介護の仕事をしてみたいけど、どんなことをするのかな?
介護の仕事内容や働き場所が知りたい
上記のようにこれから介護のお仕事をしてみたい方はこの記事を読むことで解決できます。
この記事では、介護士の仕事とは、働き場所、仕事内容、職種、資格、やりがい、大変なこと、給与などについてわかりやすく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
介護士の仕事とは?
介護の仕事というと、高齢者の身の回りのお世話だったり、おむつ交換や掃除、着替えなどを思い浮かべるのではないでしょうか?
介護の仕事とは、高齢者の方や障がいを持った方が安心してその人らしくいきいきとした暮らしが送れるように日常生活をサポートするお仕事です。
自分でできることはしてもらい、できない部分を手助けしながら、利用者様ひとりひとりが尊厳を保持して生活を送ることができるよう、意思を尊重し手助けをします。
介護職は無資格・未経験の方でもスタートすることが可能で、年齢は10代から70代まで活躍されています。
介護士の働く場所
介護士が働く場所は、大きく分けて3つあります。
- 居宅サービス
- 施設サービス
- 地域密着サービス
①居宅サービス
訪問系
利用者様(要介護者など)の自宅を訪問し、「食事・入浴・排せつなどの介護」「調理・洗濯・掃除などの家事」を行います。
通所系
また利用者様(要介護者など)の自宅に迎えに行き、介護士施設にて、「入浴・排せつ・食事などの介護」「レク・機能訓練」「相談や助言」「その他日常生活上のお世話」などを行います。
②施設サービス
要介護が低い方から高い方が入所する介護施設にて、「入浴、排泄、食事などの介護」「その他日常生活のお世話」「機能訓練」「健康管理」「療養上の支援」などを行います。
③地域密着サービス
地域密着型特定施設」に入居している利用者様に、「入浴、排泄、食事などの介護」「洗濯、掃除などの家事」「相談や助言」「その他日常生活上のお世話」などを行います。
介護の職種
- ホームヘルパー(訪問介護員)
- 介護助手
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
- 生活相談員
- サービス提供責任者
- 保健師
- 施設長・管理職
介護の職種はたくさんありますが、中でも代表的な職種をご紹介します。
ホームヘルパー(訪問介護員)
職場 | 訪問介護事業所 |
必要資格 | ・介護職員初任者研修 ※無資格採用も多いが合った方が良い |
給料 | 少なめ |
年齢 | 40~70代が多い |
雇用形態 | パート・アルバイト・派遣社員・正社員 |
高齢の方や障がいを持った方の自宅に訪問をして身体介護や家事援助などを行います。1日に1~3件ほどのご利用者様のご自宅を訪問してお仕事をします。
介護助手
職場 | ・介護施設 ・訪問介護事業所 ・病院など |
必要資格 | 必要なし |
給料 | 少なめ |
年齢 | 40~70代が多い |
雇用形態 | パート・アルバイトが多い |
介護施設に入所、病院に入院などされている高齢の方の見守り、食事介助、話し相手などをお手伝いするお仕事になります。
ケアマネジャー(介護支援専門員)
職場 | ・介護施設 ・訪問介護事業所 ・地域包括支援センターなど |
必要資格 | ・ケアマネジャー |
給料 | 多い |
年齢 | 30~50代が多い |
雇用形態 | 正社員 |
ケアプランの作成、事業所やご家族との連絡調整サービス担当者会議、要介護認定の手続きや調査、介護給付の管理などがお仕事になります。
生活相談員
職場 | ・介護施設 ・地域包括支援センター ・病院など |
必要資格 | ・介護福祉士 ・ケアマネジャー |
給料 | ふつう~多い |
年齢 | 30~40代が多い |
雇用形態 | 正社員 |
病院の入退院、介護施設の入居での困ったことやわからないことを介護施設・病院・行政などと連携して適切に対応していきます。
サービス提供責任者
職場 | 訪問介護事業所 |
必要資格 | ・実務者研修 ・介護福祉士 |
給料 | ふつう~多い |
年齢 | 30~50代が多い |
雇用形態 | 正社員 |
訪問介護計画書を作成、サービス提供の支援、ヘルパーへの研修、サービス担当者会議介護業務、アセスメント、新人の同行訪問、モニタリングなど幅広い業務になります。
保健師
職場 | ・保健所 ・民間企業 ・病院 ・学校など |
必要資格 | ・保健師 ・看護師 |
給料 | ふつう~多い |
年齢 | 20~50代が多い |
雇用形態 | パート・アルバイト・派遣社員・正社員 |
高齢者や障がい者の健康予防・増進・維持・管理など生活の質を上げて支援する職業になります。
参考 保健師の仕事内容はこちら
施設長・管理職
職場 | ・介護施設 ・訪問介護事業所 |
必要資格 | ・実務者研修 ・介護福祉士 ・社会福祉主事 |
給料 | 多い |
年齢 | 40~60代が多い |
会社の運営から人材管理まで広い知識と売り上げをあげることが求められます。
介護職の仕事内容
