認知症介護基礎研修とは?2024年義務化!対象者、免除、費用を徹底解説

【PR】この記事には広告を含む場合があります。

 

女性

認知症介護基礎研修の受講は必須なの?

このように

  • 認知症介護基礎研修って本当に必要なの?
  • 初任者研修との違いは?
  • 研修時間はどれくらい?費用は?
  • どこで受講できるの?

このような悩みや疑問をお持ちではないでしょうか?

認知症介護基礎研修を受けることで

  • 認知症の正しい知識と理解を深めることで、より質の高い介護を提供できる
  • 認知症の人や家族へのコミュニケーションスキルを向上できる
  • 介護職員としての自信とスキルアップにつながる
  • 義務化により、キャリアパスが広がる

といったメリットがあります。

介護の123編集部
介護の123編集部

今記事では、認知症介護基礎研修の内容、受講方法、費用、義務化の背景などについて詳しく解説していきます。研修の内容や費用、義務化の背景を知ることで、なぜ認知症介護基礎研修が必要なのか、あなた自身も理解できるでしょう。介護の仕事に興味がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

無料で資格スクールを一括資料請求無料で資格スクールを一括資料請求

認知症介護基礎研修とは

認知症介護基礎研修の目的

認知症介護基礎研修は、認知症の方の介護に携わる人に対して、認知症の方を介護するため最低限の必要な基礎知識、技術、考え方を習得させることを目的とした研修です。

認知症は、高齢化に伴い増加が著しい病気です。厚生労働省の調査によると、2025年には認知症の患者数が約750万人に達すると推測されています。

認知症の方の介護は、通常の介護に比べて困難なことが多いため、これを理解し、適切に対応するための専門的な知識と技術が必要とされています。質の高い介護が提供されることで、患者だけでなく、その家族の生活の質(QOL)も向上します。

【認知症介護の実例】
山田太郎さん(仮名)は、認知症の母を自宅で介護していましたが、母の行動や言動が理解できず、毎日がストレスだらけでした。しかし、認知症介護基礎研修を受講した後、母の症状やニーズを理解し、より積極的に介護することができるようになりました。研修を通じて得た知識や技術を活用し、太郎さんと母の日常生活は格段に改善されました。

認知症介護基礎研修は、認知症の方とその家族のQOLを向上させるための必要不可欠なプログラムであり、介護者や関連する人々にとって、その重要性は日に日に高まっています。

認知症ケアとは

認知症ケアとは、認知症の方の生活を支え、その人らしく、安心して暮らせるように身体的、精神的、社会的なニーズを支援し、その質の高い生活を確保・維持するための包括的なアプローチです。

認知症は、日本において65歳以上の約5人に1人、75歳以上の約3人に1人が罹患している病気です。2025年には、認知症患者数は約900万人に達すると予測されています。認知症は、高齢化が進むにつれてますます社会問題化しています。

参考 認知症とは

認知症ケアは、認知症の方とその家族にとって大きな負担となります。しかし、適切な支援を受けることで、認知症の方の生活の質(QOL)を向上させることができます。また、認知症ケアは、家族の介護負担を軽減し、家族の精神的健康を守ることにもつながります。

認知症介護基礎研修の義務化

義務化の背景

認知症介護基礎研修は、2021年度(令和3年度)4月より義務化されました。

介護の123編集部
介護の123編集部

認知症介護基礎研修の義務化の背景は大きく分けて3つのポイントがあります。

  1. 2025年には高齢者の約5人に1人が認知症になるとの推計があり、今後も認知症の方の増加が見込まれるため、あらゆる介護保険施設や事業所のスタッフが認知症介護の基礎的な知識を持つことが必要とされています。
  2.  「認知症サポーター養成講座」がありますが、これは一般市民に認知症の基礎知識を身に付けてもらう講座であり介護施設等でサービスを行うことを想定されていません。 また、「介護職員初任者研修」資格は認知症に限らず介護業務を従事するため広範囲にわたる介護の基礎知識を身に付ける養成資格です。
  3. 元々あった認知症介護実践研修には基礎的な研修がありませんでした。

以上のことから、介護サービス従事者向けの認知症ケアに関する基礎的な知識や技術、考え方などを習得できる機会を確保する必要がありました。

完全義務化は2024年度以降

認知症介護基礎研修の義務化は2021年4月で決定になりましたが、無資格で介護サービス事業所で働く従業員の受講が完全義務化されるのは2024年4月からになります。

介護の123編集部
介護の123編集部

そのため、2021年4月から2024年3月までの間は経過措置期間として、研修の受講は努力義務とされています。この期間中でも、無資格者は介護職として働くことが可能です。

