DASC-21(ダスク21)とは|認知症テストのやり方、評価点数、カットオフについて解説

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女性

親にDASC-21をやってもらおうと思うんだけど、誰でもできるのかな?

このように

  • DASC-21について詳しく知りたい
  • 親が認知症の疑いがあるのでテストしたい
  • DASC-21のカットオフ値が知りたい

など上記の方々はこの記事を読むことで解決できます。

介護の123編集部
介護の123編集部

この記事では、DASC-21と(ダスク21)は、DASC-21を行う時の注意点、DASC-21を行う、DASC-21の評価(カットオフ値)、などについてわかりやすく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。

目次(もくじ)
  1. DASC-21(ダスク21)とは
    1. DASC-21で何がわかる?
    2. DASC-21は誰でもできる
    3. DASC-21で準備するもの
  2. DASC-21を行う時の注意点
  3. DASC-21を行う
    1. 【問A】導入の質問
    2. 【問B】導入の質問
    3. 【問1】記憶(近時記憶)
    4. 【問2】記憶(近時記憶)
    5. 【問3】記憶(遠隔記憶)
    6. 【問4】見当識(時間)
    7. 【問5】見当識(場所)
    8. 【問6】見当識(道順)
    9. 【問7】問題解決判断力(問題解決)
    10. 【問8】問題解決判断力(問題解決)
    11. 【問9】問題解決判断力(社会的判断力)
    12. 【問10】家庭外のIADL(買い物)
    13. 【問11】家庭外のIADL(交通機関)
    14. 【問12】家庭外のIADL(金銭管理)
    15. 【問13】家庭内のIADL(電話)
    16. 【問14】家庭内のIADL(食事の準備)
    17. 【問15】家庭内のIADL(服薬管理)
    18. 【問16】身体的ADL①(入浴)
    19. 【問17】身体的ADL①(着替え)
    20. 【問18】身体的ADL①(排泄)
    21. 【問19】身体的ADL②(整容)
    22. 【問20】身体的ADL②(食事)
    23. 【問21】身体的ADL②(移動)
  4. DASC-21の評価(カットオフ値)
    1. 30点未満の方
    2. 31点以上で遠隔記憶、場所の見当識、社会的判断力、身体的ADLに関する項目のいずれもが1点または2点
    3. 31点以上で遠隔記憶、場所の見当識、社会的判断力、身体的ADLに関する項目のいずれかが3点または4点
    4. 31点以上で遠隔記憶、場所の見当識、社会的判断力、身体的ADLに関する項目のいずれもが3点または4点
  5. おわりに

DASC-21(ダスク21)とは

DASC-21とは、通称:ダスク21といい、認知症を調べるために「認知機能障害」と「生活機能障害」かどうかを簡易的にスクリーニング(ふるい分け)するため知能検査になります。

DASC-21の正式名称は「地域包括システムにおける認知症アセスメントシート」といい、英語表記では、The Dementia Assessment Sheet for Community-based Integrated Care System-21 itemsになります。

介護の123編集部
介護の123編集部

DASC-21は、東京都健康長寿医療センター研究所の医学博士 栗田主一さんによって公表された認知症の簡易診断テストで、日本語を含めた5ヵ国語の翻訳も作成されています。

DASC-21で何がわかる?

DASC-21は、「A,B項目」と「21項目」の評価項目から84点中、31点以上で認知症の可能性(認知機能の低下)が高いことがわかる仕組みとなっています。

【21の評価項目】
記憶
 ・近時記憶
 ・遠隔記憶
見当識
 ・時間
 ・場所
 ・道順
問題解決判断力
 ・問題解決
 ・社会的判断力
家庭外のIADL
 ・買い物
 ・交通機関
 ・金銭管理
家庭内のIADL
 ・電話
 ・食事の準備
 ・服薬管理
身体的ADL①
 ・入浴
 ・着替え
 ・排泄
身体的ADL②
 ・整容
 ・食事
 ・移動

