・カリウム・ナトリウム・鉄・マグネシウム・リンなどのミネラルも多く、食物繊維も100g中37gと豊富に含んでいます。

また、多くのアミノ酸を含み、コレステロールの低下作用があるというリノール酸が脂肪酸組成の40%を占めているとされています。

ヤマブシタケには他にも以下のような健康成分が含まれていて、さまざまな疾患への効果が研究されています。

ヘリセノン

ヘリセノンはヤマブシタケの子実体から発見された成分です。

アルツハイマー型認知症の発症には前脳基底核コリン作動性神経細胞(BFCN)の障害がかかわっていることがわかっていますが、ヘリセノンにはこのBFCNの働きを活性させる物質=神経成長因子(NGF)の産生を強める働きがあります。

ヘリセノンはヤマブシタケだけに含まれている成分で、認知症防止やアルツハイマー型認知症の治療に活用するべく研究が進められています。

エリナシン

ヤマブシタケの菌糸体から発見されたエリナシンは、ヘリセノンと同様にNGFの産生を強める物質です。

β-グルカン

β(ベータ)グルカンはヤマブシタケに多く含まれる抗腫瘍活性を持つ多糖体で、免疫機能を強める働きをします。

多くのきのこ類は1~2種類の活性多糖を含みますが、ヤマブシタケはアガリスクが持つ6種類のβグルカンに次ぐ5種類の活性多糖を含んでいます。

免疫反応を強めるこのような物質・非特異的免疫賦活物質(=BRM)が、過敏な免疫機能を下げたり低い免疫は強めるといった、免疫力を適正に整えるホメオスタシス(生体恒常効果)の働きをすることで、ガン細胞の増殖が抑えられたり、アレルギー症状が起こるのを防ぐなど、からだの健康バランスが保たれています。

ビタミン類

ビタミンB群のB1、B2、B6、B12、ナイアシン、ビタミンDを含み、その含有量は牛肉の35倍とも言われます。日光の紫外線によってビタミンDになる、エルゴステロール(プロビタミンD2)も豊富に含まれています。

ヤマブシタケ(山伏茸)の効果・効能

科学的根拠(エビデンス)

ヤマブシタケには、どのような効果・効能があるのか。研究や臨床結果などによるヤマブシタケの科学的根拠(エビデンス)を見てみましょう。

栄養食品やサプリメントなどの原料としても多く用いられ、機能性食品として知られるようになったヤマブシタケの効果・効能は以下のような内容が報告されています。

軽度記憶障害の改善効果

ヤマブシタケに特有の成分であるヘリセノンとエリナシンはNGF(神経成長因子)の合成を促進する作用を持っています。NGFは海馬の顆粒細胞などによって作られ、ニューロン(脳を構成する神経細胞)を産生する仕組みに於いて重要な物質です。

脳内では普段、エピネフィリンというホルモンが、このNGFの合成を促進していますがエリナシンはエピネフィリンの4倍以上の活性を示します。

アルツハイマー型認知症は、このニューロンが死滅して脳の萎縮が起こる病気ですから、NGFが増えてニューロンの産生が増加したり消失を食い止めることができれば、この病気の予防や治療につながると考えられています。

ホクトと東北大学が共同で行った臨床研究では、ヤマブシタケの抽出物がこのNGFの産生を促すことが確認されています。

【日本】ホクトと東北大学の共同臨床研究(2009年)
この治験は認知障害に対するヤマブシタケの有効性を検証するために行われ、ヤマブシタケの乾燥錠剤を14名の被験者に、対照として15名にプラセボ(同形状の疑似剤)を16週間投与して4週間の観察期間後、改定・長谷川式簡易知能評価スケールで評価したものです。その結果、ヤマブシタケ摂取グループでは16週間後のスコアが1~6ポイント上昇しました。
全体のスコアの統計解析の結果、摂取群はプラセボ群に比較して8週目からスコアが上がり、摂取期間が長くなるほど、プラセボ群との差は大きくなり、16週目で摂取をやめるとスコアは低下しました。このことから、ヤマブシタケには軽度記憶障害改善作用が期待できると考えられています。
出典:Phytother Res. 2009 Mar;23(3):367-72. doi: 10.1002/ptr.2634.