この経過措置期間が設けられた理由としては、突然の義務化による介護業界の混乱を避けるためや、関係者に十分な準備期間を与えるためと考えられます。

この期間を利用して、介護職員や関連する施設・事業所が新しい制度に適応し、必要な研修を受けることが期待されています。

認知症介護基礎研修の対象者

受講が義務付けられる対象者は、すべての介護サービス事業所で直接介護に携わる無資格の従業員になります(福祉用具貸与、居宅介護支援を除く)。

認知症介護基礎研修の受講が免除される人

免除される資格

看護師、准看護師、介護福祉士、社会福祉士、医師、歯科医師、歯科衛生士、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、精神保健福祉士、管理栄養士、栄養士、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師、柔道整復師、福祉用具専門員、介護支援専門員など

免除される研修

実務者研修、介護職員初任者研修、生活援助従事者研修、介護職員基礎研修課程、訪問介護員養成研修一級課程・二級課程、認知症介護実践者研修、認知症介護実践リーダー研修、認知症介護指導者養成研修の修了者など

※直接、介護に携わらない職員は免除。

※認知症の「民間資格」は免除となりません。例えば、認知症サポーター養成講座、認知症ケア指導栄養士など。

その他の免除条件

福祉系高校で認知症に関する科目を受講している場合(卒業証明書が必要)。

養成施設で認知症に関する科目を受講している場合(卒業証明書および履修科目証明書が必要)。

人員配置基準上、従業員数として算定される従業者以外の者や、直接介護に携わる可能性がない者。

認知症介護基礎研修のメリット

認知症の方の理解が深まる

認知症介護基礎研修では、認知症の基本的な特性や症状、進行の過程などの知識が提供されています。

また、厚生労働省が推奨するこの研修は、認知症の人の理解を深めるためのカリキュラムが組まれており、事例をもとにしたグループワークやロールプレイを通じて、実際の現場での対応方法を学ぶことができます。

そのため、認知症介護基礎研修を受講することで、介護従事者は認知症の方の特性やニーズをより深く理解することができるようになります。

認知症の方とのコミュニケーションが円滑になる

認知症介護基礎研修では、認知症の方の特性や認知の変化に応じたコミュニケーションの方法が学べます。

研修の中で、実際の現場でのコミュニケーションのシーンを模倣したロールプレイやグループワークが行われ、これにより、今までどのように対応すれば良いかわからなかった方でも身振りや表情を活用してコミュニケーションをとる方法を学び、実際の現場で活用することができるようになります。

認知症の方の生活支援がスムーズになる

認知症介護基礎研修を受講することで、介護従事者は認知症の方の日常生活の支援をより効果的かつスムーズに行う技術や方法を習得することができます。

研修を受ける前は、認知症の方が食事時に食べ物をこぼしたり、食事を拒否する場合の対応に困っていた。

しかし、研修を受けた後、食事の環境を整える方法や、食事の進め方を学び、実際の現場で活用することができるようになります。

家族の介護負担が軽減される

認知症介護基礎研修の中で、家族とのコミュニケーションやサポートの方法も学ぶことができます。研修を受けた介護従事者は、認知症の特性や症状、適切なケア方法についての深い知識を持つことができます。

これにより、家族が直面する認知症の問題に対して、適切なアドバイスやサポートを提供することができるようになります。

認知症介護の質が向上する

認知症介護基礎研修を受けることで、認知症の症状や進行の特性、適切なコミュニケーション方法などの専門的な知識を習得することができるようになります。

研修を受けることで、より質の高い介護を提供することが可能となり、認知症の方の日常生活の質が向上し、家族からの評価も高まります。

認知症介護基礎研修修了後のキャリアパス

認知症介護基礎研修を修了することで、介護職員としての基礎的な知識と技術を身につけることができ、今後のキャリアアップに繋がる可能性が高まります。

認知症介護基礎研修を修了した後のキャリアパスは、以下のようなものがあります。

認知症の資格を極める

認知症介護実践者研修や認知症介護実践リーダー研修などの上位研修を受けて、認知症ケアの専門性や指導力を高めることができます。

介護系の資格を極める

介護職員初任者研修や実務者研修などの国家資格に挑戦して、訪問介護員や介護福祉士として働くことを目指します。

管理職を目指す

管理者研修やリスクマネジメント研修などを受けて、管理者や施設長などの管理職を目指します。

 

認知症介護基礎研修は、介護職員としての基礎的な知識を身につけるための重要なステップであり、この研修を受講することで、今後のキャリアアップの道が広がります。さらに、研修を受けることで、認知症の方への適切なケアを提供する能力を身につけることができ、介護の質を向上させることが期待されます。