「認知機能」「生活機能」を総合的に評価することができ、IADLの6項目が充実しているため、軽度認知障害(MCI)の生活機能障害を検出しやすいです。

また、1~4の4段階(4件法)で評価しているので障害の機能変動をカバーでき、各設問は具体的かつ観察法によって評価でき評価方法も単純になっています。

介護の123編集部
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利用したい方は、簡単な研修を受けることで、認知症の基本的な理解と認知症の総合的アセスメントの基本的技術を習得できます。評価結果から臨床像の全体をある適度把握することができ、必要な支援の目安を付けることが可能です。

ただ、このテストにより31点以上だとしても認知症が確定したわけではなく、あくまで参考程度にとらえて、気になる方は病院へ行かれることをおすすめします。

DASC-21は誰でもできる

テスト時間はおおよそ10分程度となっており、どなたでも簡単にテストをすることが可能です。

介護の123編集部
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ただし、原則として、栗田主一先生の研修を受けた専門職の方が、対象者のご家族や介護者に、対象者の日常生活の様子を聞きながら、「認知機能障害」と「生活機能障害」に関わる行動の変化を評価するスケールとなっています。

  • 自宅に居ながら家族にテストをしたい方
  • 病院で患者様にテストをしたい医療従事者
  • 介護施設で利用者様にテストをしたい介護職員

などさまざまなシーンでDASC-21は簡単に行うことができます。

DASC-21で準備するもの

DASC-21は当サイトでも行うことができます。

しかし、紙などに書いてご家族にやってもらいたい方はDASC-21を行う前に、準備しておくものは以下になります。

出典 dasc.jp

DASC-21を行う時の注意点

DASC-21を行う時の注意点としては、以下の通りです。

  • DASCは、原則として、栗田主一先生の研修を受けた専門職の方が、対象者をよく知る家族や介護者に、対象者の日常生活の様子を聞きながら、「認知機能障害」と「生活機能障害」に関連する行動の変化を評価する尺度である。
  • 一人暮らしの方で、家族や介護者に質問することができない場合には、対象者に日常生活の様子を質問しながら、追加の質問をしたり、様子を観察したりして、調査担当者の判断で対象者の状態を評価する。
  • 質問は21項目、それぞれにつき1~4の4段階(4件法)で評価する
  • 4段階評価を行う場合、1,2と3,4の間にアンカーポイントをおき、1および2が正常域、3および4が障害域であることをおおよその目安にして評価する
  • 回答者が家族または介護者の場合には、基本的には回答者の回答をそのまま採用して構わない。しかし、客観的な観察と回答者の回答とが著しく乖離する場合には、調査担当者の専門職としての判断に従って評価する
  • 「~できますか」という質問に対して、家族や介護者が”実際にできるか否か”を確認していないという場合でも、家族や介護者から見て”実際にできそうか否か”を判断して回答してもらう。一人暮らしで、家族や介護者に質問できない場合には、調査担当者から見て”実際にできそうか否か”を判断して評価する
  • 導入質問のA、B項目については、DASCアセスメントを円滑に行うための「もの忘れ」の自覚症状についての質問である。この質問はDASCの導入の質問であるので、採点は行わない。

本人のプライドを傷つけないようにDASC-21を行うことが最大のポイントです。

介護の123編集部
介護の123編集部

万が一、点数が悪く本人がひどく落ち込んでしまう場合も想定して、「テストが悪くても認知症と確定したわけではないから大丈夫」などの声掛けは大切です。

検査終了後のアフターケアは非常に重要です。

「疲れましたか?」という言葉をかけたり、嫌な気分のまま検査を終わらせないように注意しましょう。

DASC-21を行う

介護の123編集部
介護の123編集部

DASC-21を行う前に、リラックスできる環境を整え、本人のプライドを傷つけないように注意しながら行ってください。

【問A】導入の質問

もの忘れが多いと感じますか?

  1. 【1点】感じない
  2. 【2点】少し感じる
  3. 【3点】感じる
  4. 【4点】とても感じる
 

【問B】導入の質問

1年前と比べて、もの忘れが増えたと感じますか?

