障害福祉分野就職支援金貸付事業とは|対象者・返還免除・交付について解説

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女性

障害福祉分野への転職を希望しているけど、費用面で不安。。。

このように

  • 転職活動に必要な費用をどのように工面すれば良いか分からない。
  • 障害福祉分野への転職をスムーズに進めたい。
  • 制度の詳細や申込方法を知りたい。

このような悩みや疑問をお持ちではないでしょうか?

この記事を読むことで

  • 障害福祉分野就職支援金貸付事業の概要が分かる!
  • 最大20万円の無利子貸付を受けられる条件が分かる!
  • 貸付金の使途や返還免除制度について理解できる!
  • 具体的な申込方法や手続きの流れが分かる!
  • 障害福祉分野への転職活動をスムーズに進めることができる!

といったメリットがあります。

介護の123編集部
介護の123編集部

障害福祉分野への転職を希望する方にとって、障害福祉分野就職支援金貸付事業は強い味方となります。本記事では、制度の概要、貸付内容、対象者、連帯保証人、返還免除、返還猶予、返還、申込方法など、障害福祉分野就職支援金貸付事業に関するあらゆる情報を網羅的に解説します。さらに、制度を活用した転職活動の進め方や、よくある質問についても詳しく回答します。あなたの不安や疑問を解消し、希望の障害福祉職への転職をサポートします。

目次(もくじ)
  1. 障害福祉分野就職支援金貸付事業の概要
    1. 障害福祉分野の人手不足の解消
    2. 障害福祉分野の多様化への対応
    3. 障害者の自立支援の推進
  2. 障害福祉分野就職支援金貸付事業の対象者
    1. 資格要件
    2. 経験要件
    3. 就職要件
    4. 継続従事要件
    5. 融資制限要件
  3. 障害福祉分野就職支援金貸付事業の貸付内容
    1. 貸付額
    2. 貸付回数
    3. 利子
    4. 交付
  4. 障害福祉分野就職支援金貸付事業の連帯保証人
    1. 連帯保証人の要件
  5. 障害福祉分野就職支援金貸付事業の返還免除
    1. 返還免除の要件
  6. 障害福祉分野就職支援金貸付事業の返還猶予
  7. 障害福祉分野就職支援金貸付事業の返還
    1. 返還期間
    2. 返還方法
    3. 延滞利子
  8. 障害福祉分野就職支援金貸付事業の申込みから返還免除等までの流れ
    1. 【1】資格取得の申込み
    2. 【2】就職の申込み
    3. 【3】審査・決定
    4. 【4】借用証書の提出
    5. 【5】貸付金の交付
    6. 【6】返還猶予の申請・承認
    7. 【7】所定期間の従事
    8. 【8】返還免除の申請・承認
    9. 【9】返還
  9. 障害福祉分野就職支援金貸付事業のメリット
    1. 資格取得の費用を負担する必要がない
    2. 就職後の経済的な負担を軽減できる
    3. 障害福祉職員としてのスキルや知識を身につけることができる
    4. 障害福祉職員の定着率を高めることができる
    5. 障害福祉の質の向上につながる
  10. 障害福祉分野就職支援金貸付事業のデメリット
    1. 返還義務がある
    2. 返還猶予の要件が厳しい
    3. 制度の周知が不十分
    4. 連帯保証人が必要になる
  11. 障害福祉分野就職支援金貸付事業のQ&A
  12. おわりに

障害福祉分野就職支援金貸付事業の概要

介護の123編集部
介護の123編集部

障害福祉分野就職支援金貸付事業は、他業種で働いていた方等の障害福祉分野への参入を促進するため、就職の際に必要な経費に係る支援金を貸し付ける事業です。この制度の趣旨は、以下のとおりです。