介護職の仕事内容について1つずつ解説いたします。
食事介助
利用者の状態に合わせて、体勢やどの位置からどれくらいの量を口に運べばいいのかなどを考えながら食事の介助を行います。他にも歯磨きやうがいなどの口腔ケア、口腔体操や嚥下体操などのサポートもあります。
排泄介助
排泄やおむつ交換などの介助を行います。トイレまで連れて行ったり、ポータブルトイレを使用したり、ベッドの上で介助をしたりと、プライバシーに配慮しながら介助を行います。
入浴介助
髪や身体の全身洗浄、足浴、タオルを使っての清拭など、利用者の入浴の介助を行います。健康を保つためには入浴や清潔保持はとても重要です。
着替えの介助
利用者の身体状態を見ながら着替えの介助を行います。脱健着患を意識しつつ身体に負担をかけずスムーズに着替えを手伝います。
移乗の介助
ベッドから車イス、車イスからベッドなどへの移動するための介助をします。利用者の体は麻痺、筋力低下などさまざまな病状がありますので負担がかからないように介助を行います。
体位変換
同じ場所が圧迫され血流が悪くなってしまうと床ずれを起こしたり、関節も固まって拘縮してしまいます。そうならないために、仰向けに寝ている状態から横にしたり、座っている状態から立たせたりと体位を変えます。
移動介助
立ったり、座ったり、歩いたりなどの移動や、車椅子や杖を使っての移動の介助を行います。段差の上り下りや階段の上り下りなど、少しでも不安を取り除き安全に移動ができるように手伝います。
通院介助
利用者が通院するための身支度や、交通機関を使っての移動などの介助を行います。車での乗り降りや、段差や横断歩道などでのサポート、病院での手続きなども手伝います。
介護職の資格
介護の資格は非常にたくさんありますが、介護業界未経験から働いてキャリアアップしていくことを目標にしていくなら以下の5つの介護資格は必須になります。
- 介護職員初任者研修
- 実務者研修
- 介護福祉士
- 認定介護福祉士
- ケアマネジャー
介護職員に必要不可欠な「5つの必須資格」についてより具体的に解説します。
参考 介護資格一覧表|種類・難易度・通信通学講座料金・受験資格・期間を比較
①介護職員初任者研修
受講資格
なし。介護の仕事が初めての方、無資格の方、誰でも受講可能です。
受講スタイル
通信・通学どちらでも可能です。
受講期間
最短1カ月で取得することができます。スクールによって最速で資格取得したい方向けに「短期集中コース」などが用意されています。
受講費用・料金
最安は3万円台からあります。平均して6万円~9万円が相場になります。
取得後の職場
訪問介護、施設介護、病院、児童福祉施設など
参考 介護職員初任者研修とは
②実務者研修
受講資格
なし。介護の仕事が初めての方、無資格の方、誰でも受講可能です。
受講スタイル
通信・通学どちらでも可能です。
受講期間
最短は無資格者で6ヶ月間。初任者研修保持者で2ヶ月間で取得可能です。
受講費用・料金
最安は無資格者で7万円台から。初任者研修保持者で5万円台からあります。
取得後の職場
訪問介護、施設介護、病院、児童福祉施設など
参考 実務者研修とは
③介護福祉士
受験資格
あり。
無資格者の場合は、まず介護での実務経験3年以上が必要になります。さらに実務者研修を修了することで受講資格が得られます。
受講スタイル
受験資格があれば、スクールに通う必要はありません。
受講期間
受験資格があれば、スクールに通う必要はありません。
ただし各スクールでは受験対策講座などが開かれていますので受講することで合格率を上げることができます。
受講費用・料金
受験資格があれば、スクールに通う必要はありません。
介護福祉士受験対策講座の最安は2万円台からあります。
取得後の職場
訪問介護、施設介護、病院、児童福祉施設など
参考 介護福祉士とは
④認定介護福祉士
受講資格
あり。
介護福祉士の資格取得者であり、介護福祉士として実務経験が5年以上あること。
受講スタイル
通学のみになります。
受講期間
600時間の研修が必要になります。おおよそ1年半から2年ほどかかります。
受講費用・料金
最安は20万円台から60万円ほどになります。
取得後の職場
訪問介護、施設介護、病院、児童福祉施設などで教育指導、マネジメント業務
参考 認定介護福祉士とは
⑤ケアマネジャー
受験資格
あり。以下のどちらかが必要です。
- 必須となる国家資格を所有し、かつ実務経験が5年以上、従事した日数が900日以上あること。
- 相談支援業務に従事し、かつ実務経験が5年以上、従事した日数が900日以上あること。
受講スタイル
受験資格があれば、スクールに通う必要はありません。
受講期間
受験資格があれば、スクールに通う必要はありません。
ただし各スクールでは受験対策講座などが開かれていますので受講することで合格率を上げることができます。
受講費用・料金
受験資格があれば、スクールに通う必要はありません。
ケアマネジャー受験対策講座の最安は2万円台からあります。
取得後の職場
訪問介護、施設介護、病院、児童福祉施設など
参考 ケアマネジャーとは