  1. 【1点】感じない
  2. 【2点】少し感じる
  3. 【3点】感じる
  4. 【4点】とても感じる
 

【問1】記憶(近時記憶)

財布や鍵など、物を置いた場所がわからなくなることがありますか?

  1. 【1点】まったくない
  2. 【2点】ときどきある
  3. 【3点】頻繁にある
  4. 【4点】いつもそうだ
 

【問2】記憶(近時記憶)

5分前に聞いた話を思い出せないことがありますか?

  1. 【1点】まったくない
  2. 【2点】ときどきある
  3. 【3点】頻繁にある
  4. 【4点】いつもそうだ
 

【問3】記憶(遠隔記憶)

自分の生年月日がわからなくなることがありますか?

  1. 【1点】まったくない
  2. 【2点】ときどきある
  3. 【3点】頻繁にある
  4. 【4点】いつもそうだ
 

【問4】見当識(時間)

今日が何月何日かわからないときがありますか ?

  1. 【1点】まったくない
  2. 【2点】ときどきある
  3. 【3点】頻繁にある
  4. 【4点】いつもそうだ
 

【問5】見当識(場所)

自分のいる場所がどこだかわからなくなることはありますか ?

  1. 【1点】まったくない
  2. 【2点】ときどきある
  3. 【3点】頻繁にある
  4. 【4点】いつもそうだ
 

【問6】見当識(道順)

道に迷って家に帰ってこられなくなることはありますか ?

  1. 【1点】まったくない
  2. 【2点】ときどきある
  3. 【3点】頻繁にある
  4. 【4点】いつもそうだ
 

【問7】問題解決判断力(問題解決)

電気やガスや水道が止まってしまったときに、自分で適切に対処できますか ?

  1. 【1点】問題なくできる
  2. 【2点】だいたいできる
  3. 【3点】あまりできない
  4. 【4点】まったくできない
 

【問8】問題解決判断力(問題解決)

一日の計画を自分で立てることができますか?

  1. 【1点】問題なくできる
  2. 【2点】だいたいできる
  3. 【3点】あまりできない
  4. 【4点】まったくできない
 

【問9】問題解決判断力(社会的判断力)

季節や状況に合った服を自分で選ぶことができますか?

  1. 【1点】問題なくできる
  2. 【2点】だいたいできる
  3. 【3点】あまりできない
  4. 【4点】まったくできない
 

【問10】家庭外のIADL(買い物)

一人で買い物はできますか?

  1. 【1点】問題なくできる
  2. 【2点】だいたいできる
  3. 【3点】あまりできない
  4. 【4点】まったくできない
 

【問11】家庭外のIADL(交通機関)

バスや電車、自家用車などを使って一人で外出できますか ?

  1. 【1点】問題なくできる
  2. 【2点】だいたいできる
  3. 【3点】あまりできない
  4. 【4点】まったくできない
 

【問12】家庭外のIADL(金銭管理)

貯金の出し入れや、家賃や公共料金の支払いは一人でできますか?

  1. 【1点】問題なくできる
  2. 【2点】だいたいできる
  3. 【3点】あまりできない
  4. 【4点】まったくできない
 

【問13】家庭内のIADL(電話)

電話をかけることができますか ?

  1. 【1点】問題なくできる
  2. 【2点】だいたいできる
  3. 【3点】あまりできない
  4. 【4点】まったくできない
 

【問14】家庭内のIADL(食事の準備)

自分で食事の準備はできますか ?

  1. 【1点】問題なくできる
  2. 【2点】だいたいできる
  3. 【3点】あまりできない
  4. 【4点】まったくできない
 

【問15】家庭内のIADL(服薬管理)

自分で、薬を決まった時間に決まった分量を飲むことはできますか?

  1. 【1点】問題なくできる
  2. 【2点】だいたいできる
  3. 【3点】あまりできない
  4. 【4点】まったくできない
 

【問16】身体的ADL①(入浴)

入浴は一人でできますか?

  1. 【1点】問題なくできる
  2. 【2点】見守りや声がけを要する
  3. 【3点】一部介助を要する
  4. 【4点】全介助を要する
 

【問17】身体的ADL①(着替え)

着替えは一人でできますか?

