脂肪酸ってたくさんあるみたいだけど、それぞれどんな効果があるのかな?
このように
- 脂肪酸の効果について詳しく知りたい
- 脂肪酸のの種類や特徴が知りたい
など上記の方々はこの記事を読むことで解決できます。
この記事では、脂質とは、脂肪酸とは、脂肪酸の種類、などについてわかりやすく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
脂質とは
脂質とは、たんぱく質、糖質、ビタミン、ミネラルに並ぶ5大栄養素の1つです。
脂質と聞くと「太る」「コレステロール」「メタボ」など、いずれも健康にあまり良くないものを思い浮かべることが多いかもしれません。
脂質を構成している重要な成分が脂肪酸になります。
脂肪酸とは
脂肪酸とは、脂質を構成するために必要な成分です。
脂肪酸は、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、3つの原子が鎖状に繋がって構成されています。そして、この鎖状の長さや形によって色々な脂肪酸に分けられています。
脂肪酸は、炭素の数が多くなるほど融点(固体から液体に変化する温度)が高くなります。また、同じ炭素数の脂肪酸を比較した場合、二重結合の数が多くなるほど融点が低くなります。
食品中に含まれる主な脂肪酸の例
炭素数 | 二重結合数 | 名称 | 備考 |
2 | 0 | 酢酸 | 酢の酸味成分 |
4 | 0 | 酪酸 | バターやチーズなどに含まれる成分の一つ |
16 | 0 | パルミチン酸 | パーム油に多く含まれる成分 |
18 | 0 | ステアリン酸 | ココアバターに多く含まれる成分 |
18 | 1 | オレイン酸 | オリーブオイルの主要成分 |
18 | 2 | リノール酸 | 大豆油、コーン油、サフラワー油など植物油の主要成分 |
18 | 3 | α-リノレン酸 | シソ油、エゴマ油、キャノーラ油、大豆油などの主要成分 |
18 | 3 | γ-リノレン酸 | 月見草油など特殊な植物油に含まれる成分 |
20 | 4 | アラキドン酸 | 肉、卵、魚、肝油などに含まれる成分 |
20 | 5 | イコサペンタエン酸(又はエイコサペンタエン酸)【EPA】 | 魚油に含まれる成分 |
22 | 6 | ドコサヘキサエン酸【DHA】 | 魚油に含まれる成分 |
出典 農林水産省
脂肪酸の種類
食品として摂取される脂肪酸は、
- 飽和脂肪酸
- 一価不飽和脂肪酸【オメガ9(n-9系)脂肪酸】
- 多価不飽和脂肪酸【オメガ3(n-3系)脂肪酸】
- 多価不飽和脂肪酸【オメガ6(n-6系)脂肪酸】
- トランス脂肪酸
の5種類に分けられます。
【1】飽和脂肪酸とは
飽和脂肪酸とは、おもに肉類や乳製品に含まれる動物性の脂肪です。体内でも合成することが出来ることから、食事での摂り過ぎに注意が必要な脂肪と言えます。
飽和脂肪酸は、高血圧、動脈硬化、血中悪玉コレステロール増加、善玉コレステロール減少などの影響がありますので摂りすぎに注意しましょう。
飽和脂肪酸が多く含まれる食品は以下になります。
- バター
- 牛脂
- ココナッツオイル(やし油)
- パーム油
可食部100gあたり飽和脂肪酸の含有量
ココナッツオイル | 84.0g |
パーム油 | 47.1g |
参考 ココナッツオイル(やし油)とは|効果・食べ方・保存方法・選び方を解説
【2】一価不飽和脂肪酸【オメガ9(n-9系)脂肪酸】とは
一価不飽和脂肪酸(オメガ9n-9脂肪酸)とは、植物の脂に含まれており、主な脂肪酸はオレイン酸になります。体内で合成することが出来る脂肪です。
一価不飽和脂肪酸(オメガ9n-9脂肪酸)は、動脈硬化、高血圧、血中悪玉コレステロールを減らす効果があります。
主な脂肪酸である「オレイン酸」が多く含まれる食品
- オリーブオイル
- 紅花油
- なたね油
- ひまわり油
可食部100gあたりオレイン酸の含有量
オリーブオイル | 74.0g |
なたね油 | 60.0g |
【3】多価不飽和脂肪酸【オメガ3(n-3系)脂肪酸】とは
多価不飽和脂肪酸(オメガ3n-3脂肪酸)とは、「必須脂肪酸」と呼ばれ、植物や魚の脂に含まれており、主な脂肪酸はα-リノレン酸、DHA、EPAになります。
体内では作り出せないので食事から摂取しなければいけません。
多価不飽和脂肪酸(オメガ3n-3脂肪酸)は、炎症の抑制、動脈硬化、高血圧、心臓病の予防、脳の神経伝達、血中悪玉コレステロールを減らす効果、白血球の働きを抑制する作用があります。
