介護業界への再就職を希望しているけど、費用面で不安。。。
このように
- 資格取得費用や生活費をどのように工面すれば良いか分からない。
- 再就職に向けての準備をどのように進めれば良いか分からない。
- 制度の詳細や申込方法を知りたい。
このような悩みや疑問をお持ちではないでしょうか?
この記事を読むことで
- 離職介護人材再就職準備金貸付事業の概要が分かる!
- 最大40万円の無利子貸付を受けられる条件が分かる!
- 貸付金の使途や返済免除制度について理解できる!
- 具体的な申込方法や手続きの流れが分かる!
- 再就職に向けての準備をスムーズに進めることができる!
といったメリットがあります。
介護業界への再就職を希望する方にとって、離職介護人材再就職準備金貸付事業は強い味方となります。本記事では、制度の概要、貸付内容、対象者、連帯保証人、返還免除、返還猶予、返還、申込方法など、離職介護人材再就職準備金貸付事業に関するあらゆる情報を網羅的に解説します。さらに、制度を活用した再就職準備の進め方や、よくある質問についても詳しく回答します。あなたの不安や疑問を解消し、スムーズな職場復帰をサポートします。
離職介護人材再就職準備金貸付事業とは
離職介護人材再就職準備金貸付事業とは、介護職員として一定の知識と経験を有しながらも離職している人を対象に、再就職のための準備金を貸し付ける事業です。
この事業の制度の趣旨は、以下のとおりです。
介護職員の再就職を促進する
介護職員の離職率は高く、介護労働安定センターの「介護労働実態調査結果」によると、2022年度の介護職員の離職率は14.4%です。離職の理由としては、「「職場の人間関係」が 18.8%で最も多くなっています。
離職介護人材再就職準備金貸付事業を利用することで、再就職に必要な費用を負担することなく、再就職の準備を進めることができます。また、貸付金の返還免除条件を満たすことで、無利子で再就職の準備金を借りることができます。
介護職員の確保・定着に資する
介護職員は、高齢化の進展や核家族化の進行などにより、ますます不足が深刻化しています。
離職介護人材再就職準備金貸付事業を利用することで、再就職した介護職員は、資格取得や研修など、スキルアップやキャリアアップの機会を得ることができます。また、再就職先で安定した雇用を得ることにもつながります。
離職介護人材再就職準備金貸付事業の貸付内容
離職介護人材再就職準備金貸付事業は、離職した介護人材が再就職に必要な費用を貸付ける事業です。貸付額は40万円以内、貸付期間は16ヶ月以内、利子は無利子です。
この貸付事業の貸付内容は、以下の理由や根拠に基づいて設定されています。
貸付額
貸付額は、再就職に必要な費用をまかなうための十分な額である必要があります。介護職員の再就職に必要な費用としては、以下のようなものが挙げられます。
- 転職活動にかかる費用(履歴書作成費、交通費、宿泊費など)
- 介護職員としての資格取得や研修にかかる費用
- 再就職先までの引っ越し費用
介護職員の再就職率を向上させるためには、こうした費用を負担することなく、スムーズに再就職できる環境を整えることが重要です。そのため、貸付額は40万円以内と設定されています。
貸付回数
貸付回数は、一人につき一回限りとされています。これは、貸付事業の目的が、離職した介護人材の再就職を支援することであり、複数回貸付を行うことで、貸付事業の趣旨が損なわれる可能性があるためです。
利子
利子は、無利子とされています。これは、離職した介護人材が再就職に集中できるようにするためです。利子が付くと、返済額が増え、再就職にかかる負担が増加します。
そのため、利子を無利子とすることで、離職した介護人材が再就職に集中できる環境を整えることが目的です。
交付
交付は、一括交付とされています。これは、再就職に必要な費用を早期に確保できるようにするためです。一括交付することで、離職した介護人材が転職活動や資格取得などにすぐに取り組むことができます。
貸付期間
貸付期間は、16ヶ月以内とされています。これは、離職した介護人材が再就職先に定着するまでの期間を想定して設定されています。
貸付期間を16ヶ月以内にすることで、離職した介護人材が再就職先で一定期間働き、定着する可能性を高めることが目的です。
離職介護人材再就職準備金貸付事業の対象者
離職介護人材再就職準備金貸付事業の貸付対象者は、以下のすべての条件を満たす者です。
介護職員として1年以上の実務経験があること
介護職員として、介護福祉士の資格を取得するまでに必要な実務経験、または、介護職員初任者研修、介護職員基礎研修、ホームヘルパー1級・2級のいずれかの資格を取得するために必要な実務経験を有していることが条件です。
