行動援護従事者養成研修の仕事内容
知的・精神障害がある方へのサービス
行動援護従事者養成研修は3つの研修があるガイドヘルパー(移動介護従事者)のうちの1つです。
行動援護従事者養成研修修了者の主な仕事内容は、知的障害者や精神障害者など行動に困難が伴う常時介護が必要な方の移動をサポートするのが主な業務です。
障害者の方々が外出や移動する際に生じる危険を可能な限り回避して、最終的には自立していけるような支援を行うことになります。
行動を熟知し良き理解者になってあげる
具体的には、バスの中やショッピングセンター内など外出や移動中に、問題行動やこだわり行動などを起こした時でも安全かつ適切に収めたりすることが必要になってきます。排泄の処理、食事介助、衣類着脱介助など適切に身体介助も行ったりします。
また、知的障害者及び精神障害者の方の良き理解者になってあげることも大切で、言葉以外のコミュニケーション能力も非常に大切になり落ち着いた行動をとれるように促すことも必須となります。
知的・精神障害者にはどのようなものが問題行動の引き金になるかわからないので、それらが視界に入らないように工夫することも必須になっており、支援対象の問題行動を熟知して予防をしっかりと行うことも大切になります。
このような方におすすめ
- 障害者を持つ家族で外出支援を行いたい方
- 介護職員初任者研修は修了しているけどそれ以上に高齢者介護の技量を上げたい方
- 障害者に対する支援ができる仕事に就きたい方
ベストな使い方はこの資格と自動車免許や介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)などの資格を合わせて取得することで、介護から車の移動までを一人でこなせるようになりますので、一人で幅広い仕事をこなせる人材とみなされることになり非常に重宝される存在になれます。
行動援護従事者養成研修の将来性
必要としている声が非常に多い
昨今、施設ではなく地域で生活している知的・精神障害の方が増えてきています。しかし社会の認知理解度はいまだ低いため、窮屈な生活をしている知的・精神障害の方も少なくはありません。
そのため、行動援護従事者養成研修修了者を必要とする声が多く、需要はこれまで以上に伸びていくので将来性は非常に高いものとなります。
最も、今現在でもガイドヘルパー(移動介護従事者)関連の仕事は慢性的に人手不足になっているので行動援護従事者養成研修の履修者は非常に求められている状況となっています。
この背景にはこの資格を持っていないために知的・精神障害者に対する理解が全くない人が担当とならざるを得ない状況が続いていて、お互い非常に苦労しているという現場の悲鳴ともいえる声が多数上がっているというものがあります。
行動援護事業所では必須資格
行動援護を提供する事業所で働く「従事者」と「サービス提供責任者」の資格要件に行動援護従業者養成研修を修了することが必須となりました。
ただし、平成33年3月31日(2021年3月31日)までは経過措置としてみなし認定になり、修了されたことになります。つまり平成30年4月以降からは行動援護従業者養成研修の資格が無いと行動援護事業所で働くことができませんので注意してください。
職種 | 資格要件 |
従事者 |
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サービス提供責任者 |
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行動援護従事者養成研修の就職先
ガイドヘルパー(移動介護従事者)の一つである行動援護従事者養成研修にはどのような働き先があるかというと、
知的障害者と精神障害者への行動を支援が必要となる在宅や施設などの幅広い介護業界で活躍できます。
より求められる人材になる
それ以外にも厚生労働省が進める行動援護特定事業所加算の配置要件の対象となっているのでそれだけでも就職に有利になる可能性が高まっています。
基本的に障害者の外出プラン作成や外出介助を行うことができる資格になるので、やはり自動車の中型免許以上の資格は持っておきたいですね。そうすれば間違いなく仕事の幅が広がります。
行動援護従事者養成研修の給料
ガイドヘルパー(移動介護従事者)関連の資格を持っている人の平均月収は常勤で約18万~20万円、パートでは約800円~1,400円が相場のようです。
給料 | 金額 |
年収 | 300万円〜350万円 |
月収 | 18万〜22万円 |
時給 | 800円~1400円 |
これは働いている地方や場所によって上下するものとなっているのであくまで目安と捉えてください。ただし、今後さらに需要が高まることが予想されることから資格手当や給与水準が上がると考えられます。
場合によっては時給のほうが高くなることもありますので給料第一主義の方は月給のみに捕らわれないようにしてくださいね。
ガイドヘルパー(移動介護従事者)の中でもっとも給料が良くなっているのは「全身性障害者ガイドヘルパー養成研修」修了者であることが多いので、資格取得の際にはその部分も考慮に入れましょう。
行動援護従事者養成研修の資格取得ルート
行動援護従業者養成研修の受験資格は無資格・未経験者でも可能となっております。
行動援護従業者養成研修を取得する方法は「通学型の講座」のみになります。
スクールによって多少受講料が変わりますので資料請求をしてよく調べて決めてくださいね。無事終わったら修了試験を受け、合格ができれば晴れて資格取得という形になります。
受験資格 | 無資格者OK |
受講期間 | 3日~5日 ・講義 10時間 ・演習 14時間 |
受講料 | 無資格者の場合 ・20,000円~40,000円 ※他の資格とのセット価格のスクールでは少し安くなります |
受講様式 | 通学型講座のみ(合計24時間) |
行動援護従事者養成研修の資格を取得するためには各都道府県又は市区町村指定のガイドヘルパー・行動援護従事者講座を受講することが必要になります。
行動援護従事者養成研修のカリキュラム
行動援護従業者養成研修の受講は講義10時間、演習14時間の合計24時間のカリキュラムを受ける必要があります。
講義 (合計10時間) | ・強度行動障害がある者の基本的理解(2.5時間) ・強度行動障害に関する制度及び ・支援技術の基礎的な知識(3.5時間) ・強度行動障害のある者へのチーム支援(2時間) ・強度行動障害と生活の組み立て(2時間) |
演習 (合計14時間) | ・基本的な情報収集と記録等の共有(1時間) ・行動障害がある者の固有の ・コミュニケーションの理解(2.5時間) ・行動障害の背景にある特性の理解(2.5時間) ・障害特性の理解とアセスメント(2.5時間) ・環境調整による強度(3.5時間) ・記録の基づく支援の評価(1時間) ・危機対応と虐待防止(1時間) |
保有資格によってカリキュラムが免除される
以下の資格を保有している場合は、各都道府県の判断によって行動援護従業者養成研修の受講科目と受講時間の一部が免除されます。
講義から7時間、演習から5時間免除
- 強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者
- 重度訪問介護従業者養成研修行動障害支援課程修了者
保有資格の免除の詳しい内容については各都道府県に確認してください。
行動援護従事者養成研修の資格講座
行動援護従事者養成研修の資格を取得するための通学講座をご紹介します。
参考までに以下は一部スクールの通学講座になりますので資格取得の参考にしてくださいね。
スクール名 | 藤仁館医療福祉カレッジ |
講座種別 | 通学講座 |
入学金 | 0円 |
受講料 | 34,900円(総額制・税込) ※教材費は受講料に含まれています。 |
受講期間 | 3日間 平日コース、土曜コース、日曜コースなどのご用意がございます。 |
特記事項 | 経験・所有資格を問いません! 介護経験の有無にかかわらず、幅広い年代の方が受講されています。 ●知的障害者や精神障害者支援に携わる方 ●知的障害・精神障害に興味のある方 ●行動援護サービスを提供している事業所に勤務している方 など |