介護の仕事のやりがい
- 「ありがとう」の感謝の言葉
- 社会貢献ができる
- 介護の知識と技術が身に付く
介護の仕事のやりがいについて1つずつご説明します。
①「ありがとう」の感謝の言葉
日々、利用者様へ介護することで直接「ありがとう」と感謝の言葉を頂けます。また利用者様のご家族からも感謝され、大きなやりがいに繋がります。
介護を通じて利用者様との信頼関係の絆が深まり、より仕事がしやすくなります。
②社会貢献ができる
介護の仕事は高齢化社会を支えるなくてはならないとても重要な仕事です。職業の中でも特に社会貢献度が高い介護職はこれからますます必要な担い手となる人材です。
地域社会で暮らしている高齢者の方・障害者の方に寄り添いながら社会貢献していける職業です。
③介護の知識と技術が身に付く
介護の知識と技術を学ぶことで、将来において家族に介護が必要になった時に活かすことができ、大切な家族に安心して日々を過ごしてもらえます。
相手の体をいたわりながら自身の体の負担を減らして介護する方法などが可能になります。
介護の仕事の大変なこと
- 腰痛になる
- 夜勤がある
介護の仕事の大変なことについて1つずつご説明します。
①腰痛になる
介護には「身体介護」がありベッドからの移乗介助、入浴介助などは特に体力を使い、最悪腰を痛める場合があります。
しかし、腰痛ベルトをつけたり、身体に負担がかからない正しい方法で介助することで腰痛を回避することは可能です。
②夜勤がある
施設介護や居宅介護では24時間体制で見守り介護を行うため、職場によっては夜勤があります。
夜勤の忙しさは職場によってさまざまですので、一概に大変とは言い切れませんが、昼夜逆転してしまうため、眠れなくなったりする恐れがあります。
夜勤は辛いばかりではなく、夜勤手当があったり、夜勤明けは休みなので進んで夜勤をやる職員もいます。
参考 介護職の夜勤とは?1日の流れ・勤務時間・回数・給料・休憩仮眠を解説
介護職の給与
介護職員の給与について、厚生労働省の調査によると、介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得(届出)している事業所における介護職員(月給・常勤の者)の平均基本給額は、2019年(平成31年)2月と2020年(令和2年)2月の状況を比較すると、15,730円の増加していることがわかります。
介護従事者等の平均基本給額の状況(月給・常勤の者、職種別)
2020年 | 2019年 | 差 | |
介護職員 | 315,850円 | 300,120円 | 15,730円 増 |
看護職員 | 379,610円 | 372,940円 | 6,670円 増 |
生活相談員 支援相談員 |
343,310円 | 332,980円 | 10,330円 増 |
理学療法士 作業療法士 言語聴覚士 |
358,560円 | 349,190円 | 9,370円 増 |
介護支援 専門員 |
357,850円 | 347,460円 | 10,390円 増 |
事務職員 | 311,120円 | 303,710円 | 7,410円 増 |
調理員 | 267,930円 | 261,180円 | 6,750円 増 |
管理栄養士 | 319,680円 | 310,720円 | 8,960円 増 |
介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得(届出)している事業所における介護職員(月給・常勤の者)の平均給与額について、2019年と2020年の保有資格別にみると、保有資格の有無にかかわらず増加していることがわかります。
介護職員の平均給与額の状況(月給・常勤の者、保有資格別)
平均勤続年数 | 2020年 | 2019年 | 差 | |
全体 | 8.1年 | 315,850円 | 300,120円 | 15,730円 増 |
保有資格あり | 8.2年 | 318,150円 | 302,480円 | 15,670円 増 |
介護福祉士 | 8.9年 | 329,250円 | 313,590円 | 15,660円 増 |
実務者研修 | 6.7年 | 303,230円 | 288,890円 | 14,340円 増 |
介護職員 初任者研修 |
7.3年 | 301,210円 | 285,800円 | 15,410円 増 |
保有資格なし | 5.5年 | 275,920円 | 264,800円 | 11,120円 増 |
おわりに
介護業界は2025年に超高齢化社会を迎えようとしており、介護の有効求人倍率は4倍以上の買い手市場で多くの担い手が必要とされています。
高齢者の方は障害者の方に寄り添いながら日常を支える意義のあるお仕事です。
介護は他の仕事と違い、何歳からでも始めることができますので、資格を取得し将来性の高い介護業界で働くことをおすすめいたします。
- 参考 介護転職の流れ
- 参考 履歴書の書き方
- 参考 面接の服装・身だしなみ
- 参考 面接の退職理由【例文あり】
- 参考 面接の志望動機【例文あり】
- 参考 円満退職するまでの流れ