直近の介護職員としての離職日から1年以上経過していること
直近の介護職員としての離職日から、貸付申請日までに1年以上経過していることが条件です。
直近の介護職員としての離職日から介護職員として再就職するまでの間に、各都道府県の福祉人材センターに、離職介護人材としての届出を行っている
直近の介護職員としての離職日から介護職員として再就職するまでの間、各都道府県の福祉人材センターに、離職介護人材としての届出を行っている必要があります。
次のいずれかの資格を有していること
- 介護福祉士
- 実務者研修
- 介護職員初任者研修
- 介護職員基礎研修
- ホームヘルパー1級
- ホームヘルパー2級
上記いずれかの資格を有していることが条件です。
申込先の都道府県の介護サービス事業所・施設に介護職員として再就職後、引き続き2年以上介護職員の業務に従事する意思を有すること
貸付を受けた日から、引き続き2年以上、申込先の都道府県の介護サービス事業所・施設に介護職員として従事する意思を有していることが条件です。
申込先の都道府県の介護サービス事業所・施設に介護職員として就職したこと
貸付を受けるためには、貸付申請日までに、申込先の都道府県の介護サービス事業所・施設に介護職員として就職していることが条件です。
各都道府県の社会福祉協議会及び他の道府県が適当と認める団体から同種の資金を借り受けたことがないこと
貸付を受けるまでに、各都道府県の社会福祉協議会及び他の道府県が適当と認める団体から、同種の資金を借り受けたことがないことが条件です。
これらの条件を満たす離職介護人材は、再就職に必要な費用を貸し付けを受けることで、再就職のハードルを下げることができます。
離職介護人材再就職準備金貸付事業の連帯保証人
離職介護人材再就職準備金貸付事業では、貸付対象者である離職した介護人材が、貸付金の返済不能となった場合に備え、連帯保証人を求めています。
連帯保証人は、借用証書に署名・押印することにより、申込者本人と連帯して債務を負担することを誓約します。
連帯保証人となる要件
個人の場合
- 前年の収入が150万円以上であること
- 返還免除対象業務への従事による返還免除を受ける時の年齢が85歳未満であること
- 次のいずれかを満たしていること
・申込日の属する月の6ヶ月前から継続して申込んだ都道府県に住所を有している(住民登録している)者
・4親等以内の血族又は3親等以内の姻族及び配偶者で日本国内に住所を有している者
・次の基準以上の所得を有している者で日本国内に住所を有している者世帯人員 1人 2人 3人 4人 5人 収入基準
(平均月額)177,000円 261,000円 319,000円 376,000円 411,000円 - 日本国籍を有する者又は永住者の在留資格を有する者若しくは特別永住者等であること
- 各都道府県の社会福祉協議会が実施する離職介護人材再就職準備金、介護福祉士修学資金、社会福祉士修学資金、実務者研修受講資金、介護分野就職支援金、障害福祉分野就職支援金、福祉系高校修学資金の貸付における連帯保証人になっていないこと
法人の場合
- 申込者の就職先(内定含む)の施設等を運営する法人である
- 保証能力を有する法人である
(連帯保証額を上回る金額の預貯金を有していることを、決算書等により確認) - 連帯保証人になることについて、法人の理事会または取締役会において承認している
離職介護人材再就職準備金貸付事業の返還免除
離職介護人材再就職準備金貸付事業では、貸付を受けた離職した介護人材が、以下の条件を満たした場合、貸付金の返還が免除されます。
この期間は、介護職員としてのスキルや知識を身につけ、介護現場で活躍する準備期間として設定されています。
返還免除の条件は、以下の理由や根拠に基づいて設定されています。
介護人材の定着を促すため
介護職員の離職率は、全産業平均と比べて高い水準にあります。そのため、離職した介護人材が再就職先で定着し、介護現場で働き続けることが重要です。返還免除の条件を満たすことで、離職した介護人材が再就職先で継続して働く意欲を高め、定着を促すことができます。
介護人材の確保・育成につなげるため
高齢化の進展に伴い、介護職員の需要はますます高まっています。返還免除の条件を満たすことで、離職した介護人材が再就職先で一定期間働き、介護職員としてのスキルや経験を積むことが期待できます。これにより、介護人材の確保・育成につながることができます。
離職介護人材再就職準備金貸付事業の返還猶予
離職介護人材再就職準備金貸付事業では、貸付を受けた離職した介護人材が、以下の2つの条件を満たした場合、貸付金の返還が猶予されます。