障害福祉分野の人手不足の解消

障害福祉分野は、高齢化や障害者の増加に伴い、慢性的な人手不足が続いています。

厚生労働省の調査によると、2022年3月末時点で、障害福祉サービス事業所の約4割が人材不足を感じており、そのうち約2割が「深刻な人手不足」と感じています。

この人手不足を解消するためには、新たな人材の確保が不可欠です。しかし、障害福祉分野は、介護や福祉の知識や経験が求められるため、他業種から参入する際には、資格取得や研修などの費用負担が大きなハードルとなります。

障害福祉分野の多様化への対応

障害福祉分野は、近年、多様化が進んでいます。障害の種類や程度、年齢、性別など、一人ひとりの障害者のニーズは多様であり、それに対応するためには、多様なバックグラウンドを持つ人材が必要です。

他業種で培った経験やスキルを活かして、障害福祉分野に参入する人は、障害者の多様なニーズに応える新たな視点や発想を提供することができます。

障害者の自立支援の推進

障害福祉分野の職員は、障害者の日常生活や社会生活を支える重要な役割を担っています。障害者が自立して社会参加できるようにするためには、質の高い福祉サービスを提供できる人材の確保が不可欠です。

他業種から参入する人は、新しい視点や発想を活かして、障害者の自立支援に貢献することができます。

このように、障害福祉分野就職支援金貸付事業は、障害福祉分野の人手不足の解消、障害福祉分野の多様化への対応、障害者の自立支援の推進という、3つの観点から、障害福祉分野への新たな人材の参入を促進し、障害者の福祉の向上に寄与することを目的としています。

障害福祉分野就職支援金貸付事業の対象者

介護の123編集部
介護の123編集部

障害福祉分野就職支援金貸付事業の対象者は、以下の要件をすべて満たす者です。

資格要件

障害福祉分野就職支援金貸付事業は、介護や福祉に関する一定の資格を有する者を対象としています。

具体的には、以下の資格のいずれかが必要です。

  • 介護職員初任者研修
  • 訪問介護員(ホームヘルパー)1級課程
  • 訪問介護員(ホームヘルパー)2級課程
  • 介護職員基礎研修
  • 介護福祉士
  • 介護福祉士実務者研修
  • 居宅介護職員初任者研修
  • 障害者居宅介護従業者基礎研修
  • 重度訪問介護従業者養成研修(基礎課程または統合課程または行動障害支援課程)
  • 同行援護従業者養成研修(一般課程または応用課程)
  • 行動援護従業者養成研修
  • 強度行動障害支援者養成研修(基礎研修および実践研修)

なお、上記の資格のいずれかを取得するための研修を受講中の者も、申請が可能です。ただし、研修修了後に研修修了証を提出する必要があります。

この資格要件は、障害福祉分野で働くための最低限の知識や技能を有していることを担保するためです。

経験要件

対象者は、前職が障害福祉職員ではないことが必要です。これは、障害福祉分野への新たな人材の参入を促進するためです。

就職要件

対象者は、申込先の都道府県の障害福祉サービス事業所・施設に障害福祉職員として就職して3ヶ月以内であることが必要です。これは、就職が確実となった者を対象とするためです。

継続従事要件

対象者は、就職後、引き続き2年以上、申込先の都道府県の障害福祉サービス事業所・施設で、障害福祉職員の業務に従事する意思を有していることが必要です。これは、貸付金の返還を担保するためです。

融資制限要件

対象者は、各都道府県の社会福祉協議会及び他の道府県が適当と認める団体から同種の資金を借り受けていないことが必要です。これは、重複した貸付を防止するためです。

介護の123編集部
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これらの要件を満たす者は、障害福祉分野の多様なニーズに応え、障害者の自立支援に貢献する可能性を有していると考えられるため、本制度の対象とされています。