他にも、群馬県桐生市の宏愛会第二リハビリテーション病院において、脳血管障害、パーキンソン病、脊髄小脳変性症などの高齢障がい者についても、ヤマブシタケ摂取による改善効果が報告されています。

参考  日本国際生命科学協会 2002年

脳血管疾患の予防効果

「脳にはたらくキノコたち」と題して福岡大学副学長 薬学部教授・藤原道弘氏が2010年に日本木材学会九州支部大会で行った講演では、ヤマブシタケはミクログリアの活性化を抑えることで脳を保護し腫瘍形成率を低下させる、と発表されています。

中大脳動脈閉鎖モデルマウスと老齢ラットを使って、ヤマブシタケの脳保護作用と抗老化作用について検討したところ、ヤマブシタケは神経細胞死やミクログリアを活性させる炎症系サイトカイン(炎症を引き起こす原因因子)の上昇を抑えることで、脳の保護作用を発揮し、生存率を改善し腫瘍形成率を低下させた。
出典:http://www.jwrs.org/woodience/mm017/inoue.pdf

また藤原教授は、こうしたきのこの薬用効果は、健康な状態では発揮されず、問題があるときに働くとしています。

糖尿病の抑制効果

東京工業大学とホクトがインスリン分泌促進活性作用について、数種のきのこのについて行った研究によると、アガリスクやブナシメジとともにヤマブシタケの熱水抽出物中にも高いインスリン分泌促進活性があることが見いだされました。日本きのこ学会第14回大会でもその成果が報告され、抗糖尿病予防食品の開発につながることが期待されています。

参考  きのこのインスリン分泌促進活性作用について

メタボリック症候群の抑制効果

肥満の人の脂肪組織は慢性的な炎症を起こしている状態で、この炎症はエネルギーの代謝異常の原因となり、脂肪細胞が分泌する飽和脂肪酸とマクロファージが分泌する炎症系サイトカインが炎症をより促進させていると考えられます。

また炎症により、抗メタボリックシンドローム作用があるとされる成分・アディポネクチンが減少することもわかっています。

【日本】ホクトと東北大学の共同研究
東北大学とホクトの「ヤマブシタケの脂肪組織炎症抑制効果」という共同研究では、脂肪細胞とマクロファージを培養して炎症状態を作り、ヤマブシタケ抽出物を用いて、炎症の抑制効果や抗メタボ作用を持つアディポネクチンの遺伝子発現比を調べました。その結果ヤマブシタケにはTNF-αなどの炎症性サイトカインの分泌を抑制する働きがあり、ヤマブシタケに含まれるエルゴステロール誘導体も、強い炎症抑制効果を持っていることがわかりました。
これらの実験結果により、ヤマブシタケがメタボリックシンドロームの予防や改善に役立つ可能性が確認されています。
ヤマブシタケの脂肪組織炎症抑制作用出典:http://cdplus.jp/company/download/113342/13788.pdf

癌(がん)細胞の増殖を抑制

ヤマブシタケに含まれているβグルカンは、マクロファージの働きを活性させて免疫機能を強め、ガン細胞の増殖を抑制するとされています。
また豊富な食物繊維が、腸の中の発がん物質など余分なものを吸着して排出することで、大腸がんや結腸がんなど消化器系のがんを予防すると考えられます。

