シニア向け分譲マンションを利用してみたいけど、どんな施設なのかしら?
このように
- シニア向け分譲マンションを利用したいけど、どんな施設か詳しく知りたい
- シニア向け分譲マンションはどうやって選べばいいかわからない
- シニア向け分譲マンションの入居条件や入居費用が気になる
など上記の方々はこの記事を読むことで解決できます。
この記事では、シニア向け分譲マンションとは?、事業所数、利用者数、サービス内容、料金・費用、入居条件、1日の流れ、メリット・デメリット、利用方法・選び方、などについてわかりやすく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
シニア向け分譲マンションとは
シニア向け分譲マンションとは、文字通りシニア(高齢者)を対象とした分譲マンションです。
高齢になり「現在の住宅では生活しづらい」、「介護が必要な状態ではないけど生活に不安がある」などで住み替えを検討する場合に、最近では様々な形態の施設があり選択をすることが可能です。
そのひとつとしてシニア向け分譲マンションがありますが、シニア向け分譲マンションはどのような特徴があり、メリット・デメリットがあるのかを見ていきます。
高齢者のためのバリアフリー分譲住宅
シニア向け分譲マンションは、介護保険の施設ではなく民間の分譲マンションです。
シニア向けという名前の通り、バリアフリー構造や高齢者が使いやすい造りになっていたり、生活支援のサービスを提供していたりと安心した生活が送れる環境が整えられています。
一方、シニア向け分譲マンションには明確な定義や基準がなく、物件により広さや建物のつくり、提供されるサービスは様々です。
売却・相続・譲渡・賃貸が自由
シニア向け分譲マンションが他の高齢者向けの住宅や施設と大きく異なる点に「物件の権利」があります。
シニア向け分譲マンションは、物件が分譲(分けて売られている)されていることから物件を購入した場合にはその所有権は購入者に帰属します。
そのため、その後に売却をすることも可能ですし亡くなった後には他の土地や建物と同様に相続の対象となります。そして所有権があることから、他人への譲渡や賃貸をすることも原則として自由です。
通常の住宅やマンションと同様に所有権が発生することが、シニア向け分譲マンションの大きな特徴のひとつと言えます。
施設数
シニア向け分譲マンションは、民間の分譲マンションであり厚生労働省や国土交通省などから「シニア向け分譲マンション」という許認可を受けている訳ではなく施設数の把握は非常に難しいのが実状です。
2011年1月には51施設数が存在しているとの統計がありますが、直近の施設数は不明です。
シニア向け分譲マンションは、1970年代から90年代にかけて相次いで供給されましたが、バブル崩壊後90年代中盤以降は供給が減少しているとのデータがあります。
参考 社団法人不動産協会
利用者数
シニア向け分譲マンションの利用者数については、民間の分譲マンションのため把握が難しいことが実状ですが2011年1月には入居定員数が8,350名となっています。比較的大規模な物件が多く、100戸以上の物件が65%以上となっていることが特徴と言えます。
参考 社団法人不動産協会
「サービス付き高齢者向け住宅」「有料老人ホーム」との違いは?
シニア向け分譲マンションと同じように高齢者が住む施設として、サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームがありますが、以下ような違いがあります。
シニア向け 分譲マンション |
サービス付き 高齢者向け住宅 |
有料老人ホーム | 自宅 戸建マンション |
||
入 居 条 件 |
年齢 | ある場合は 50歳位から |
60歳以上 | 60歳以上 | なし |
健常高齢者 | |||||
要介護認定 高齢者 |
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生活の自由度 | |||||
居室面積 | 約42㎡~90㎡ キッチン・浴室あり |
18㎡ キッチン・浴室なし |
18㎡ キッチン・浴室なし |
一般的な設備 | |
生活支援 緊急時対応 |
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権利方式 | 所有権 | 賃貸 | 利用権 | 所有権 | |
資産価値 | |||||
月額費用 | ・区分管理費等 ・食費 ・固定資産税等 ・水道光熱費 |
人数分の管理費 食費・水道光熱費 |
人数分の管理費 食費・水道光熱費 |
・区分管理費等 ・食費 ・固定資産税等 ・水道光熱費 |
|
要介護になった 時の対応 |
24時間見守りが 必要の場合は 居住は困難 |
24時間見守りが 必要の場合は 居住は困難 OKの所もあり |
居住継続可能 | ー | |
認知症になった 時の対応 |