障害福祉分野就職支援金貸付事業の貸付内容

介護の123編集部
介護の123編集部

障害福祉分野就職支援金貸付事業の貸付内容は、以下のとおりです。

貸付額

貸付額は、20万円以内です。この額は、障害福祉分野への就職に必要な経費(研修費、交通費、移転費、生活費など)を賄うためのものです。

貸付回数

貸付回数は、一人につき一回限りです。これは、貸付金の返還を担保するためです。

利子

利子は、無利子です。これは、貸付金の返還負担を軽減するためです。

交付

交付は、一括交付です。これは、貸付金の利用を迅速かつ円滑にするためです。

障害福祉分野就職支援金貸付事業の連帯保証人

介護の123編集部
介護の123編集部

障害福祉分野就職支援金貸付事業では、貸付金の返還を担保するため、連帯保証人が必要となります。連帯保証人は、貸付金の返済が滞った場合に、借受人と連帯して債務を負担する責任を負います。

連帯保証人の要件

連帯保証人となるには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

個人の場合

  1. 前年の収入が150万円以上であること
  2. 障害福祉職員等の業務への従事による返還免除を受ける時に年齢が85歳未満であること
  3. 次のいずれかを満たしていること
    ・申込日の属する月の6ヶ月前から継続して都内に住所を有している(住民登録している)者
    ・4親等以内の血族又は3親等以内の姻族及び配偶者で日本国内に住所を有している者
    ・次の基準以上の所得を有している者で日本国内に住所を有している者

    世帯人員 1人  2人  3人  4人 5人
    収入基準
    (平均月額)
     177,000円 261,000円 319,000円 376,000円 411,000円
  4. 日本国籍を有する者又は永住者の在留資格を有する者若しくは特別永住者等であること
  5. 各都道府県の社会福祉協議会が実施する障害福祉分野就職支援金、介護福祉士修学資金、社会福祉士修学資金、実務者研修受講資金、離職介護人材再就職準備金、福祉系高校修学資金、介護分野就職支援金の貸付における連帯保証人になっていないこと

法人の場合

  1. 申込者の就職先(内定含む)の施設等を運営する法人である
  2. 保証能力を有する法人である
    (連帯保証額を上回る金額の預貯金を有していることを、決算書等により確認)
  3. 連帯保証人になることについて、法人の理事会または取締役会において承認している

障害福祉分野就職支援金貸付事業の返還免除

介護の123編集部
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障害福祉分野就職支援金貸付事業では、貸付金の返還を促進するため、返還免除制度を設けています。返還免除の要件は、以下のとおりです。

返還免除の要件

【1】貸付決定日から2年以内に、以下のいずれかの資格を取得していること

  • 介護職員初任者研修
  • 訪問介護員(ホームヘルパー)1級課程
  • 訪問介護員(ホームヘルパー)2級課程
  • 介護職員基礎研修
  • 介護福祉士
  • 介護福祉士実務者研修
  • 居宅介護職員初任者研修
  • 障害者居宅介護従業者基礎研修
  • 重度訪問介護従業者養成研修(基礎課程または統合課程または行動障害支援課程のうちいずれか)
  • 同行援護従業者養成研修(一般課程または応用課程のいずれか)
  • 行動援護従業者養成研修
  • 強度行動障害支援者養成研修(基礎研修および実践研修)

【2】貸付決定日から2年以内に、申込先の都道府県の障害福祉サービス事業所・施設に障害福祉職員として就職し、引き続き2年以上従事していること

障害福祉分野就職支援金貸付事業の返還猶予

介護の123編集部
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貸付対象者が以下の2つの理由に該当した場合、貸付金の返還を猶予することができます。

  1. 就職した日から、引き続き申込先の都道府県の障害福祉サービス事業所・施設で介護職員等の業務に従事しているとき
    この条件は、返還免除を受けるためには、2年間以上、介護職員等の業務に従事することが必要であることから、その準備期間として設定されています。
  2. 災害等やむを得ない事由により返還の債務が履行できないと認められるとき
    この条件は、貸付対象者が、本人や家族の病気やケガ、災害、失業など、やむを得ない事由により、返還の債務を履行することが困難な場合を想定して設定されています。