- 貸付を受けた日から、引き続き申込先の都道府県の介護サービス事業所・施設で介護職員等の業務に従事しているとき
この条件は、返還免除を受けるためには、2年間以上、介護職員等の業務に従事することが必要であることから、その準備期間として設定されています。 - 災害等やむを得ない事由により返還の債務が履行できないと認められるとき
この条件は、貸付対象者が、本人や家族の病気やケガ、災害、失業など、やむを得ない事由により、返還の債務を履行することが困難な場合を想定して設定されています。
離職介護人材再就職準備金貸付事業の返還
離職介護人材再就職準備金貸付事業では、貸付対象者は、貸付金の返還義務を負います。
返還期間
返還期間は、貸付を受けた翌月より開始され、16ヶ月以内です。返還期間内に返還が完了しない場合は、延滞利子が徴収されます。
返還方法
返還方法は、月賦、半年賦、年賦の均等払い(一括払いも可)です。
月賦の場合
貸付額40万円を月賦で返還する場合、毎月約25,000円の返還となります。
半年賦の場合
貸付額40万円を半年賦で返還する場合、半年ごとに約150,000円の返還となります。
一括払いの場合
貸付額40万円を一括で返還する場合、40万円を一括で返還します。
延滞利子
返還期間内に返還されない場合は、延滞元金に対し年3%の延滞利子が徴収されます。
離職介護人材再就職準備金貸付事業の申込みから貸付金が交付されるまでの流れ
- 離職介護人材届出
- 申込書類の提出
- 再就職の届出
- 審査・決定
- 借用証書の提出
- 貸付金の交付
- 返還猶予の申請・承認
- 所定期間の従事
- 返還免除の申請・承認
- 返還
離職介護人材再就職準備金貸付事業を利用するためには、以下の流れで手続きを進めます。
【1】離職介護人材届出
離職後、まず現住所がある都道府県福祉人材センターに離職介護人材届出を行います。届出は、インターネットから行うことも、郵送で行うこともできます。
【2】申込書類の提出
再就職が内定したら、申込書類を各都道府県の福祉人材センターに郵送で提出します。申込書類には、以下のようなものがあります。
- 離職介護人材届出書
- 離職介護人材再就職準備金利用計画書兼貸付申込書
- 介護職員等としての実務経験が1年以上あることを証明する書類
①「実務経験証明書」
②「従事日数内訳書」 - 資格証明書の写し
(介護福祉士登録証又は介護福祉士実務者研修、初任者研修、介護職員基礎研修、1級課程、2級課程のいずれかの研修の受講が修了していることを証明する書類のいずれか 1 点) - 申込者の住民票
(発行から3ヶ月以内) - 連帯保証人の書類
(個人の場合と法人の場合で異なります)
【3】再就職の届出
再就職後、3ヶ月以内に再就職届を各都道府県の福祉人材センターに提出します。
【4】貸付審査
申込書類の提出後、各都道府県の福祉人材センターで貸付審査を行います。原則、毎月20日までに届いた申請に対して、翌月5日までに結果を通知します。
【5】借用証書等の提出
貸付決定を受けた場合は、借用証書等を各都道府県の福祉人材センターに提出します。借用証書には、借受人、連帯保証人それぞれが署名・押印(実印)し、印鑑登録証明書を添付し、収入印紙を貼付して提出します。
【6】貸付金の交付
期日までに借用証書等を提出し、不備がなければ、貸付金が借受人の口座に振り込まれます。申込みから貸付金の交付まで、最短で2ヶ月程度かかります。
【7】返還猶予の申請・承認
就職後、2年間以上、申込先の都道府県の介護サービス事業所・施設で介護職員等の業務に従事している間は、返還の猶予が可能です。返還猶予の申請は、就職後、2年間を経過した時点で行う必要があります。
【8】所定期間の従事
返還猶予の要件を満たした場合、2年間以上、申込先の都道府県の介護サービス事業所・施設で介護職員等の業務に従事する必要があります。
【9】返還免除の申請・承認
以下の条件を満たした場合、貸付金の返還が免除されます。
就職後、継続して2年間以上、申込先の都道府県の介護サービス事業所・施設(障害福祉サービス事業所は該当しません。)で介護職員等の業務に従事すること
返還免除の申請は、所定期間を満たした時点で行う必要があります。
【10】返還
返還猶予の要件を満たさなかった場合や、返還免除の申請が不承認となった場合、貸付金の返還が必要となります。返還期間は16ヶ月以内であり、返還方法は月賦または半年賦による均等払い、または一括払いとなります。
離職介護人材再就職準備金貸付事業のメリット
- 再就職にかかる費用を負担せずに再就職できる
- 再就職先で安定して働くことができる
- 介護職員としてのスキルや経験を積むことができる
- 介護人材の不足解消に貢献できる