  1. 【1点】問題なくできる
  2. 【2点】見守りや声がけを要する
  3. 【3点】一部介助を要する
  4. 【4点】全介助を要する
 

【問18】身体的ADL①(排泄)

トイレは一人でできますか?

  1. 【1点】問題なくできる
  2. 【2点】見守りや声がけを要する
  3. 【3点】一部介助を要する
  4. 【4点】全介助を要する
 

【問19】身体的ADL②(整容)

身だしなみを整えることは一人でできますか?

  1. 【1点】問題なくできる
  2. 【2点】見守りや声がけを要する
  3. 【3点】一部介助を要する
  4. 【4点】全介助を要する
 

【問20】身体的ADL②(食事)

食事は一人でできますか?

  1. 【1点】問題なくできる
  2. 【2点】見守りや声がけを要する
  3. 【3点】一部介助を要する
  4. 【4点】全介助を要する
 

【問21】身体的ADL②(移動)

家のなかでの移動は一人でできますか?

  1. 【1点】問題なくできる
  2. 【2点】見守りや声がけを要する
  3. 【3点】一部介助を要する
  4. 【4点】全介助を要する

DASC-21の評価(カットオフ値)

介護の123編集部
介護の123編集部

DASC-21のテストを終えましたら、評価(カットオフ値)を確認します。

カットオフ値とは
ある検査の「陽性と陰性」「正常と罹患」などを識別するために区切る値。

DASC-21は、21つの評価項目から84点中、31点以上で認知症の可能性ありとなります。

31点以上で認知症の可能性(認知機能の低下)が高いことからカットオフ値は31点となります。

ただ、このテストにより31点以上だとしても認知症が確定したわけではなく、あくまで参考程度にとらえて、気になる方は病院へ行かれることをおすすめします。

30点未満の方

異常がなく今のところ認知症の可能性は薄いでしょう。今のうちから認知症対策をしておいた方が良いでしょう。

参考 認知症予防の「食べ物」はこちら

参考 認知症予防の「運動」はこちら

31点以上で遠隔記憶、場所の見当識、社会的判断力、身体的ADLに関する項目のいずれもが1点または2点

軽度認知症の疑いがあります。

軽度認知障害(MCI)を早期発見できる血液検査(MCIスクリーニング検査)をおすすめします。

または、認知機能の低下の原因が「加齢によるものか」「病気によるものか」を診察してくれる物忘れ外来、認知症外来への受診をおすすめします。

参考 MCIスクリーニング検査を受ける

参考 全国の物忘れ外来・認知症外来はこちら

31点以上で遠隔記憶、場所の見当識、社会的判断力、身体的ADLに関する項目のいずれかが3点または4点

中等度の認知症の疑いがあります。

軽度認知障害(MCI)を早期発見できる血液検査(MCIスクリーニング検査)をおすすめします。

または、認知機能の低下の原因が「加齢によるものか」「病気によるものか」を診察してくれる物忘れ外来、認知症外来への受診をおすすめします。

参考 MCIスクリーニング検査を受ける

参考 全国の物忘れ外来・認知症外来はこちら

31点以上で遠隔記憶、場所の見当識、社会的判断力、身体的ADLに関する項目のいずれもが3点または4点

高度の認知症と判断できます。

(※ただし、これらの重症度範囲に関する研究はまだ確立されていません。)

認知症の精密検査が必要とされますので、早急に病院へ行ってください。

探す病院は、「脳神経内科」「脳神経外科」「精神科」「老年科」などになります。

認知症専門医がいる病院に診てもらい検査を受けられることをおすすめします。

参考 認知症専門医がいる病院はこちら

おわりに

DASC-21で認知症は認知機能の低下が簡単にわかるため誰でも気軽に試すことができます。

たとえ悪い点数だったとしても、落ち込まず、物忘れ外来や認知症外来に行って検査されることが大切です。

認知症はゆっくりと進行していますので、良い点数の方も悪い点数の方も、今の状態を維持させるために早めに認知症予防対策をしていきましょう。

 

 

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