障害福祉分野就職支援金貸付事業の返還

介護の123編集部
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障害福祉分野就職支援金貸付事業では、貸付対象者は、貸付金の返還義務を負います。

返還期間

返還期間は、8ヶ月以内です。返還猶予の要件を満たさない場合等の翌月より返還開始となります。

返還方法

返還方法は、月賦、半年賦による均等払い(一括払いも可)です。

月賦の場合

貸付額20万円を月賦で返還する場合、毎月25,000円の返還となります。

半年賦の場合

貸付額20万円を半年賦で返還する場合、半年ごとに100,000円の返還となります。

一括払いの場合

貸付額20万円を一括で返還する場合、20万円を一括で返還します。

延滞利子

返還期間内に返還されない場合は、延滞元金に対し年3%の延滞利子を徴収します。

介護の123編集部
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障害福祉分野就職支援金貸付事業は、国や地方公共団体による支援を受けることで、障害福祉職員としての就職を支援する事業です。そのため、貸付対象者は、返還の義務を果たすことが重要です。

返還を滞納すると、貸付金の全額を返還しなければならないだけでなく、信用情報機関に登録されるため、クレジットカードやローンの利用が制限されるなどの影響が生じる可能性があります。 貸付対象者は、返還計画を立てて、返還に遅れが生じないように注意する必要があります。

障害福祉分野就職支援金貸付事業の申込みから返還免除等までの流れ

  1. 資格取得の申込み
  2. 就職の申込み
  3. 審査・決定
  4. 借用証書の提出
  5. 貸付金の交付
  6. 返還猶予の申請・承認
  7. 所定期間の従事
  8. 返還免除の申請・承認
  9. 返還
介護の123編集部
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障害福祉分野就職支援金貸付事業を利用するためには、以下の流れで手続きを進めます。

【1】資格取得の申込み

障害福祉分野就職支援金貸付事業の対象となるには、以下の資格を取得していることが必要です。

  • 介護職員初任者研修
  • 訪問介護員(ホームヘルパー)1級課程
  • 訪問介護員(ホームヘルパー)2級課程
  • 介護職員基礎研修
  • 介護福祉士
  • 介護福祉士実務者研修
  • 居宅介護職員初任者研修
  • 障害者居宅介護従業者基礎研修
  • 重度訪問介護従業者養成研修(基礎課程または統合課程または行動障害支援課程)
  • 同行援護従業者養成研修(一般課程または応用課程)
  • 行動援護従業者養成研修
  • 強度行動障害支援者養成研修(基礎研修および実践研修)

そのため、まずは、これらの資格取得の申込みが必要です。

 

【2】就職の申込み

障害福祉職員として就職した後に、貸付の申込みを行うことができます。就職の申込みは、就職した日から3ヶ月以内に行う必要があります。

 

【3】審査・決定

各都道府県の社会福祉協議会で書類受理後に審査を行い、貸付の可否を決定します。審査にかかる期間は約4週間です。

 

【4】借用証書の提出

貸付が決定した場合は、借用証書を提出する必要があります。借用証書には、貸付金の返還義務を負うことが記載されています。

 

【5】貸付金の交付

借用証書の提出後、貸付金が交付されます。貸付金は、一括で交付されます。

 

【6】返還猶予の申請・承認

就職後、2年間以上、申込先の都道府県の障害福祉サービス事業所・施設で障害福祉職員等の業務に従事している間は、返還の猶予が可能です。返還猶予の申請は、就職後、2年間を経過した時点で行う必要があります。

 

【7】所定期間の従事

返還猶予の要件を満たした場合、2年間以上、申込先の都道府県の障害福祉サービス事業所・施設で障害福祉職員等の業務に従事する必要があります。

 

