キャリアパスってよく聞くけど具体的にどんな内容なのか知りたい
上記のような介護職員のキャリアパスについて詳しく知りたい方はこの記事を読むことで解決できます。
この記事では介護の未経験者が働く前に知っておきたい介護職員のキャリアパスについてわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。
介護職員のキャリアパスとは
キャリアパスのキャリアは(職歴)、パスは(道筋)を意味します。
介護職員のキャリアパスとは、「介護施設や介護事業所などの中で昇進して役職に就く」または「資格を取得して専門性を獲得する」など3年、5年後となる将来の目標に向かって進んでいくための道標ということになります。キャリアパスがあることで介護職へのやりがい、モチベーションが向上、介護サービスの質の向上され、利用者への安心安全なケアへと繋がります。
一方、会社や法人の場合は、介護職員の確保と定着を目的として、介護職員1人1人が誇りとやる気を持って主体的に学習をしたり、働くことができる支援や研修などの整備をし、介護の質の向上や介護スキルを高めてもらう道筋を示します。
「介護職員」と「法人」のキャリアパス
- 昇給・昇格
- 介護の仕事へのやりがい
- 転職時に役立つ
- 安心安定した生活
- 介護サービスの質の向上
- 介護スキルを高める
- 優秀な職員の確保
- やる気のある職員の定着
キャリアパス制度導入の経緯
高齢化が進む中で厚生労働省が公表した資料によると、2025年には団塊世代がすべて75歳以上となり、後期高齢者は2000万人を突破するとともに要介護高齢者も増大することが予想されています。
これに伴い37.7万人の介護人材が必要とされており、介護の人材確保と介護職員の定着促進が非常に重要とされています。
出典:厚生労働省:2025年に向けた介護人材にかかる需給推計を基に作成
利用者に対する介護サービスの質を向上させ、介護業界の労働環境・処遇の改善、参入促進、介護職員が意欲と能力に応じてキャリアアップできる仕組みなどを図るため「介護のキャリアパス制度」が導入されました。
介護職の役職におけるキャリアパス
介護職の役職におけるキャリアパスとは、介護施設や介護事業所の中において経験年数やスキルに応じて昇進を図り、最終的に管理者や経営者を目指していく道筋になります。
以下は介護施設内でのキャリアアップ表になります。
経験年数 | 職層 | 役職 | 役割 | 求められる 介護資格 |
10年以上 | 経営 | 施設管理者 | 運営責任 | ー |
8年以上 | 管理 | 副管理者 | 運営管理 | ー |
5年以上 | 監督 | 介護長 | 介護監督 スーパーバイザー |
介護福祉士 |
3年以上 | 上級 | 主任 | 介護業務 付帯業務 介護責任 |
介護福祉士 |
1年以上 | 中級 | 主任補佐 (一般職員) |
介護業務 付帯業務 介護指導 |
ユニットリーダー 認知症介護実践者 |
1年未満 | 初級 | 一般職員 | 介護業務 | 実務者研修 |
半年未満 | 補助 | 研修生 | 介護補助 | 介護職員初任者研修 |
上記のようにステップアップしていくことで「社会力」や「介護力」を身に着けていくことができます。
- 社会力とは
利用者・職員に対して良好な人間関係を築くことができ、初任者等の模範となる行動ができるようになる。 - 介護力とは
介護職員として基本に基づいた技術を習得し、利用者の尊厳を尊重しつつ安全を確保したケアをすることができる。
介護資格におけるキャリアパス
2012年までの介護資格は、将来の展望やキャリアパスが見えづらく、専門性が不明確で役割が混在した状況でした。
2013年4月から介護資格の制度改正が行われ、「ヘルパー2級」廃止され「介護職員初任者研修」へ、「ヘルパー1級」廃止され「実務者研修」へと新たに移行されました。
これによりキャリアパスが明確になり、介護業界で働く将来像が見えやすく、さらに介護サービスの向上や介護職の定着促進へと繋がりました。
▼以下は介護人材のキャリアパス全体像(イメージ)
出典:厚生労働省 介護人材のキャリアパス全体像(イメージ)を基に作成
介護資格のキャリアパスが1本化されたことで、介護未経験者の方でも将来の目標が立てやすくなりました。
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国家資格「介護福祉士」
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次の上位資格「実務者研修」
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介護職の基礎資格「介護職員初任者研修」
このようにキャリアを積んでステップアップしていくことが可能になります。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護職員として働くときに介護の基礎知識と介護技術を習得することができる資格です。
2013年に廃止されたヘルパー2級と同等の資格になります。無資格・未経験でも受けることができ、受講は最短約1ヶ月で取得することが可能です。
参考 介護職員初任者研修とは
実務者研修
実務者研修は介護職員初任者研修の上位資格であり、介護に関するより幅広い知識・技術を身に着けることができる応用的な資格になります。
2013年に廃止されたヘルパー1級と同等の資格になります。無資格・未経験でも受けることができ、受講は450時間必要になります。
参考 実務者研修とは
介護福祉士
介護福祉士は介護・福祉分野における唯一の国家資格になります。社会的な信頼性が高く、専門的な知識・技術を有し、介護職員の教育や指導のほか、リーダーとしてまとめたり、医師や社会福祉士などと連携をして従事します。
実務経験3年以上と実務者研修が修了していることが受験要件になります。介護福祉士を雇用したい法人も多いため転職時の採用率も高く、介護業界で働いていくためには必須資格と言えます。
参考 介護福祉士とは
認定介護福祉士
認定介護福祉士は介護職で最上位資格になります。居住・施設系サービスを問わず、多様な利用者や生活環境に対応して、より質の高い介護技術やマネジメント、医療と介護の連携を行い、地域包括ケア等に対応するための知識や技術などを身につけることができます。
介護福祉士として実務経験が5年以上ある方であれば研修を受けることができます。
参考 認定介護福祉士とは
おわりに
キャリアパスがあることで介護職へのやりがい、モチベーションが向上、介護サービスの質の向上され、利用者への安心安全なケアへと繋がります。
未経験の方はまず介護の基礎資格である「介護職員初任者研修」を取得し、一般職員、主任、施設長などへの役職を目指していったり、認定介護福祉士やケアマネジャーなどより専門的な職種へステップアップして目標を達成していきましょう。