離職介護人材再就職準備金貸付事業を利用することで、以下のメリットを得ることができます。
再就職にかかる費用を負担せずに再就職できる
離職した介護職員は、再就職にあたり、転職活動や資格取得などの費用を負担する必要があります。この事業を利用することで、これらの費用を貸付けで賄うことができるため、再就職にかかる負担を軽減することができます。
再就職先で安定して働くことができる
この事業の返還免除の条件は、2年以上、申込先の都道府県の介護サービス事業所・施設で介護職員等の業務に従事することです。
そのため、この事業を利用することで、再就職先で安定して働くためのモチベーションを高めることができます。
介護職員としてのスキルや経験を積むことができる
この事業では、再就職先で必要な費用を貸付けるだけでなく、再就職先の事業所・施設と連携して、再就職先でのスキルアップやキャリアアップを支援する取り組みも行っています。
そのため、この事業を利用することで、介護職員としてのスキルや経験を積むことができます。
介護人材の不足解消に貢献できる
高齢化の進展に伴い、介護人材の不足が深刻化しています。この事業を利用することで、離職した介護職員が再就職し、介護人材の不足解消に貢献することができます。
離職介護人材再就職準備金貸付事業のデメリット
- 貸付金の返還義務がある
- 貸付金の返済が生活を圧迫する可能性がある
- 連帯保証人が必要になる
離職介護人材再就職準備金貸付事業を利用することで、以下のデメリットを感じる可能性があります。
貸付金の返還義務がある
この事業の返還免除の条件は、2年以上、申込先の都道府県の介護サービス事業所・施設で介護職員等の業務に従事することです。そのため、2年以上再就職先で働くことができない場合、貸付金は返還する必要があります。
貸付金の返済が生活を圧迫する可能性がある
貸付金の返済額は、貸付額と返還期間により異なります。貸付額が多い場合や返還期間が長い場合、返済額が大きくなり、生活を圧迫する可能性があります。
連帯保証人が必要になる
この事業では、貸付金の返済が困難になった場合に備えて、連帯保証人が必要となります。連帯保証人は、申込者の貸付金の返還義務を負うため、慎重に選ぶ必要があります。
離職介護人材再就職準備金貸付事業のQ&A
離職介護人材再就職準備金貸付事業に関するよくある質問をまとめてみましたので参考にしてみてください。
離職介護人材再就職準備金貸付事業とは何ですか?
離職した介護職員が再就職に必要な費用を貸付けることで、再就職を支援する事業です。貸付額は最大40万円で、返還期間は16ヶ月以内です。
誰が対象になりますか?
以下の条件を満たす方が対象です。
①介護職員等としての実務経験が1年以上ある
②直近の介護職員等としての離職日から 1 年以上経過している
③直近の介護職員等としての離職日から介護職員等として再就職するまでの間に、都道府県の福祉人材センターに、離職介護人材としての届出を行っている
④次のいずれかの資格を取得している
ア)介護福祉士
イ)実務者研修修了
ウ)介護職員初任者研修、介護職員基礎研修、訪問介護員(ホームヘルパー)1 級課程、訪問介護員(ホームヘルパー)2 級課程のいずれかを修了
⑤都道府県の介護サービス事業所・施設に介護職員等として再就職後、引き続き2年以上介護職員等の業務に従事する意思がある
⑥都道府県の介護サービス事業所・施設に介護職員等として就職した
⑦都道府県の社会福祉協議会及び他の道府県が適当と認める団体から同種の資金を借り受けたことがない
どんな費用が貸付されますか?
以下の費用が貸付されます。
転職活動にかかる費用(交通費、宿泊費、資料代など)
資格取得にかかる費用(受験料、テキスト代など)
再就職先で必要な費用(制服代、研修費など)
返還免除の条件は何ですか?
以下の条件を満たすと、貸付金は返還免除となります。
再就職後、引き続き2年以上、申込先の都道府県の介護サービス事業所・施設で介護職員等の業務に従事すること
申込み方法は?
以下の方法で申込みできます。
申込先の都道府県社会福祉協議会に「離職介護人材再就職準備金貸付事業」の申込書を提出してください。申込先の都道府県社会福祉協議会のホームページから申込書をダウンロードし、郵送してください。
おわりに
離職介護人材再就職準備金貸付事業は、離職した介護職員が再就職する際に、最大40万円までの費用を貸し付けることで、再就職を支援する事業です。
返還期間は16ヶ月以内と利用しやすい条件で、貸付対象費用は転職活動や資格取得、再就職先で必要な費用など、再就職に必要な費用を幅広くカバーしています。
ただし、返還免除条件を満たすためには、再就職後、引き続き2年以上、介護職員等の業務に従事することが前提となるため、注意が必要です。