【8】返還免除の申請・承認

所定期間を満たし、以下のいずれかを修了した場合は、返還免除の申請を行うことができます。

  • 介護職員初任者研修
  • 訪問介護員(ホームヘルパー)1級課程
  • 訪問介護員(ホームヘルパー)2級課程
  • 介護職員基礎研修
  • 介護福祉士
  • 介護福祉士実務者研修
  • 居宅介護職員初任者研修
  • 障害者居宅介護従業者基礎研修
  • 重度訪問介護従業者養成研修(基礎課程または統合課程または行動障害支援課程)
  • 同行援護従業者養成研修(一般課程または応用課程)
  • 行動援護従業者養成研修
  • 強度行動障害支援者養成研修(基礎研修および実践研修)

返還免除の申請は、所定期間を満たした時点で行う必要があります。

 

【9】返還

返還猶予の要件を満たさなかった場合や、返還免除の申請が不承認となった場合、貸付金の返還が必要となります。返還期間は8ヶ月以内であり、返還方法は月賦または半年賦による均等払い、または一括払いとなります。

障害福祉分野就職支援金貸付事業のメリット

  1. 資格取得の費用を負担する必要がない
  2. 就職後の経済的な負担を軽減できる
  3. 障害福祉職員としてのスキルや知識を身につけることができる
  4. 障害福祉職員の定着率を高めることができる
  5. 障害福祉の質の向上につながる
介護の123編集部
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障害福祉分野就職支援金貸付事業のメリットは、以下のとおりです。

資格取得の費用を負担する必要がない

障害福祉分野の就職には、介護福祉士や社会福祉士などの資格取得が有利です。しかし、資格取得の費用は高額になる場合があり、障害福祉分野への就職を希望する方の負担となっています。

障害福祉分野就職支援金貸付事業を利用することで、資格取得にかかる費用を貸付金で賄うことができます。これにより、資格取得のハードルが下がり、障害福祉分野への就職を希望する方の選択肢が広がります。

就職後の経済的な負担を軽減できる

障害福祉分野の就職は、他業種に比べて給与水準が低い場合が多いです。そのため、就職後の経済的な負担が大きな課題となっています。

障害福祉分野就職支援金貸付事業を利用することで、通勤費や引越し費用などの就職に必要な経費を貸付金で賄うことができます。これにより、就職後の経済的な負担を軽減することができます。

障害福祉職員としてのスキルや知識を身につけることができる

障害福祉分野の就職には、障害者の特性やニーズを理解し、適切な支援を行うためのスキルや知識が求められます。

障害福祉分野就職支援金貸付事業では、介護福祉士や社会福祉士などの資格取得を支援しています。また、資格取得に必要な講座の受講費を貸付金で賄うことができます。これにより、障害福祉職員としてのスキルや知識を身につけることができます。

障害福祉職員の定着率を高めることができる

障害福祉分野は、人材不足が深刻な状況にあります。そのため、障害福祉職員の定着率を高めることが重要です。

障害福祉分野就職支援金貸付事業では、返還猶予制度を設けています。これにより、障害福祉職員として定着する意欲を高め、障害福祉職員の定着率を高めることができます。

障害福祉の質の向上につながる

障害福祉分野の質の向上には、障害福祉職員のスキルや知識の向上が欠かせません。 障害福祉分野就職支援金貸付事業では、資格取得を支援しています。これにより、障害福祉職員のスキルや知識の向上が図られ、障害福祉の質の向上につながります。

障害福祉分野就職支援金貸付事業のデメリット

  1. 返還義務がある
  2. 返還猶予の要件が厳しい
  3. 制度の周知が不十分
  4. 連帯保証人が必要になる
介護の123編集部
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障害福祉分野就職支援金貸付事業には、以下のデメリットがあります。

