ウォーキングを始めようと思うんだけど、どれくらい歩けばいいのかしら?
このように
- 高齢者がウォーキングをする効果について詳しく知りたい
- 健康のためにウォーキングをしたいと考えている
など上記の方々はこの記事を読むことで解決できます。
この記事では、ウォーキングとは、高齢者がウォーキングをする効果、ウォーキングをする前の準備運動、正しいウォーキング方法、ウォーキングするときの注意点、ウォーキングの歩数、ウォーキングとジョギングの違い、ジョギングやランニングのリスクと原因は、などについてわかりやすく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
ウォーキングとは
ウォーキングとは、日常的な歩行や散歩と違い、元気に自立した生活を送ることを意識して行う有酸素運動になります。
ウォーキングは高齢者の方でも簡単にいつでもどこでも行うことができ、身体にかかる負荷もほとんどないのでおすすめの運動です。
高齢者がウォーキングをする効果
運動療法をすることでどのような効果やメリットがあるのか見ていきましょう。
脳血管性認知症の予防
ウォーキングを含めた運動は脳の血行を良くし脳血管性認知症リスクを低下させることがわかっています。
イタリアの65歳以上の高齢者749人に対して、ウォーキング、適度な身体活動、総身体活動量などに基づきグループ分けをし、脳血管性認知症の発症リスクの比較について、4年間の追跡調査を行った。その結果、ウォーキングの習慣がある人や日常生活でよく身体を動かす人は、認知症のリスクが7割以上も減った結果が出た。
糖尿病の予防
ウォーキングの量を増やすことで糖尿病リスクを低下させることがわかっています。
ハーバード公衆衛生大学院の調査によると、40~65 才までの女性看護師 70,102 人を対象に総身体活動と 2 型糖尿病の発生率の関係、ウォーキングと激しい運動の効果などについて 8 年間の追跡調査を実施した。その結果、8 年間の追跡調査 (534, 928 人年) の間に、2 型糖尿病は1,419人診断されたが、ウォーキングを長時間したり、速足で歩くことで糖尿病の発症リスクが有意に減ることがわかった。
高血圧の改善
定期的な有酸素性運動は糖負荷2時間後の中心血圧を低下させるのに有効であることがわかっています。
肥満男性 39 名が 12 週間の定期的な有酸素性運動および食習慣改善の併用介入を完遂した。その介入前後において、空腹時の中心収縮期血圧、摂取エネルギー量、身体活動量を測定した。研究課題 2:肥満男性 15 名が 12 週間の食習慣改善の単独介入を完遂した。その介入前後において、空腹時および糖負荷 2 時間後の中心収縮期血圧を測定した。その結果、肥満男性における 12 週間の定期的な有酸素性運動および食習慣改善の併用介入後に、空腹時の中心収縮期血圧は有意に低下した。さらに、その低下は、身体活動量の増加に独立して、摂取エネルギー量の減少と有意に関連した。
血糖値の改善
階段昇降運動を短時間繰り返すことで比較的身体への負担なく効率的に血糖値を下げることがわかっています。
血糖値変化量比較研究糖尿病患者および食後高血糖症状を呈する人合わせて10名の被験者に、15分間の座位安静の後、段数20段の階段昇降運動と自転車運動を行い、3条件間で、血糖値の変動を比較した。その結果、食事開始から 90 分の時点において 3 条件の間に統計的に有意な違いは認められなかったが、同 105 分の時点での血糖値は、階段昇降条件が座位安静条件および自転車条件に比べて有意に低値を示し、階段昇降運動が、他に比べて効率よく血糖値を下げることが明らかになった。
リラックス効果
ウォーキングをすることで心理的面への効果があることがわかっています。その理由は、歩いて日光を浴びることで心の精神を安定させる神経伝達物質「セロトニン」が分泌されるからです。
北星学園大学の授業において学生51名に、60分のウォーキング運動実施前後にPOMS23(気分プロフィール検査)を実施し、ウォーキング前後の測定をした。その結果、緊張50.6→45.1、抑うつ53.8→48.7、敵意48.7→44.1、活力49.0→52.2、疲労53.0→47.5、混乱55.7→48.8 と変化し、ウォーキングを実施後、緊張、抑うつ、敵意、疲労、混乱といったネガティブな感情は低下し、活力といったポジティブな感情が向上した。
ウォーキングをする前の準備運動
ウォーキングを行う前にストレット運動をすることで、身体の血液の循環が良くなり、疲労回復効果や怪我の防止になります。
①背筋伸ばし
②肩のストレッチ
③片足立ち太もも伸ばし
④アキレス腱伸ばし
⑤膝の屈伸
⑥背筋の後屈
⑦脇腹・股関節のストレッチ
正しいウォーキング方法
健康を意識してウォーキングをするためには、まず、あごを軽く引き、頭を吊り下げられているイメージでピーンと背筋を伸ばします。肩の力を抜き、腕を軽く振ります。
足は軽く膝を伸ばし、歩幅は少し広めにし、かかとから下ろします。足先は真っすぐ向け、親指の付け根で押し出すように歩きます。
ウォーキングするときの注意点
ウォーキングするときは以下のことに注意して行いましょう。
水分補給をする
ウォーキングの際は、脱水を防ぐためこまめに水分補給をしましょう。
運動中は、汗をかくことで血中の水分量が減って血液濃度が高くなドロドロになります。
そのため、ウォーキング最中だけでなく、始める前、終わった後も常に喉を潤しておくことで血液がサラサラになり強い健康的な血管にすることができます。