他の入居者に迷惑・ 危害を加えない限り 可能だが、重度化し た場合は居住継続は 困難 |
他の入居者に危害を 加えたり、困難な場 合は退去の可能性あ り。徘徊・異食は可 能 |
他の入居者に迷惑・ 危害を加えない限り 可能だが、徘徊・異 食などの場合は居住 継続は困難 |
ー | |
医療 | 病院・訪問診療・訪問看護と提携 | ー | |||
共用施設 | レストラン・大浴場 カラオケルーム・囲 碁・麻雀・図書室・ 多目的室・来客用宿 泊施設・トレーニン グルームなど |
食堂・浴場・談話室 など |
食堂・浴場・談話室 など |
ー |
提供されるサービス内容
シニア向け分譲マンションは、法的には介護施設ではなく一般のマンションと同じ位置づけです。
そのため、提供されるサービスには決まりはなく、施設により異なります。しかし、シニア向けという名称の通り高齢者を対象としていることから施設により様々なサービスが提供されます。
フロントサービス
シニア向け分譲マンションは高額な物件が多く、ホテルのように入口に専門のスタッフ(コンシェルジュ)を配置している施設もあります。
施設により異なりますが、郵便やクリーニングの取次、ヘルパーの手配など多岐に渡る業務を行って生活のサポートをしています。また、施設内の居住者の交流や生活の質の充実を目的としたレクリエーションやイベントなどを計画する施設もあります。
生活支援
シニア向け分譲マンションでは、高齢者を対象としていることから生活支援(生活サポート)を提供している施設も多く見られます。
例えば、洗濯や掃除などの日常生活のサポートや病院・買い物などの送迎のサービスなど、安心して生活を送ることが出来るような体制を整えています。
また多くのシニア向け分譲マンションでは、館内や併設したエリアに食事を提供するレストランなどを備えています。それらのサービスは有料で提供されることが一般的です。
緊急時の対応
多くのシニア向け分譲マンションでは住居にナースコール設備が設置されており、緊急時にはコンシェルジュなどに連絡が行き対応が取れる体制を整えています。救急車の手配やかかりつけ医への連絡などを家族の代わりに対応し高齢者の方が安心して生活できる環境を取っています。
また、マンションと併設して病院や介護施設、スポーツクラブなどを整えている物件もあるため、日々の健康管理や介護についても対応が可能な場合もあります。
見守りサービス
シニア向け分譲マンションでは、定期的な安否確認を行ってくれる施設もあります。そのため、ひとり暮らしの高齢者の方であっても安心して生活を送ることが可能となります。
外部サービス
シニア向け分譲マンションに居住中で介護が必要な状態となった場合には、外部の介護サービスを利用します。多くの物件では、敷地内や併設で在宅介護サービス(ホームヘルパーやデイサービスなど)を展開しており介護が必要となった場合にはそれらのサービスを利用して生活を送ります。
シニア向け分譲マンションにかかる料金・費用
「シニア向け」という名称の通り高齢者を対象としていますが、介護を受けるための施設ではなくあくまでも一般の分譲マンションと同様の住まいです。介護が必要な状態となった場合には、在宅介護サービスを利用して生活を送ります。
シニア向け分譲マンションの料金や費用は、その物件により大きく異なります。
シニア向け分譲マンションは民間の分譲マンションなので購入費用が必要で、その他に毎月必要となる管理費や修繕積立などの月額費用、そして外部の介護サービスなどを利用した場合にはそれらの費用も必要となります。その他にも、水道光熱費や固定資産税など一般の住宅に居住する場合と変わらない費用が必要になります。
- 購入費用(数千万円から1億円以上が必要な場合もあり)
- 月額費用(約10万円から30万円程度)
- 外部サービス利用料(利用するサービスの量により必要)
- その他の費用(水道光熱費や固定資産税など)
シニア向け分譲マンションの多くは一般の分譲マンションと比較すると、高齢者向けに設計されており設備も整えられていることから高額となっています。
参考 シニア向け分譲マンションの購入・月額費用、料金相場を徹底解説
シニア向け分譲マンションのメリット
シニア向け分譲マンションには、どのようなメリット・デメリットがあるかを見ていきます。
【メリット1】所有権を持つ
購入した住居は資産となるため、必要がなくなった場合には売却や譲渡も可能ですし、利用しない場合には賃貸として貸し出すことも可能です。また、所有者が亡くなった場合には相続財産となります。
【メリット2】高齢者に適した安心できる造りになっている
バリアフリー構造となっており、高齢者に適した造りになっています。
【メリット3】イベントや行事が充実している施設もある
居住者向けのイベントや行事が行われ、充実した生活を送ることができます。
シニア向け分譲マンションのデメリット
【デメリット1】購入費用・月額費用が高額
物件により異なりますが、購入費用が数千万円から1億円を超えるものまであり、それらの費用を支払うことが難しい場合には購入が難しくなります。