返還義務がある

障害福祉分野就職支援金貸付事業は、あくまでも貸付であり、返還義務があります。返還免除の要件を満たした場合でも、返還猶予の期間が過ぎると、返還が必要となります。

返還額は、貸付金額の20%(上限20万円)となっています。また、返還期間は8ヶ月以内であり、返還方法は月賦または半年賦による均等払い、または一括払いとなります。

返還猶予の要件が厳しい

返還猶予を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 就職後、2年間以上、申込先の都道府県の障害福祉サービス事業所・施設で障害福祉職員等の業務に従事すること
  • 以下のいずれかを修了すること
    介護職員初任者研修、訪問介護員(ホームヘルパー)1級課程、訪問介護員(ホームヘルパー)2級課程、介護職員基礎研修、介護福祉士介護福祉士実務者研修、居宅介護職員初任者研修、障害者居宅介護従業者基礎研修、重度訪問介護従業者養成研修(基礎課程または統合課程または行動障害支援課程)、同行援護従業者養成研修(一般課程または応用課程)、行動援護従業者養成研修、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修および実践研修)

これらの要件を満たすのは、必ずしも容易ではありません。特に、2年間以上、継続して就業することは、介護職員の定着率の低下も相まって、難しい場合もあります。

制度の周知が不十分

障害福祉分野就職支援金貸付事業は、2022年度から開始された新しい事業です。そのため、制度の周知が不十分であり、利用者が少ないという課題があります。

この課題を解決するためには、制度の周知を図るとともに、利用者が利用しやすいように、手続きの簡素化や、返還猶予の要件の緩和などを行う必要があります。

連帯保証人が必要になる

障害福祉分野就職支援金貸付事業では、貸付金の返済が滞った場合、連帯保証人が貸付金の全額を返還する責任を負います。

そのため、連帯保証人となる家族や友人がいることが前提となります。連帯保証人となる人がいない場合は、貸付を受けることができません。

障害福祉分野就職支援金貸付事業のQ&A

介護の123編集部
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障害福祉分野就職支援金貸付事業に関するよくある質問をまとめてみましたので参考にしてみてください。

障害福祉分野就職支援金貸付事業とは?

障害福祉分野での慢性的な人手不足解消と、新たな障害福祉人材の確保を目的とし、障害福祉のお仕事に就職するための準備経費に係る費用を貸し付ける事業です。

誰が利用できますか?

以下の要件をすべて満たす人が利用できます。

介護職員初任者研修、訪問介護員(ホームヘルパー)1級課程、訪問介護員(ホームヘルパー)2級課程、介護職員基礎研修、介護福祉士実務者研修、居宅介護職員初任者研修、障害者居宅介護従業者基礎研修、重度訪問介護従業者養成研修、同行援護従業者養成研修、行動援護従業者養成研修、強度行動障害支援者養成研修のいずれかを修了していること

申込先の都道府県の介護サービス事業所・施設で障害福祉等の業務に従事していること 貸付金の返済を連帯保証人から保証してもらえること

いくら借りることができますか?

貸付金額は、資格取得費用の合計額から、本人の自己負担額を差し引いた金額となります。自己負担額は、原則として、貸付金額の20%(上限20万円)です。

返済はいつから始まりますか?

就職後、2年間は返済が猶予されます。2年間経過した後、返済が開始されます。返済期間は8ヶ月以内であり、返済方法は月賦または半年賦による均等払い、または一括払いとなります。

返還免除の条件は?

返還免除を受けるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

就職後、2年間以上、申込先の都道府県の介護サービス事業所・施設で障害福祉等の業務に従事していること

介護職員初任者研修、訪問介護員(ホームヘルパー)1級課程、訪問介護員(ホームヘルパー)2級課程、介護職員基礎研修、介護福祉士実務者研修、居宅介護職員初任者研修、障害者居宅介護従業者基礎研修、重度訪問介護従業者養成研修、同行援護従業者養成研修、行動援護従業者養成研修、強度行動障害支援者養成研修のいずれかを修了していること

おわりに

障害福祉分野就職支援金貸付事業は、障害福祉職員を目指す人にとって、資格取得の費用を負担せずに就職を目指すことができる、非常にメリットのある制度です。

ただし、返還義務があることや、返還猶予の要件が厳しいことなど、デメリットもありますので、事前によく確認しておくことが大切です。

 

介護の制度
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