主な脂肪酸である「α-リノレン酸」が多く含まれる食品
- えごま油
- アマニ油
- くるみ
- なたね油
参考 えごま油・亜麻仁油は認知症予防に効果的|正しい選び方・摂り方を解説
可食部100gあたりα-リノレン酸の含有量
えごま油 | 70.6g |
アマニ油 | 71.1g |
なたね油 | 26.1g |
主な脂肪酸である「DHA、EPA」が多く含まれる食品は以下になります。
- さば
- いわし
- さんま
参考 DHA&EPAの効果効能|認知症予防や脳機能の改善、うつの緩和が期待
参考 イワシの効果効能|高めの血圧や記憶力向上効果が!サーデンペプチドとは
【4】多価不飽和脂肪酸【オメガ6(n-6系)脂肪酸】とは
多価不飽和脂肪酸(オメガ6n-6脂肪酸)とは、「必須脂肪酸」と呼ばれ、植物の脂に含まれており、主な脂肪酸はリノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸になります。体内で合成することが出来ないため食品から摂取する必要がある脂肪です。
オメガ6は、動脈硬化の予防、コレステロール値を下げる、アレルギー改善などの効果があります。また、白血球を活性化させて病原菌と戦ってくれます。
主な脂肪酸である「リノール酸」が多く含まれる食品
- ごま油
- 大豆油
- コーン油
- グレープシードオイル(ぶどう油)
- 紅花油(サフラワーオイル)
- キャノーラ油(なたね油)
可食部100gあたりリノール酸の含有量
大豆油 | 55.8g |
ごま油 | 41.2g |
コーン油 | 51.6g |
グレープシードオイル | 63.5g |
キャノーラ油 | 26.1g |
【5】トランス脂肪酸とは
トランス脂肪酸とは、天然と加工の2つがあり、天然は牛や羊などの動物の胃から作られます。加工は植物油などからマーガリンなどを製造するときに出来たり、植物油を高温にして脱臭するときに出来ます。
トランス脂肪酸は、心筋梗塞や冠動脈疾患、生活習慣病など過剰摂取することで健康リスクが高まります。
天然のトランス脂肪酸が多く含まれる食品
- 牛乳
- バター
- 牛肉
加工のトランス脂肪酸が多く含まれる食品
- サラダ油
- マーガリン
- ショートニング
- パン
- ケーキ
- ドーナツ
- フライドポテトなどの揚げ物
国内に流通している食品のトランス脂肪酸含有量(100g)
試料数 | 平均値 | 最大値 | 最小値 | |
バター | 13 | 1.95 | 2.21 | 1.71 |
マーガリン ファットスプレッド |
34 | 7.00 | 13.489 | 0.356 |
食用調合油 なたね油 |
22 | 1.39 | 2.78 | 0 |
牛脂 | 4 | 1.36 | 2.70 | 0.64 |
ラード | 3 | 0.92 | 1.09 | 0.64 |
ショートニング | 10 | 13.57 | 31.21 | 1.15 |
ビスケット類 | 29 | 1.79 | 7.28 | 0.03 |
ポテト系スナック菓子 | 16 | 0.30 | 1.47 | 0.02 |
チョコレート | 15 | 0.14 | 0.71 | 0 |
スポンジケーキ | 4 | 0.90 | 2.16 | 0.38 |
試料数 | 平均値 | 最大値 | 最小値 | |
マヨネーズ | 9 | 1.23 | 1.65 | 0.48 |
食パン | 5 | 0.16 | 0.27 | 0.04 |
菓子パン | 4 | 0.20 | 0.33 | 0.15 |
即席中華めん | 10 | 0.12 | 0.37 | 0.02 |
油揚げ、がんもどき | 7 | 0.13 | 0.22 | 0.06 |
牛肉 | 70 | 0.52 | 1.44 | 0.02 |
牛乳 普通、濃厚、低脂肪 |
70 | 0.52 | 1.44 | 0.01 |
プロセスチーズ | 27 | 0.82 | 1.45 | 0.47 |
プレーンヨーグルト | 8 | 0.04 | 0.10 | 0 |
アイスクリーム | 14 | 0.24 | 0.59 | 0.008 |
おわりに
ふだん私たちが多く摂取するサラダ油にはオメガ6が含まれていますので、健康のためには、オメガ3の摂取量を意識的に増やすようにするなど、バランスを取る必要があります。
また、トランス脂肪酸は、さまざまな食品に含まれており、心疾患リスクが高まりますのでなるべく摂るのを控えるようにしましょう。