免許返納したのでシニアカー使ってみようと思うんだけど、免許は必要なのかしら?
このように
- シニアカーについて詳しく知りたい
- シニアカーの料金が気になる
- シニアカーのメリット・デメリットが知りたい
など上記の方々はこの記事を読むことで解決できます。
この記事では、シニアカーとは、シニアカーの特徴、購入金額、購入とレンタルの違い、メリット・デメリット、保険・補償について、などについてわかりやすく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
シニアカーとは
シニアカーとは、足を揃えて座ったまま乗車し移動できる電動車イスのことをいいます。
三輪や四輪の安定した形状の一人乗りで、見た目は原動機付自転車のようですが運転免許は必要なく、ヘルメット着用の義務もありません。方向はハンドルやジョイスティックで簡単に操作でき、購入し操作方法を覚えればすぐに利用できます。
道路交通法上は歩行者と同じ扱いで歩道を走行し、歩道が無い道路では右側を走行します。動力は電気で、家庭用電源から充電できます。
シニアカーの特徴
【1】免許・車検・ナンバープレート
シニアカーはどのタイプでも運転免許は不要です。車検も必要なくナンバープレートもありません。
クルマのように、運転免許講習を受けたり駐車スペースの確保や登録など、事前準備が必要ないので、購入すればすぐに利用を開始できます。
【2】最高速度
速度は全メーカーとも時速1kmから時速6kmとなっていて、走行時に自分で好みの速度に設定することができます。
速度は最大でも大人が早足で歩く程度のスピードまでなので、高齢者でも安全に運転できるとされています。
【3】バッテリー
シニアカーのバッテリーは、駐車ブレーキをかけて電源を切った後、電源プラグを家庭用コンセントに差し込むだけで、簡単に充電することができます。
メーカーや車種によって異なりますが
- 充電時間 → 8時間~15時間くらい
- 連続走行 → 可能な距離は20~30km
- 電気代 → 1回の充電で数十円程度
とされています。
使用状況によりますが通常2~3年が交換時期で、バッテリーが2個付いている場合は両方同時に交換します。
自分で専用バッテリーを用意し交換することも可能ですが、販売店で交換してもらうこともでき、その場合個数分のバッテリー代金と工賃を合わせた費用が掛かります。
以前よりも走行距離が短くなったり、充電時間が長くかかるなどの変化がみられたら、経過期間がそれより短くても交換がおすすめです。
【4】最大積載量
使用者の体重と荷物を合わせた最大積載量は、シニアカーの大きさや三輪タイプか四輪かなど形状によっても異なりますが、以下のようなのが一般的なようです。
積載容量 | |
通常 | 100kg~150kg |
大型 | 200kg前後 |
前かごのみ | 3~5kg |
【5】商業施設の利用
歩行者と同じ扱いのシニアカーですが、商業施設での走行許可は義務付けられておらず、利用については各商業施設のルールに従うことになります。
規模が大きくバリアフリー化されている店舗等では乗り入れ可能な施設も多いですが、小規模の店舗では通路が狭いなど利用に向かない施設や、乗り入れができない所もありますので、事前に確認してから来店するのが安心です。
【6】公共交通機関の利用
ハンドル型電動車イス(シニアカー)の鉄道利用については、国土交通省が平成30年4月1日から新しい利用要件を示しています。
これによると、これまで介護保険での利用者に限るとされてきた人的要件がなくなり、すべてのハンドル型電動車イス利用者の、デッキなし通勤型車両の利用が可能になりました。
しかし新幹線を含む特急型車両の利用については車イスの構造要件があるほか、地下鉄・電車・バスなどでは各社取り扱いが異なるので、利用する交通機関にあらかじめ問い合わせてください。
【7】病院・医療機関での利用
シニアカーは、速度は遅いものの大きな車体が狭い屋内で歩行者と接触すれば、ケガをさせてしまう危険もあります。
病院内の患者は、接触・衝突の危険をとっさに避けることが難しいですし、ぶつかった場合に故障や破損のおそれのある医療機器も多いことから、医療機関では事故防止のためシニアカーの利用を制限しているところが多くあります。
歩行が不自由な人がシニアカーで来院した場合は、玄関でシニアカーを降り病院内で使用可能な介助式車イスに乗り換えてもらう対応をしているところがほとんどですが、病院にかかる前に問い合わせて対応を聞いておくと良いでしょう。
「シニアカー」「セニアカー」「電動カート」「電動車イス」の違い
電動車イス
電気を動力として自走する車イスのことをいいます。
手動で動かす「車イス」と同じ形状のものを指す場合が多く、ハンドルや前かごのついた大型のものは「シニアカー」または「電動カート」と呼んで区別するのが一般的です。
使用するのは高齢者ばかりではなく、からだの不自由な幼児や若者のユーザーも多く、折りたためる軽量の電動車イスもあります。
電動カート
電動カートとは、シニアカー各種を含めた電動で動く乗り物の総称で、遊園地のゴーカートなどの乗り物も含まれます。
通称としてシニアカーのことを電動カートと呼ぶ場合もあります。
セニアカー
セニアカーとは、シニアカーのことを指して使う場合もありますが、自動車メーカーのスズキが商標登録した名称で、正しくはスズキ製のシニアカーのみを「セニアカー」といいます。
自動車メーカーではほかにトヨタやホンダ、農機具メーカーのクボタや、バイクメーカーでもあるヤマハなども販売していますが、いずれもシニアカーという名称になっています。
シニアカー の購入金額は?
