介護保険の二次判定って具体的になにをやっているの?
このように
- 介護保険の二次判定について詳しく知りたい方
- 二次判定の流れが知りたい方
など上記の方々はこの記事を読むことで解決できます。
この記事では、二次判定とは、介護認定審査会とは、二次判定(介護認定審査会)の流れ、認定結果、認定結果に不服の場合は、などについてわかりやすく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
二次判定とは?
二次判定とは、
- 一次判定の結果
- 主治医意見書の写し
- 訪問調査での特記事項の写し
をもとに保健・医療・福祉の専門家が集まる「介護認定審査会」において要介護(要支援)度を最終決定するものです。
介護認定審査会とは?
介護認定審査会とは、一次判定の結果やその他の情報をもとに、各専門家が集まり要介護度を最終決定する会議です。
委員の構成
介護認定審査会に参加する委員は、保健、医療、福祉に関する学識経験者を各市町村長が任命します。参加する委員の定数は5名を標準として市町村で定める数とされています。
介護認定審査会では、それぞれの分野から専門的な視点で会議を開催することが望ましく各分野の委員のうち、いずれかの分野が欠席の場合には介護認定審査会を開催しないことが望ましいとされています。
なお各分野の主な職種は以下のとおりです。
- 保健分野・・・保健師、看護師など
- 医療分野・・・医師、歯科医師、薬剤師など
- 福祉分野・・・社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員など
会議
会議は委員の中から互選で選ばれた会長によって招集されます。
議事は出席した委員の過半数により決定され、可能な限り合意を得ることが重要とされており必要に応じて審査対象者や家族、介護者、主治医、調査員に意見を聞くことが出来ます。
なお、介護認定審査会は原則非公開で開催されます。
その他
介護認定審査会では開催に先立ち、審査対象者の個人を特定する情報を削除した上で、
- 一次判定の結果
- 特記事項の写し
- 主治医意見書の写し
を各委員に事前配布します。
介護認定審査会は個人を特定できないようにすることで、公平公正を保てるように主観の入らない形で会議が行われています。
介護認定審査会では、市町村長が委員を任命するので認定結果については市町村が責任を負っています。
二次判定(介護認定審査会)の流れ
一次判定の修正・確定
一次判定の調査結果が、基本調査項目の定義に照らして
- 特記事項の記載内容
- 主治医意見書の内容
と整合性が取れているかを確認します。
修正が必要な場合には、委員が事務局に対して理由を明らかにして修正を依頼します。
二次判定で一次判定の選択が適切に行われているか確認作業を行い、承認することで一次判定の結果が確定することになります。
主治医の意見書
主治医の意見書とは、申請者のかかりつけ医に依頼して作成してもらう書類です。
主治医意見書と認定調査項目の中には、類似の項目がありますが主治医意見書は認定調査と異なる視点から作成されているので主治医意見書の内容だけで一次判定の結果を修正できるものではありません。
主治医意見書は申請者の状況を多角的に見るという点で意義があるものとなっています。
介護の手間にかかる審査判定
特記事項及び主治医意見書に基づいて、介護の手間がより「かかる」、「かからない」かについて議論を行います。
通常より手間が「かかる」、「かからない」と判断した場合には、要介護認定等基準時間なども参照にしながら要介護状態区分の変更が必要かどうかを確認します。
一次判定の結果から要介護状態区分を変更する場合には、特記事項や主治医意見書の記載内容から理由を明らかにして記録し、事務局に報告します。
介護認定審査会として付する意見
介護認定審査会では、要介護状態区分の決定後に、特に必要と考えられる場合には介護認定審査会として
- 認定の有効期間を原則より短くあるいは長くする
- 要介護状態の軽減または悪化の防止のために必要な療養についての意見
について意見を付することが出来ます。
認定結果
要介護(要支援)認定は、
一次判定
↓
二次判定(介護認定審査会)
を経て要介護(要支援)度が決定されます。
後日、
- 要介護認定結果通知
- 認定内容が記載された介護保険被保険者証
が、申請者に郵送され、その効力は申請日にさかのぼって発生します。
認定の有効期間
要介護認定には有効期間があり、有効期間が過ぎてしまうと、介護サービスを利用することが出来なくなってしまいますので注意が必要です。
一般的には、
- 在宅の場合 → 在宅介護サービスを利用中には担当ケアマネ
- 施設の場合 → 入所中の場合には施設ケアマネ
が有効期間の満了前に更新を進めてくれることが大半です。
なお、認定の有効期間は
- 新規申請
- 変更申請
- 更新申請
ごとにそれぞれ有効期間の範囲が決められています。
認定の有効期間は以前と比較すると長期間の有効期間が示される傾向が見られます。
申請区分等 | 原則の 認定有効期間 |
認定可能な 認定有効期間の範囲 |
|
新規申請 | 6ヶ月 | 3ヶ月~12ヶ月 | |
区分変更申請 | 6ヶ月 | 3ヶ月~12ヶ月 | |
更新申請 | 前回要支援 →今回要支援 |
12ヶ月 | 3ヶ月~36ヶ月 |
前回要支援 →今回要介護 |
12ヶ月※ | 3ヶ月~36ヶ月※ | |
前回要介護 →今回要支援 |
12ヶ月 | 3ヶ月~36ヶ月 | |
前回要介護 →今回要介護 |
12ヶ月※ | 3ヶ月~36ヶ月※ |
更新申請
更新申請とは、認定の有効期間を過ぎても要介護・要支援の状態にあると見込まれる場合に、市町村に対して要介護度の更新を申請することです。
更新申請では初回の介護認定と同様の手続きを経て、新しい認定結果を受けることが出来ます。
なお、更新申請は有効期間満了の60日前から満了日の間に行うことが出来ますが、出来る限り30日前までに更新申請をすることが望ましいとされています。
更新申請によって決まった認定結果の有効期間は、申請日からではなく前回の有効期間満了日の翌日からとなります。
区分変更申請
区分変更申請とは、認定を受けている要介護(要支援)度の有効期間中に心身の状態の悪化や重度化もしくは軽快により著しく異なる状態となった場合に要介護認定を変更する目的で行う申請です。
変更申請の結果、要介護度が変更となった場合には申請日から効力が有効となります。
一般的には、介護サービスが多く必要となった場合や、施設への入所申込のために要介護度を高くする目的で変更申請が行われます。
一方で、変更申請を行って要介護度が高くなった場合には、現在使用している介護サービスの利用料金が高くなることが一般的なので変更申請が必要かどうかを慎重に判断する必要があります。(利用料金が要介護度に関係ない介護サービスもあります。)
認定結果に不服の場合は?
要介護認定結果に不服がある場合には、まずは担当の介護支援専門員や市町村に問い合わせを行いましょう。
それでも納得がいかない場合には、認定結果を知った翌日から60日以内に都道府県に設置された介護保険審査会に対して不服申請をすることが出来ます。
ただし、不服申請を行った場合は新しい要介護度が出るまでに数ヶ月かかってしまうため、あまり使われる方法ではありません。
おわりに
要介護認定結果は、専門家の調査や会議を経て公平公正に決定されます。
要介護認定結果は、今後数カ月から数年間の介護サービスの利用を左右するものなので、少しでも不明な点があれば介護支援専門員や市町村に問い合わせましょう。