認知症介護基礎研修と初任者研修の違い

「認知症介護基礎研修」と「初任者研修」は、異なる目的と内容を持つ研修です。

認知症介護基礎研修とは
認知症の方に対する介護の基本的な知識と技術を習得するための研修です。内容としては、認知症の症状や進行、認知症ケアの考え方、認知症の方への対応方法などになります。
初任者研修とは
介護の仕事を始めたばかりの職員が、介護の基本的な知識と技術、および介護職員としての役割と責任を学ぶための研修です。内容としては、介護の基本知識、法律・制度、コミュニケーション技術、介護技術、介護計画の作成などになります。
介護の123編集部
介護の123編集部

例えば、ある介護施設では、新たに入職した職員に対して、最初に「初任者研修」を受講させ、その後、認知症の方に対する介護の実務経験を積ませた上で、「認知症介護基礎研修」を受講させる、という順番で研修を進めています。職員は、介護の基本知識と技術を学んだ上で、認知症の方の行動や言動をより理解できるようになり、適切な対応ができるようになります。

「認知症介護基礎研修」と「初任者研修」とは、それぞれ異なる目的と内容で設計されていますので、介護のプロフェッショナルとして、両方の研修を受けることが重要です。

これにより、介護職員は、介護の基本知識と技術、および認知症の方に対する専門的な知識と技術を習得することができ、より質の高い介護サービスを提供することができます。

認知症介護基礎研修の内容

受講対象者・要件

認知症介護基礎研修の受講対象者は、

介護保険法第8条第25項に規定する介護保険施設 介護保険法第41条第1項に規定する指定居宅サービス事業者 介護保険法第42条の2第1項に規定する指定地域密着型サービス事業者 などに従事する介護職員で、適当と認められる方になります。

認知症介護基礎研修は、認知症高齢者の特性を理解し、介護に必要な知識やスキルを身につけ、本人や家族の視点を重視した質の高い介護を提供できるようにすることを目的としています。

カリキュラムの内容

認知症介護基礎研修のカリキュラムは以下の通りです。

認知症の人と理解と対応の基本
・認知症の人を取り巻く現状
・具体的なケアを提供する時の判断基準となる考え方
・認知症の人を理解するために必要な基礎的知識
・認知症ケアの基礎的技術に関する知識と実施上の留意点

このカリキュラムの内容を習得することで、認知症の方の理解を深め、より適切なケアが提供できるようになります。

受講期間

認知症介護基礎研修の受講期間は、開催機関によって異なりますが、eラーニングによりおおよそ150分程度を受講することで研修修了となります。

eラーニングとは(イーラーニング)

パソコンやタブレット、スマートフォンを使ってインターネットを利用して学ぶ学習形態になります。

受講費用

認知症介護基礎研修の受講費用は自治体により異なりますが、多くの場合、3,000円(税込)で受講できます。

ただし、具体的な費用は開催する自治体や団体により異なるため、詳細は各自治体のウェブサイト等でご確認ください。

難易度

認知症介護基礎研修の難易度は、初心者向けの基礎的な内容であるため、一般的に低いとされています。

研修内容は、認知症の基礎知識、認知症の人の理解と対応、認知症ケアの倫理と法規、認知症ケアの技術など、認知症介護に必要な基本的な知識やスキルを学ぶものです。

研修はeラーニングで実施されるため、自分のペースで受講することができます。また、確認テストは○×式の5問で、合格率は90%以上とされています。

認知症介護基礎研修の申し込み方法

認知症介護基礎研修の受講までの手続きは以下の3ステップで行います。

STEP1 事業所の登録をする

事業所の代表者が事業所の登録を行い、事業所コードを取得します。登録する際には、事業所ごとに別のメールアドレスを用意し、”@worldpl.co.jp”のドメインを受信許可する必要があります。

事業所の責任者が、認知症介護基礎研修eラーニングシステムにアクセスし、事業所登録フォームから必要事項を入力します。

  • 介護保険事業所番号
  • 自治体名
  • 法人名
  • 事業所名
  • 住所
  • 代表メールアドレス

フォームを送信後、eラーニングシステムよりメールアドレス宛に事業所コードが交付されます。

 

STEP2 受講者の登録をする

受講者は、eラーニングシステムにアクセスして受講申込からメールアドレスを登録します。”@worldpl.co.jp”のドメインを受信許可する必要があります。 本登録用URLをメールで受信し、個人情報を登録します。

  • 事業所名
  • 事業所コード
  • 氏名
  • ログインパスワード
  • 性別
  • 生年月日
  • 職種
  • 所有資格

フォームを送信後、eラーニングシステムよりメールアドレスに会員登録完了のメールが届きます。

 

STEP3 受講料の支払いをする

所属の事業所の所在地によって受講料は異なります。

参考 eラーニング実施団体(自治体)一覧 | 認知症介護基礎研修 eラーニングのご案内 (kiso-elearning.jp)