一般のマンションと同様に、管理費や水道光熱費などが必要です。サービスが充実している施設が多いので月額費用は高額となります。
【デメリット2】介護サービスは外部に依頼することになる
介護サービスを利用する場合には、外部の介護サービスを利用することになりそれらの費用が必要となります。
【デメリット3】介護が必要となった場合の居住継続が難しい
見守りや生活支援サービスを行う施設もありますが、介護が多く必要な場合や認知症が進行した場合などは生活が難しくなり他の施設を検討しなくてはいけません。
【デメリット4】物件数が少なく選択の幅が狭い
シニア向け分譲マンションは物件数が少なく、あまり一般的には広まっていません。そのため選択できる物件数が少ないのが実状です。
人員の配置基準
シニア向け分譲マンションは、介護施設ではないため決められた人員配置はありません。
しかし、多くのシニア向け分譲マンションでは、居住者の利便性向上のために専門のスタッフ(コンシェルジュ)を配置しています。
これらは決められた基準というよりは、住居の特色のための配置であり決められた人数があるわけではありません。
設備基準
シニア向け分譲マンションには、決められた設備の基準はありません。
しかし、多くの物件では高齢者が生活をしやすいようなバリアフリー構造や呼出のためのナースコール設備が設置されています。
その他には、共有スペースとしてレストランや娯楽室、高級な設備を売りにした施設では大浴場やスポーツジム、図書室などの余暇を楽しむための設備を用意しているなど各施設で工夫を凝らした設備を備えています。
シニア向け分譲マンションの利用方法
シニア向け分譲マンションを利用する場合には、入居までにどのような段取りが必要となるでしょうか。順を追って見ていきます。
問い合わせ・相談
購入を希望するシニア向け分譲マンションを見つけたら、資料請求や問い合わせ、見学などで物件の情報を確認します。その後、不動産会社や管理会社に相談を行い購入までの流れを確認します。
説明・申し込み
シニア向け分譲マンションは、非常に高額な買い物となります。実際の現場の見学をして、希望にあった環境かどうか、購入価格が妥当ヶ月額費用の支払の継続が可能かを確認します。
必要書類の準備
物件の購入のために必要な書類を準備します。購入の申込書や身分証明書、ローンを組む場合には事前の審査状況などが必要になります。
面談
シニア向け分譲マンションには、年齢制限(何歳以上から入居可能等)や身体状況の制限(感染症がないか等)があり、それらを管理会社と面談により確認します。
審査・判定
シニア向け分譲マンションへの入居は、介護施設への入所ではありません。そのため入居の許可を判断するものということは無く、購入時の支払や月々の支払が可能であれば原則として入居する事ができます。ただし、感染症などがあることが明らかな場合には、断られる場合もあります。
契約
施設の見学や金銭面の段取りが済めば売買契約を交わして入居の準備が終わりです。その後に、引っ越しの段取りを行い、新しい住まいでの生活がスタートとなります。
シニア向け分譲マンションの選び方
シニア向け分譲マンションは、いわゆる一般の分譲マンションと同様に不動産会社等に相談をして探すことが可能です。
またホームページなどからも探すことが可能なので、それらの問い合わせ先から資料請求や連絡をして空室状況などを確認します。
①複数の施設を比較・検討する
シニア向け分譲マンションはとても高額な買い物になります。提供されるサービスも物件により異なりますので可能であれば複数の物件を見学や内覧し決めるようにしましょう。
複数のシニア向け分譲マンションを比較するために老人ホーム検索サイトの利用をおすすめします。
当サイトが厳選した利用満足度の高い老人ホーム検索サイトをまとめましたので参考にしていただければ幸いです。
参考 【資料請求無料】老人ホーム・介護施設検索サイト比較ランキング
②サービス提供者の対応・知識を確認する
シニア向け分譲マンションは物件により提供されるサービスや設備が異なります。長く生活を送る住居になりますので、出来る限り管理会社との相性が良い物件を選んだ方がその後の生活の充実に繋がります。
③契約内容を確認する
シニア向け分譲マンションは非常に高額な買い物となるので、契約内容がどのようなものかをしっかりと確認することは重要になります。可能であれば、家族や親せきなど複数の方の同席のもとに契約内容を確認し購入先を決めることをおススメします。
おわりに
シニア向け分譲マンションは、高齢になり住み替えを検討する場合の選択肢のひとつです。しかし、購入価格や月額費用が高額なことから誰でも選択が出来る訳ではないのが実状です。
また、将来的に介護が必要な状態となった後のことも視野に入れて施設選びをすることも必要です。シニア向け分譲マンションを選択できる方は限られますが、充実したサービスは生活の質を上げてくれる住居のひとつと言えそうです。