価格と選び方
シニアカーは、安いものでは10万円台からあり、20~30万円台の製品が多く、高いものでは50万円以上というものもあります。安い価格帯では海外製の製品が多い傾向がみられ、仕様や性能により価格にも差があるようです。
選ぶ基準にはもちろん予算も関わってきますが、
- 小回りが利く
- 操作がしやすい
- 悪路も走行しやすいタイヤの大きさ
- 補助タイヤの有無
- 坂道を登るパワー
- 最大斜度
住んでいる地域に必要な機能を満たしているものなど自分に合った製品を選ぶと良いでしょう。
介護保険の利用が可能
シニアカーは、介護用ベッドや手すり等と同様に、介護保険サービスにおける福祉用具の対象になっています。購入は対象外ですが、レンタルでは介護保険が適用されます。
レンタルできる
対象になる介護度に認定された人が、主治医やケアマネジャーによってシニアカーが必要と判断された場合、介護保険サービスでシニアカーをレンタルすることができます。
初期費用が高額になる購入と違い、月々のレンタル料のみで安価に利用でき、修理やメンテナンスも費用が掛かりません。
また、介護保険利用ではないレンタルを行っているシニアカー専門店等では、ネット等の申し込みだけで利用が可能ですが、その場合は配送・返却料やメンテナンス、保険料が別途かかることがあります。
「シニアカー」購入・レンタルの違い
「シニアカー」を購入する場合とレンタルする場合の違いについて表にまとめてみました。
購入 | レンタル(介護保険利用) | |
費用 | 約10万円~50万円 (車種やメーカー、機能によって異なる) |
月額約2000円~ (条件によって変わります) |
必要な手続き | 特に必要なし (購入後すぐに利用可能) |
介護認定の手続き後、 ケアプランを作成してもらいレンタル開始 |
メンテナンス料 | その都度自己負担の必要あり | 無料 (レンタル料に含まれる) |
交換 | 不可 | 可能 (介護度の変化などに応じて交換できる) |
購入のメリット
【メリット①】好きな車種や機能を幅広いメーカー、種類から選べる
シニアカーは各メーカーが様々な価格・仕様の製品を販売しています。自分の用途や好みに応じて、納得がいくものを選べるのが購入するメリットです。
【メリット②】手続きを経ず、すぐに利用できる
レンタルの場合に必要な、介護保険サービス等に関わる手続きが不要なので、購入すればすぐ利用できる利点があります。
購入のデメリット
【デメリット①】購入価格が高額である
安いものでも10万円台からと、初期費用が高額になります。
【デメリット②】維持費がかかる
修理やメンテナンスにかかる費用は自己負担になり、保険も自分で契約する必要があります。
レンタルのメリット
【メリット①】安い費用で利用できる
購入のような高額な初期費用がかからず月額数千円程度で利用でき、メンテナンスや保険にかかる費用もレンタル料に含まれています。
【メリット②】変更や交換が可能
利用中に介護度が変わったり、別の機能があるものを利用したい場合に、レンタルでは違うタイプのシニアカーに変更することが可能です。
レンタルのデメリット
【デメリット①】利用までに必要な手続きが面倒
介護保険を利用してレンタルする場合は、手続きを経なければいけないので、利用まで時間や手間がかかるところがデメリットといえます。
【デメリット②】選べる種類が少ない
各事業所で扱っている製品の中から選ぶことになるので、購入に比べて種類はずっと少なくなります。自分が使いやすいようにカスタマイズするということもできません。
シニアカーの保険・補償について
シニアカーに関する保険では、購入の場合に初年度は保険が付いていて2年目から自分で継続していくというケースが多くあります。
レンタルの場合は、レンタル料に保険や補償費用も含まれていますので、内容を確認しておきましょう。
シニアカーでの事故等に備える保険商品には、一般的に次のようなものがありますが、取り扱いの保険各社で内容や加入条件は異なります。
これらの保険は購入時の店舗で加入できる場合もありますし、現在損害保険に加入しているのなら、特約で必要な補償を付加できることもあるので、一度確認すると良いでしょう。
車両本体の補償
転倒や交通事故などでシニアカーが故障・破損した場合や、盗難に遭った場合に保険金が支払われます。購入の場合、本体の補償保険金の額は経過年数によって減額していくのが一般的です。
本人のケガに対する補償
事故による本人のケガや後遺障害に対して補償される保険もあります。
シニアカー利用中のケガによる入院費用や手術代、通院治療費などが状態や入院日数に応じて支払われます。
賠償責任の補償
シニアカーで走行中に歩行者にぶつかってケガをさせてしまったり、接触して物を破損させたような場合に、それらの賠償をするために支払われる保険です。
加入義務はありませんが、相手のケガや損害が大きく多額の賠償を負うこともあり得るので、シニアカーを利用するなら入っておくのが安心でしょう。
おわりに
高齢でも簡単に操作でき、身近な足として利用できるシニアカーは、免許返納後の高齢者にとっては頼りになるものです。
しかし安全に利用するためには、乗り入れ場所での配慮や走行時の注意、もしもの時の保険など、準備や心構えも必要です。
この記事を快適なシニアカー生活を始めるきっかけにしていただけると幸いです。