仙台センターが実施団体の方は、受講料は一人につき3,000円(消費税込)です。支払い方法は、クレジットカード決済、銀行振込、コンビニ決済、またはライセンスキー登録のいずれかを選べます。

受講料の支払いは、事業所が負担する場合と、受講者が負担する場合があります。

事業所負担の場合、事業所がライセンスキーを購入します。 受講者が負担する場合、受講者がeラーニングシステムから受講料を支払います。

eラーニングによる受講から終了証までの流れ

【1】動画で解説を視聴する

eラーニングは、研修の目的、序章と4つの章で構成されています。各章ごとに複数の学習項目(5分~10分程度)に分かれています。

研修の目的
序章 : 認知症を取り巻く現状
第1章 : 認知症ケアにおいて基礎となる理念や考え方
第2章 : 認知症の定義と原因疾患
第3章 : 認知症の中核症状と行動・心理症状の理解
第4章 : 認知症ケアの基礎技術
 

【2】確認テストを行う

4つの章ごとに5問の確認テストがあり、標準的な動画視聴時間は150分程度です(それ以外にテスト所要時間等がかかります)。

 

【3】合格したら次の章に進む

各章ごとの確認テストは、全問正解しないと次の章に進めません。 確認テストは何度でも受けることができますので、解答後に出る解説や動画の再視聴で間違いをチェックし、全問正解を目指しましょう。

 

【4】全て終了したら修了証書が発行される

すべての章の学習を終了した方には「修了証書」が発行されます。この修了証書は、eラーニングのシステムからいつでもPDF形式でダウンロードすることができます。

認知症介護基礎研修に関するよくある質問

介護の123編集部
介護の123編集部

認知症介護基礎研修に関するよくある質問をまとめてみましたので参考にしてください。

認知症介護基礎研修の受講は必須ですか?受講期限は?

認知症介護基礎研修の受講は必須です。2021年度(令和3年度)の介護報酬改定により、介護職無資格者への受講が義務化されました。経過措置期間は3年で、2024年3月31日までです。この期間の受講は努力義務となっているため、受講しないことで罰則が科されるわけではありませんが、2024年4月からは完全義務化となります。

受講義務づけの対象となるサービスとは?

訪問系サービス(訪問入浴介護は除く)、福祉用具貸与、居宅介護支援以外の全サービスになります。

新しく採用した職員の義務付けの取扱いについて教えてください。

新卒採用、中途採用を問わず、事業所が新たに採用した従業者で、医療・福祉関係資格を有さない者に対する当該義務付けの適用については、採用後1年間の猶予期間が設けられています。具体的には、2024年4月1日以降に介護職として新たに採用された場合、2025年3月31日までに受講する必要があります。なお、この場合についても、令和6年3月 31 日までは努力義務で差し支えありません。

認知症介護基礎研修の合格率はどのくらいですか?

認知症介護基礎研修は、カリキュラムの全科目を修了することで修了となります。そのため、合格率という概念はありません。 ちなみに東京都の令和3年度末累計修了者数は5,947人になります。
令和3年度 東京都認知症介護研修等の実績

認知症介護基礎研修を受講する際に何が必要ですか?

認知症介護基礎研修は、PCやスマートフォン、タブレットなどでeラーニングサイトにアクセスし受講します。講義動画の視聴と確認テストがあります。講義動画はデータ容量が大きくなりますので、スマートフォンの場合、Wi-fi環境でのご利用をおすすめします。

おわりに

認知症介護基礎研修は、認知症高齢者の介護に従事する介護職無資格者を対象とした研修です。2021年度(令和3年度)の介護報酬改定により、2024年4月より受講が義務化されます。

認知症介護基礎研修は、認知症高齢者の介護に携わるすべての介護職にとって、必須の研修です。認知症高齢者の介護をより良くするために、受講者が真剣に取り組むことが大切です。

認知症のプロとして、認知症介護基礎研修の受講を強くおすすめします。

 

無料で資格スクールを一括資料請求無料で資格スクールを一括資料請求

▼介護資格を無料で資料請求!
必見!介護・福祉業界で資格取得をお考えの方へ

希望の講座を無料で一括資料請求できる!
格安のスクールが見つかる!
ユーキャン・ニチイなど有名通信通学講座が盛り沢山!
家から近いスクールが見つかる!
夜間・土日のカリキュラムも充実!
スクールごとに料金・価格を比較して選べる!

 

資格の種類
スポンサーリンク
本記事内容の無断転載・リライト等が発覚した場合は、法的措置を取らせていただきます。
この記事が気に入っていただけましたら、シェアをお願いします

ブログランキング・にほんブログ村へ 

 

介護の123