昭和大学と三富産業が共同で、まいたけとヤマブシタケを用いて行った実験では、これらの粉末原料の腫瘍細胞の抑制作用が確認されています。

【日本】昭和大学と三富産業の共同研究
この実験は、ヤマブシタケを自社栽培し子実体を乾燥粉砕した原料と独自培養のまいたけ粉末を使用し、EL4腫瘍細胞を持つメスのマウスのエサに加えることで腫瘍細胞の増殖が抑制されるかどうかを検証したもので、まいたけ粉末のみ、ヤマブシタケ粉末のみ、ふたつを混合した粉末がそれぞれ投与されました。
その結果、まいたけ粉末80%とヤマブシタケ粉末20%を混合してエサに1%添加したものを与えられた場合に、それぞれを単独で投与するよりも強い腫瘍増殖抑制効果が認められ、からだに悪影響を及ぼす物質を攻撃するキラー細胞とNK細胞の脾臓での減少抑制効果も、まいたけ粉末を単独で使用した場合と同様に見られました。
このような結果からヤマブシタケには、免疫機能に好影響を及ぼして免疫力を上げる働きがあり、腫瘍の増殖を抑制する効果が高められる可能性が示された。
出典:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcam/7/1/7_1_11/_article/-char/ja

血液凝集を抑制する作用

1990年に静岡大学の河岸洋和教授らがヤマブシタケから発見した化合物・ヘリセノンBには、血液凝集を抑制する作用が見られることから、動脈硬化の予防や治療に役立つ血小板凝集抑制剤としての研究が進められ、その技術に関しては特許も出願されています。

参考  特許の出願内容

ヤマブシタケ(山伏茸)の摂取方法

栽培産地では150円から200円ほどで販売されているという生のヤマブシタケは、茶色に色づいてくると、苦みやえぐみが出てくるので、なるべく色が白いものを選びます

あまり日持ちがしないきのこなので、パッケージの内側に水滴が出ているものは避け、購入後は冷蔵庫で保存します。

ヤマブシタケ食べ方

天然のヤマブシタケは数が少なく、流通しているものは菌床栽培されているものがほとんどなので、洗う必要は特にありませんが、付着したおがくずやごみ等が気になり洗う場合は、塩水(3~4%)を使うとよいでしょう。

あまり水に浸けると風味が落ちるので軽く洗い水気を切り、必ず加熱調理します。

ヤマブシタケの食べ方

クセがなく淡泊な味なので、どんな料理にも合いますが、特に鍋や汁物に入れると、よく出汁が出ておいしく食べることができます。また天ぷらにすると、鶏肉や白身の魚のような食感が楽しめます。

乾燥ヤマブシタケは、煎じてお茶のように摂取します。水1リットルに10gを入れ沸騰させてから15分ほど弱火で煮出し温かいまま、または冷やして飲みます。煮出したあとのヤマブシタケも、細かく刻んでぎょうざの具や煮物など料理に使うと無駄がありません。

ヤマブシタケの保存方法

冷蔵庫保存で夏は5日程度、冬は1週間から10日くらいが保存期間とされています。すぐに食べない場合は、石づきを切り落としてから小分けしてラップに包み、フリーザーバッグなどに入れて冷凍します。

調理する時は凍ったまま汁物などに入れて使うと、うまみが丸ごと味わえます。

サプリで摂取する

ヤマブシタケはサプリメントにて多く販売されております。食品での摂取と違い、サプリは1日の摂取目安量がありますので過剰摂取しないように気を付けて摂りましょう。

ヤマブシタケ(山伏茸)の副作用と注意点

副作用を起こす可能性は低い

ヤマブシタケは古くから食用または薬用に用いられてきたきのこで、特に副作用は報告されていませんし、長期にわたり摂取しても副作用を起こす可能性は低く、安全性が高いとされていますから、食材として調理して食べる分には心配はいらないでしょう。

サプリは他の成分に注意する

しかし、きのことしてのヤマブシタケではなく、ヤマブシタケ抽出物を使ったサプリメントや健康食品等の場合は、含まれている他の成分や摂取する人の体調などにより、不調が出ることもありますので、用法や用量を守り服用します。

いずれにしても、効果を期待しての過剰摂取はせず、他の食品からの栄養もバランスよく摂ることが大切です。

おわりに

ヤマブシタケは私たち人間の自然免疫力を高めてくれる重要な免疫成分です。認知症、糖尿病、動脈硬化、ガン、脳血管疾患、メタボなどを予防したい方の希望の栄養素であることは間違いないです。

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