歩きやすい靴を履く
ウォーキング時には歩きやすい靴、すなわちウォーキングシューズを履きましょう。
ウォーキングシューズは、長時間履いても体への負荷が少なく疲れにくいのが特徴です。また、ランニングシューズと違い、適度な重さもあり1歩1歩が踏み出しやすい設計になっています。
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動きやすい服装にする
ウォーキングの服装は、季節問わず動きやすく機能性が高いものを選びましょう。
トップス
ウォーキング時は発汗しますので、汗を吸い乾きが速い、吸汗速乾生地のシャツがおすすめです。
また冬場は、汗によって体を冷やさないように、ネックウォーマーなども取り入れましょう。
▼男性
▼女性
パンツ
通気性が良く吸汗速乾生地のパンツを選ぶことで蒸れずに快適に歩くことができます。
冬場は、体を冷やさない防寒性や保温性が高いパンツがおすすめです。
靴下
ツルツル生地の靴下だと靴の中で動いてしまうため、靴下底に滑り止めが付いた物が良いです。
また通気性が良く吸汗速乾生地を選びましょう。
万歩計を携帯する
万歩計のみの機能を持ったものよりも、消費カロリーや歩行距離、心拍数などが測れる多機能性に優れた腕時計タイプがおすすめです。
腕時計タイプはスマートウォッチと呼ばれており、スマホと連携してメール通知などもできます。
ウォーキングの歩数
有酸素運動の中でも気軽に行えるウォーキングはいろいろな健康効果がありますが、認知症予防にも効果があります。歩くことで血流が良くなり、心肺機能も活性化されます。背筋を伸ばし、歩幅は広めで、少し早めに歩くのがコツです。
また、2016年1月12日にテレビ朝日「たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学」の番組内で、認知症の予防ができる歩数が放送されていました。
群馬県中之条町の65歳以上の高齢者5000人を対象に、10年以上にわたり、病気の予防などについて調査を行ったもので、群馬県中之条町での奇跡の研究といわれています。
研究結果によると、中強度の活動(早歩きなど)の時間や歩数によって、認知症や他の病気の予防にも効果的ということでした。
1日あたりの平均歩数と中強度の活動時間
- うつ病4000歩(5分以上)
- 認知症、心疾患、脳卒中5000歩(7.5分以上)
- がん、動脈硬化、骨粗しょう症7000歩(15分以上)
- 高血圧症、糖尿病8000歩(20分以上)
- メタボリックシンドローム10000歩(30分以上)
年齢に関係なく、1日8000歩、中強度活動20分を意識して生活してみましょう。
病気予防のためにも、無理のない範囲で毎日の習慣になるよう心がけましょう。
ウォーキングとジョギングの違い
ウォーキングは歩く、ジョギングは走る、違いはそれだけではありません。共に有酸素運動のため
- 脳の血流促進効果による認知症予防
- 生活習慣病の予防
- 新陳代謝の活性化
- 心肺機能が向上
- 血行が良くなり、身体がリラックスする
- 自律神経バランスを整える
- 免疫力が高まる
のような効果を生むため、高齢者にとって必要な運動と言えます。ウォーキングとジョギングでは、身体への負担や続けやすさなど違いがあります。
ウォーキング
- どちらか一方の足が必ず地面に接している
- 心拍数は約120(少し息が上がる程度)
- 関節や筋肉への負担が少ない
- 疲れにくいため、長期的に続けることができる
- 長期間続けないと筋力が鍛えにくい
ジョギング
- 両足が空中に浮く瞬間がある
- 心拍数は約120~130(軽い息切れ程度)
- 心肺機能がしっかりしていないと負担が大きい
- 負担が大きいため、長時間継続しにくい
- 短期間で筋肉を鍛えることができる
個人差はありますが、体力に自信が無い方、運動不足の方、高齢者の方などは、出来るだけリスクを避けるためにも、ウォーキングから始めましょう。
ジョギングやランニングのリスクと原因は?
ジョギングやランニングは足腰への負担や怪我などが心配されますが、それだけではありません。運動量が上がると、それだけ酸素を多く取り込むので、活性酸素が大量に発生します。
活性酸素はいろいろな細胞を傷つけるため、老化を早めたり、病気の危険性を高めるのです。また朝のジョギングやランニングは、突然死の可能性を高めます。突然死で亡くなる方は、午前中が多いといわれています。
起床時、血圧は急上昇しやすいため急激な負担をかけると、心筋梗塞や脳梗塞、急性心筋梗塞などになりやすいのです。起きてから1~2時間は控えましょう。
おわりに
いかがでしたか?30代40代から運動不足の人は運動している人に比べて認知機能の衰えが早く、20、30年後に認知症になる確率が高まると言われています。しかし、60、70、80代になっても身体と頭を使った運動をすることで脳が活性化することも研究でわかってきました。 1日1回、軽い運動から始めて習慣化させ、認知症予防をしていきましょう。
・肥満男性における定期的な有酸素性運動および食習慣改善が糖負荷前後の中心血圧に与える影響
・階段昇降運動による食後高血糖症状の緩和と糖代謝機能の改善
・ウォーキング授業における生理的・心理的効果
・2008 May 6;70(19 Pt 2):1786-94. doi: 10.1212/01.wnl.0000296276.50595.86. Epub 2007 Dec 19.